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【71.5話】 藁人形の藁君 ※少し前の話し※
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リリアはリアルゴールドのお店でスクロールを見ていた。資金に余裕があるし、ちょっとある思いつきを実行してみたい。
動く案山子をクリエートするスクロールを購入検討中。
「ねぇ、これって、ここに書かれている呪文を唱えたら動く案山子が出来上がるんでしょ?」リリアが尋ねる。
「そうです。かざして古代語の呪文を読み上げるとクリエートされます。古代語が読めない人の為にルビを打ってあります」販売員が説明してくれる。
「クレアレ…」リリアがスクロールを手にしてルビを読む。
「だ!だめですよ!手にして読んだら発動しますよ」慌てて口を押さえられた。そっか、危ない危ない…
「これって命令する時はどうするの?」リリアの質問。
「農家で畑守として良く使わる呪文はルビをふってます。読み上げたら大丈夫とは思いますが、農家では数体まとめて働かせるので、魔法使い等を呼んでクリエートする事も多いですよ」
「なるほどね… 農家で使わないような呪文は?」
「呪文は言語みたなものですからね。専門にできる人に頼むしかないですね。畑で使うんじゃないんですか?」
「あぁ、これ相手に戦闘の練習をしてみようかと思ったのよ」リリアは答える。
「それなら案山子はあまりむかないですよ。首が落ちたら簡単に終了しちゃいます。戦闘の練習相手なら動く藁人形が丈夫でおすすめですよ。ちょっと高くなりますけど」
「これも、古代語で命令するんでしょ?ある程度は取り扱い説明書に載ってる?… 歩かせる呪文、立ち止まる呪文、ランダムに方向を変えて歩く… 襲われたら反撃する… 襲われたら防御… なんか、とりあえず何とかなりそうね、おいくら?… たっかい!給料の2ヶ月分以上あるじゃない!負けてよ… これでも格安?いや、なら友達誘って練習をおすすめ?… わかったわよ、何よ、あたしあなたの上司知ってるのよ」リリアはブツブツ言いながらお買い上げ。
リリアはコトロ、ニャン、ピョンを誘って城外へ。昼過ぎなので、城への往来は賑やか。
等身大藁人形を作りだし、簡単な命令を与えてみる。
いきなり切り刻んで倒したらもったいないので木刀で戦ってみたが面白い!練習になっているか?ちょっとリリアの想像違って動きが単調だが、遠慮なくボカボカできる。
「面白そう!ウチらもやらせてニャン!」
ニャン子とピョン子もやってみる。ニャン子は基本能力が高いようだ、良い動きをしている。ピョン子も冒険者ギルドに入るだけの事はあるようだが、おっとり性格が出ている。コトロは「剣を持つよりリュートですよ」と草むらに腰を下ろして演奏している。
せっかく高額を払っているのだ、悪いが藁人形君にはもうちょっと痛いのを我慢してもらいたい。リリアはランダムで歩かせて、弓の練習。
遠く離れさせ、ウロウロしている藁君を射抜く。
「おぉ!さすがリリたん!」「やりますねぇ!」感嘆の声があがる。
藁君はテクテクとある程度歩くと、クルっと方向を変えて歩きなおす。これもリリアの想像と少し違うが、遠慮なく打てるので良い練習。
「弓やらせてニャン」とニャン子が挑戦。全然当たらない、そりゃそうだけど。
「弓はこう手でしっかり握って、足を… そうそう、背筋伸ばして…」
熱心にニャン・ピョンにコーチングしていたら、コトロが大声を上げた。
「リリア!大変!あれあれ!」
見ると藁君が街道に出ようとしている。なんだ?ランダムで歩くんじゃないのか?
「大変!」
慌てて追いかけるリリア達。あんな物が路上に出て、事故や怪我人が出たら大問題になる。必死に走るが、もう道に出そうな藁君、荷馬車が往来している。ニャン子が凄いスピードでダッシュしている。メッチャ身体能力が高い。
道に出た藁君は何を思ったか腕を振りまわし始めた!荷馬車の馬が驚いて暴れている。やめてくれ!何かあったら大問題!
