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絶望の夜と出会い・2
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気を失った柚子が次に目を覚ました時、辺りは明るくなっていた。
目が慣れてくるにしたがって、ここが自室では無い事に気がついた。
そうしてーー昨夜が夢ではなかった事も。
昨夜の事を思い出した柚子は、恐怖から気分が悪くなった。
口を押さえていると、柚子が気を失った時には無かった、柔らかな毛布にくるまれている事に気づいた。
「——」
隣から寝息が聞こえたと思ったら、毛布越しに温かい肌色のものがお腹の辺りを包んでいた。
よくよく見ると、それは何者かの腕であった。
柚子が隣を向くと、そこには気持ち良さそうに眠っている見目麗しい青年がいた。
自分の右腕をくの字に曲げて枕代わりにして眠る横顔には、青年の胸辺りまでの長さの黒髪がかかっていた。
(黒髪? まさか、昨夜の?)
柚子は顔を真っ青にして、再び、気持ち悪くなりながらも、青年の姿をよく観察した。
青年は白色のシャツ一枚に黒色のズボンだけで毛布もかけずに、柚子を抱き枕のようにして眠っていたのだった。
柚子はそっと青年の顔にかかる黒髪を肩に流す。
すると、青年はゆっくりと目を開けたのだった。
サファイアの様な吸い込まれそうな青い瞳に見惚れていると、青年はやや垂れ目がちな目を大きく見開いた。
そうして、上半身を起こすと、柚子を見つめながら何かを問いかけてきた。
「—————。————————?」
柚子は全く言葉が分からず、首を傾げた。
青年も困ったように、何度も話しかけてくるが、柚子は首を傾げ続ける事しか出来なかったのだった。
青年が困ったように、黒髪を掻き上げたその時。ベッドの向かいにある扉が控えめに開いた。
青年とニ人で扉を見つめていると、扉からは十歳くらいの少女が顔を出したのだった。
肩までの長さの茶色の髪を、三つ編みのおさげにしている少女は、柚子と青年に気づくと驚いた顔をした。
「———————!?」
スモーキークォーツの様な茶色の瞳を大きく見開いたまま、少女は何事か叫びながら扉から離れた。
そうして、軽やかな足音を立てながら、走り去って行ったのだった。
すると、青年もベッドから起き上がると、慌てて少女の後を追いかけて行ったのだった。
「一体、何なの……?」
部屋に取り残された柚子の呟きだけが、室内に虚しく響いたのだった。
やがて、青年が着替えて、柚子がいる部屋に戻ってきた。
「———。————? —————」
青年は声を掛けると、柚子に向かって手を差し出してきた。
困惑した柚子が手を取らないでいると、青年は差し出した手を一度引っ込めると、今度は優しく柚子の肩に触れてきた。
その時、柚子は昨夜の恐怖をまざまざと思い出してしまった。
真っ青になった柚子を心配するように青年は見つめてくるが、柚子は青年の手を振り解くと目から涙を溢れさせた。
突然泣き出した柚子の姿に、青年が戸惑っているのがわかった。
青年がオロオロと青い瞳を彷徨わせていると、扉が控えめにノックされた。
すると、先程の少女と少女に手を引かれるように、人当たりの良さそうな六十歳ぐらいの老婆が部屋に入ってきたのだった。
少女は柚子達を指差すと、老婆に何事かを訴えていた。
老婆はうんうんと頷くと、柚子達に近いてきたのだった。
老婆は柚子が泣いている事に気づくと、少女と同じ色の茶色の瞳を大きく見開いた。
そうして、青年に向かって何かを叫んだ。
「———! ———————!!」
「—! ————。—————-!」
しばらく、青年と老婆は何か言い争っていた。
その間に柚子に近いてきた少女は、柚子にニコッと笑いかけてきた。
その笑顔を見た柚子は、安心して小さく微笑んだ。
すると、言い争っていたはずの青年も、柚子の微笑みにつられる様に笑みを浮かべたのだった。
それから、老婆によって青年は部屋から追い出された。
柚子は老婆に手伝ってもらいながら、熱い湯とハーブの様な爽やか香りのする石鹸で身体と髪を洗った。
その後、少女が持ってきたシンプルなデザインの膝下までの丈の紺色のワンピースに着替え、冷たいタオルも渡された。
少女の目を冷やすように身振りで伝えてくるところから、柚子の目が腫れている事に気づいて持ってきてくれたらしい。
目にタオルを当てて冷やしている間に、一度部屋から出て行った老婆が軽食を手に戻ってきた。
