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1章
午後の蒼天 第2話
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叔父から話が会って以降、私の周りを沢山のヤクザ達が監視するようになった。もちろん、御籐様が忍び込んでこれる余裕などなく、彼とはもう数週間以上会うことが出来ていなかった。その間も私の仕事はひっきりなしに舞い込んでいるようで、私は、多忙を極め、心身共に疲労はピークに達していた。
「ゆめ、いつまでそうやって落ち込んでいる気だ。そろそろ仕事の時間だぞ。切り替えろ。」
私の不調に気づいてか、今では、事務所の代表である叔父までもが、私の仕事の様子を確認しにくるようになっていた。
「……御籐様に会わせて、お願い。そしたら仕事でも何でもするから。」
私は、叔父に何度も懇願したが、叔父が縦に首を振ることはなかった。彼は今どうしているんだろう。彼も私に会いたいと思ってくれているだろうか。……きっと、御籐様なら何としても会いに来てくれるはず、私は彼を信じて待たなければ。
「ゆめ……、お前には可哀想だが、御籐が会いに来ることは、もうない。金代から御籐に直接話をさせた。極道にとって親の命令は絶対だ。」
私は、そのことを知って、目の前が真っ暗になった。酷い。どうしてそんなことするの。私は絶望するしかなかった。
その日から、私はステージに立っても心から笑えることは無くなった。ただ機械のように歌って、寝て、また歌う。しかし、御籐様を想う気持ちはずっと変わらなかった。彼はまだ私のことを好きでいてくれるだろうか。もしかしたら、新しく好きな人ができてしまった?彼を想うと幸せなはずなのに、なぜか心が痛む。鳥籠に閉じ込められた私には、彼の幸せを願うことしかできなかった。
「ゆめ、いつまでそうやって落ち込んでいる気だ。そろそろ仕事の時間だぞ。切り替えろ。」
私の不調に気づいてか、今では、事務所の代表である叔父までもが、私の仕事の様子を確認しにくるようになっていた。
「……御籐様に会わせて、お願い。そしたら仕事でも何でもするから。」
私は、叔父に何度も懇願したが、叔父が縦に首を振ることはなかった。彼は今どうしているんだろう。彼も私に会いたいと思ってくれているだろうか。……きっと、御籐様なら何としても会いに来てくれるはず、私は彼を信じて待たなければ。
「ゆめ……、お前には可哀想だが、御籐が会いに来ることは、もうない。金代から御籐に直接話をさせた。極道にとって親の命令は絶対だ。」
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