あなたの隣へ一歩ずつ。

なつか

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おまけ2.夏休みの、ある一日【※R-18】

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 火月かつきと付き合い始めてから初めての夏休み。俺は、ほとんど半同棲って言えるくらい、火月の家に入り浸っていた。

「火月さん、おはようございます」
 寝室からのろのろと出てきた火月は、なぜか下着の上に俺のTシャツを着た、いわゆる“彼シャツ”状態。
「なんでそんな恰好なんですか」
「んー? 柊哉の服が近くにあったから」
 
 朝は大抵、朝食を作るために先に俺が起きる。
 今朝起きてみると、なぜか火月は前の晩に脱いだおれのTシャツを抱きしめて眠っていた。
 もう、めちゃくちゃにかわいくて、朝から萌え死ぬところだった。
 その時握っていた服を着てきたんだろうけど、下を履かないのはなぜなんだ。わざとか。

 悶々とそんなことを考えていると、インターホンが鳴った。
 火月は郵便書留が届いたと言って、印鑑を捜しに部屋を出ようとしている。
「えっその恰好で出るの? ダメだよ! 下はいてください!」
「大丈夫だって」
 そう言って、そのまま玄関に行ってしまった。
 慌ててズボンを用意して追いかける前に、玄関のインターホンが鳴り、ドアが開く音聞こえた。このタイミングでズボンを渡すのはどう考えてもおかしい。
 諦めてキッチンに戻ろうとしたその時、何かが倒れたような大きな音が玄関から響いた。

「火月さん?!」
 慌ててドアを開けてすぐ目に入ったのは、床に倒れた火月の上に覆いかぶさる配達員の姿だった。
 俺は必至で、その配達員を火月の上から引きはがし、睨みつけた。
「何してんだ!」
「いってぇ……って、高槻?!」
 俺がフッ飛ばして玄関のドアにぶつかった配達員の顔に、俺は見覚えがあった。

「えっ、久我くが?!」
 それは、同級生の久我 貴裕たかひろだった。二年生になって同じクラスになったやつで、実は、前に一週間の部活動停止をくらった時、ケンカをした相手。
 ケンカの後、お互いに謝って、同じクラスになった今ではよく話をするようになった。

「あれ、柊哉の知り合いなの?」
「同じクラスの久我です。っていうか、これどういう状況ですか?」
「あぁごめん。棚の上に置いてある印鑑とろうと思って台に乗ったら滑っちゃって、配達員さんを巻き込んでこけた」
「えぇ、ケガしてないですか?!」
「大丈夫だよ。えっと、久我君? ごめんね。ケガしてない?」
「あっはい。大丈夫です……」
 久我は目をぱちくりとさせ、俺と火月を交互に見ていた。まぁ朝から、彼シャツ状態の火月と一緒にいるんだから、察しちゃうよね。
「久我はバイト?」
「あっそう。夏休みの短期バイトで……って配達戻らないと! ここにハンコお願いします」
 久我は火月がハンコを押した受領書を手に取ると、慌てて部屋から出て行った。

 俺は、火月を促してリビングに戻り、ドアを閉めた瞬間、火月の唇を塞いだ。
「んっ……!」
 そのまま、口を開かせ、差し込んだ舌でその中をかき回す。
 火月は、その動きに合わせて体を小さく震わせていた。
「んぁ…っはぁ……なに、急に」
 唇を離すと、火月は息を荒げ、くたっと力の抜けた体を俺に預けてくる。

「事故とはいえ、ほかの男に組み敷かれるのを見て冷静でいられるほど、俺は出来た男じゃないよ」
「あっ、ちょっと……!」
 制止を無視して、俺は火月の下着をずらし、自分の唾液で濡らした指を後ろに挿し込む。昨晩たくさんほぐしたから、まだ柔らかいいままだ。
「しゅ、しゅうや…! まって……あっ」
「火月さん、首に手まわして」
 俺は火月の両足を持ち上げて背を壁につけ、火月の柔らかいところへグッと入り込んだ。
「あっ! そんな、いきなりっ……!あぁ、だ、だめぇ……っ」
 昨晩の名残のおかげですんなりと奥に入り込んだ俺は、そのまま体を揺さぶり、火月の弱いところを突く。そのたび、火月は体をびくつかせ、声を上げた。

「しゅぅ…しゅうや…っ! だめっ、ふかい…あっあぁ、んっ!」
 イクと同時にキュウっと窄められた火月の中で、俺も果てた。
「ごめん、火月さん。中に出しちゃったから、このまま風呂連れてきます」
「……っ! バカ! 柊哉のバカ!」

 涙目の火月をそのまま風呂に運び、もう一回した後、しっかり中から掻き出す手伝いもしたけど、その日一日、火月はプンプンと怒っていて、ものすごくかわいかった。


「って、なんで俺はこんな話聞かされてんの」
「久我が教えろって言うから話したんだけど。ってかまだまだあるよ」
 その後、久我から『どういうことか教えろ!』って連絡があったから、たまたま時間があった緒方も一緒に集まって、どれほど火月がかわいいかという話をたっぷりと聞かせてやった。
「いや、もういい……胃もたれする……」
「久我は胃が弱いんだねぇ」
 俺が話している最中、久我はずっと顔を引きつらせていたけど、緒方はニコニコと楽しそうに聞いていた。

「……緒方は知ってたのか」
「うん。知ってた」
 緒方は火月と同じeスポーツ部に所属していて、火月とも仲がいい。あとから聞いてみると、俺とうまくいくよう、火月の背中を押してくれていたらしい。
「そもそも隠してるの? 瀬良先輩と付き合ってること」
「いや、別に」
 もし、火月が『隠したい』、というのであれば、隠すつもりだったけど、そうではなかったから、特に言いふらすこともしないけど、隠すこともしていない。

「じゃ―あの時すげぇ怒ったのも、付き合ってたからだったのか」
 久我の言う“あの時”というのは、久我とその連れが、火月をバカにするような発言をして、ケンカになったときのことだ。
「いや? あの時は付き合ってなかったよ。あれは、もし違う人の話だったとしても、同じようにキレてた」
「どうせ、俺は考えが浅はかだよ」
 あの時の話も、今はこうやって笑って話せる。
 
 火月を好きになってから、俺の世界はどんどん広がっていった。
 ちょっと捻くれていた頃と違って、今はわかってくれる友達がいて、
 何より、火月が俺の隣にいる。それだけで何でもできる気がした。

 あなたが隣にいる日々は、毎日こんなにもいろんな色で溢れている。
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