温かそうな湯気を立てるスープと柔らかそうなパンを見ている内に、柚子は昨夜から何も食べていない事を思い出して、お腹が空いてきた。
テーブルの上に老婆が軽食を置くと、柚子はその近くのソファーに座って軽食を食べたのだった。
朝食を済ませてしばらくすると、少女と一緒に青年が部屋に入ってきた。
柚子が警戒して老婆の後ろに隠れると、青年は大きく肩を落とした。
青年は老婆に何事かを言われると、ショックを受けた様に部屋から出て行ったのだった。
柚子が老婆の後ろから出てくると、老婆と少女は柚子を心配そうに見てきた。
心配されていると思った柚子は、大丈夫という意味を込めて何度か頷くと、小さく笑ったのだった。
柚子が食べ終えた食器を持って、部屋から出て行く二人を柚子は扉近くまで見送った。
その後、ベッド近くまで戻ってくると、部屋の窓から青年が屋敷から出る姿が見えた。
黒髪を後ろで一つにまとめた青年は、窓下に広がる庭園を抜けて、門前に停めている馬車に乗り込んだ。
すると、馬車は音を立てながら、そのまま真っ直ぐ走り去って行ったのだった。
青年を見送った柚子は、ベッドに腰掛けると天井を見上げた。
(ここはどこなんだろう? 部屋で寝ていたはずなのにどうして……?)
柚子は身体を見下ろした。老婆に着せてもらったワンピースと朝食を食べている間に用意してもらったオレンジ色のフワフワしたスリッパ、そうして青年が乗って行った馬車。
どれも柚子が住んでいた日本には無かったものだった。
柚子は試しに頬をつねってみた。
昨夜の床の冷たい感触や、今朝のお湯の温かさからなんとなく気づいてはいたが、やはり夢ではないようだった。
(家に帰りたい……。帰りたいよ……)
柚子は膝を抱えて丸くなった。
目にはまた涙が溢れてきた。
今日は、いや、昨日から泣いてばかりいた。
柚子が鼻をグズッと鳴らすと、扉が控えめに開いた。すると、老婆と一緒に部屋から出て行った少女が、扉の陰から柚子を興味深く見つめてきたのだった。
柚子は涙を引っ込めて手招きをすると、少女はぱあっと顔を輝かせて部屋に入ってきた。
「——! ——————?」
柚子が首を傾げると、少女はまた何かを話しかけてきた。
柚子が身振り手振りで言葉がわからない事を示すと、少女は悲しそうに肩を落としたのだった。
すると、少女は走って部屋から出て行った。しばらくすると、少女は本やおもちゃを抱えて柚子の元に戻ってきた。
柚子は興味深そうに本を手に取って、パラパラと捲った。
本は絵本の様で、大きな絵と文字が書かれていた。
文字が読めない柚子が絵だけを見ていると、少女がトランプの様な掌サイズの紙の束を渡してきたのだった。
柚子が受け取ると、少女は身振り手振りで遊び方を教えてくれた。
どうやら、トランプの遊び方とほぼ同じ様だった。
二人でしばらくトランプの様なもので遊んでいると、老婆が三人分の軽食を持って部屋に入ってきた。
いつの間にか昼食の時間になった様だった。
三人でスコーンの様なものを食べ、アールグレイに似た香りの紅茶の様なものを飲んだのだった。
それから、柚子は少女に屋敷内を案内してもらった。
屋敷は二階建てとなっており、柚子の部屋は二階の最奥にあるようだった。
少女と老婆は一階の厨房脇の部屋に二人で住んでいるらしい。
それから、庭を案内してもらっていると、老婆が少女を迎えに来たのだった。
「—————! ——————!」
何事かを老婆に言われた少女は、肩を落として屋敷へと戻って行った。
柚子も二人の後に続いて、屋敷の中へと戻ったのだった。
部屋に戻ると、老婆が絵本を大量に持ってきてくれた。
柚子は手振りで感謝の気持ちを伝えると、老婆は嬉しそうに去って行ったのだった。
それから、柚子は絵本を読んで時間を潰した。
ソファーに座って読んでいる内に、昨夜の疲れが出たのか、緊張の糸が緩んでしまったのか、柚子は本を持ったまま、眠ってしまったのだった。
目が慣れてくるにしたがって、ここが自室では無い事に気がついた。
そうしてーー昨夜が夢ではなかった事も。
昨夜の事を思い出した柚子は、恐怖から気分が悪くなった。
口を押さえていると、柚子が気を失った時には無かった、柔らかな毛布にくるまれている事に気づいた。
「——」
隣から寝息が聞こえたと思ったら、毛布越しに温かい肌色のものがお腹の辺りを包んでいた。
よくよく見ると、それは何者かの腕であった。
柚子が隣を向くと、そこには気持ち良さそうに眠っている見目麗しい青年がいた。
自分の右腕をくの字に曲げて枕代わりにして眠る横顔には、青年の胸辺りまでの長さの黒髪がかかっていた。
(黒髪? まさか、昨夜の?)