「リリたん、早く!呪文、解呪ニャン」ニャン子が大暴れの藁君にしがみつく。
「え!あ!無い、取説持ってない!」
「じゃ!ちょん切るニャン、それしかないニャン」
追いついて来たピョン、コトロが押さえつけ、リリアが剣で藁君を解体…
巡回兵や護衛、野次馬が集まっている。メチャクチャ怒られそう。
「すみません、これ、解呪分からなくて、切っちゃいました」リリアは弁解。
「君たち、冒険者ギルドの人間だろ。ギルド証」巡回兵が威厳を正して言う。大人しく沿うしかない。
「あたし達、向こうで剣の練習とかしてて、それで藁人形が出て…」リリアはしどろもどろに説明。
「それにしても、突然なのによく止めたね。スコアシートに魔物退治1付けとくから、これかもがんばってね」兵士はギルド証を返してくれた。
「…………あぁ、そうですね、日頃の鍛錬の成果が出たみたい」
リリア達はメッチャ愛想笑いをしながら適当に答えると全速力で帰っていった。
ニャン子は特にメッチャ早かった。
動く案山子をクリエートするスクロールを購入検討中。
「ねぇ、これって、ここに書かれている呪文を唱えたら動く案山子が出来上がるんでしょ?」リリアが尋ねる。
「そうです。かざして古代語の呪文を読み上げるとクリエートされます。古代語が読めない人の為にルビを打ってあります」販売員が説明してくれる。
「クレアレ…」リリアがスクロールを手にしてルビを読む。
「だ!だめですよ!手にして読んだら発動しますよ」慌てて口を押さえられた。そっか、危ない危ない…
「これって命令する時はどうするの?」リリアの質問。
「農家で畑守として良く使わる呪文はルビをふってます。読み上げたら大丈夫とは思いますが、農家では数体まとめて働かせるので、魔法使い等を呼んでクリエートする事も多いですよ」
「なるほどね… 農家で使わないような呪文は?」
「呪文は言語みたなものですからね。専門にできる人に頼むしかないですね。畑で使うんじゃないんですか?」
「あぁ、これ相手に戦闘の練習をしてみようかと思ったのよ」リリアは答える。
「それなら案山子はあまりむかないですよ。首が落ちたら簡単に終了しちゃいます。戦闘の練習相手なら動く藁人形が丈夫でおすすめですよ。ちょっと高くなりますけど」
「これも、古代語で命令するんでしょ?ある程度は取り扱い説明書に載ってる?… 歩かせる呪文、立ち止まる呪文、ランダムに方向を変えて歩く… 襲われたら反撃する… 襲われたら防御… なんか、とりあえず何とかなりそうね、おいくら?… たっかい!給料の2ヶ月分以上あるじゃない!負けてよ… これでも格安?いや、なら友達誘って練習をおすすめ?… わかったわよ、何よ、あたしあなたの上司知ってるのよ」リリアはブツブツ言いながらお買い上げ。
リリアはコトロ、ニャン、ピョンを誘って城外へ。昼過ぎなので、城への往来は賑やか。
等身大藁人形を作りだし、簡単な命令を与えてみる。
いきなり切り刻んで倒したらもったいないので木刀で戦ってみたが面白い!練習になっているか?ちょっとリリアの想像違って動きが単調だが、遠慮なくボカボカできる。
「面白そう!ウチらもやらせてニャン!」
ニャン子とピョン子もやってみる。ニャン子は基本能力が高いようだ、良い動きをしている。ピョン子も冒険者ギルドに入るだけの事はあるようだが、おっとり性格が出ている。コトロは「剣を持つよりリュートですよ」と草むらに腰を下ろして演奏している。
せっかく高額を払っているのだ、悪いが藁人形君にはもうちょっと痛いのを我慢してもらいたい。リリアはランダムで歩かせて、弓の練習。
遠く離れさせ、ウロウロしている藁君を射抜く。
「おぉ!さすがリリたん!」「やりますねぇ!」感嘆の声があがる。
藁君はテクテクとある程度歩くと、クルっと方向を変えて歩きなおす。これもリリアの想像と少し違うが、遠慮なく打てるので良い練習。
「弓やらせてニャン」とニャン子が挑戦。全然当たらない、そりゃそうだけど。
「弓はこう手でしっかり握って、足を… そうそう、背筋伸ばして…」
熱心にニャン・ピョンにコーチングしていたら、コトロが大声を上げた。
「リリア!大変!あれあれ!」
見ると藁君が街道に出ようとしている。なんだ?ランダムで歩くんじゃないのか?
「大変!」
慌てて追いかけるリリア達。あんな物が路上に出て、事故や怪我人が出たら大問題になる。必死に走るが、もう道に出そうな藁君、荷馬車が往来している。ニャン子が凄いスピードでダッシュしている。メッチャ身体能力が高い。
道に出た藁君は何を思ったか腕を振りまわし始めた!荷馬車の馬が驚いて暴れている。やめてくれ!何かあったら大問題!
「リリたん、早く!呪文、解呪ニャン」ニャン子が大暴れの藁君にしがみつく。
「え!あ!無い、取説持ってない!」
「じゃ!ちょん切るニャン、それしかないニャン」
追いついて来たピョン、コトロが押さえつけ、リリアが剣で藁君を解体…
巡回兵や護衛、野次馬が集まっている。メチャクチャ怒られそう。
「すみません、これ、解呪分からなくて、切っちゃいました」リリアは弁解。
「君たち、冒険者ギルドの人間だろ。ギルド証」巡回兵が威厳を正して言う。大人しく沿うしかない。
「あたし達、向こうで剣の練習とかしてて、それで藁人形が出て…」リリアはしどろもどろに説明。
「それにしても、突然なのによく止めたね。スコアシートに魔物退治1付けとくから、これかもがんばってね」兵士はギルド証を返してくれた。
「…………あぁ、そうですね、日頃の鍛錬の成果が出たみたい」
リリア達はメッチャ愛想笑いをしながら適当に答えると全速力で帰っていった。
ニャン子は特にメッチャ早かった。
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