柚子は顔を真っ青にして、再び、気持ち悪くなりながらも、青年の姿をよく観察した。
青年は白色のシャツ一枚に黒色のズボンだけで毛布もかけずに、柚子を抱き枕のようにして眠っていたのだった。
柚子はそっと青年の顔にかかる黒髪を肩に流す。
すると、青年はゆっくりと目を開けたのだった。
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そうして、上半身を起こすと、柚子を見つめながら何かを問いかけてきた。
「—————。————————?」
柚子は全く言葉が分からず、首を傾げた。
青年も困ったように、何度も話しかけてくるが、柚子は首を傾げ続ける事しか出来なかったのだった。
青年が困ったように、黒髪を掻き上げたその時。ベッドの向かいにある扉が控えめに開いた。
青年とニ人で扉を見つめていると、扉からは十歳くらいの少女が顔を出したのだった。
肩までの長さの茶色の髪を、三つ編みのおさげにしている少女は、柚子と青年に気づくと驚いた顔をした。
「———————!?」
スモーキークォーツの様な茶色の瞳を大きく見開いたまま、少女は何事か叫びながら扉から離れた。
そうして、軽やかな足音を立てながら、走り去って行ったのだった。
すると、青年もベッドから起き上がると、慌てて少女の後を追いかけて行ったのだった。
「一体、何なの……?」
部屋に取り残された柚子の呟きだけが、室内に虚しく響いたのだった。
やがて、青年が着替えて、柚子がいる部屋に戻ってきた。
「———。————? —————」
青年は声を掛けると、柚子に向かって手を差し出してきた。
困惑した柚子が手を取らないでいると、青年は差し出した手を一度引っ込めると、今度は優しく柚子の肩に触れてきた。
その時、柚子は昨夜の恐怖をまざまざと思い出してしまった。
真っ青になった柚子を心配するように青年は見つめてくるが、柚子は青年の手を振り解くと目から涙を溢れさせた。
突然泣き出した柚子の姿に、青年が戸惑っているのがわかった。
青年がオロオロと青い瞳を彷徨わせていると、扉が控えめにノックされた。
すると、先程の少女と少女に手を引かれるように、人当たりの良さそうな六十歳ぐらいの老婆が部屋に入ってきたのだった。
少女は柚子達を指差すと、老婆に何事かを訴えていた。
老婆はうんうんと頷くと、柚子達に近いてきたのだった。
老婆は柚子が泣いている事に気づくと、少女と同じ色の茶色の瞳を大きく見開いた。
そうして、青年に向かって何かを叫んだ。
「———! ———————!!」
「—! ————。—————-!」
しばらく、青年と老婆は何か言い争っていた。
その間に柚子に近いてきた少女は、柚子にニコッと笑いかけてきた。
その笑顔を見た柚子は、安心して小さく微笑んだ。
すると、言い争っていたはずの青年も、柚子の微笑みにつられる様に笑みを浮かべたのだった。
それから、老婆によって青年は部屋から追い出された。
柚子は老婆に手伝ってもらいながら、熱い湯とハーブの様な爽やか香りのする石鹸で身体と髪を洗った。
その後、少女が持ってきたシンプルなデザインの膝下までの丈の紺色のワンピースに着替え、冷たいタオルも渡された。
少女の目を冷やすように身振りで伝えてくるところから、柚子の目が腫れている事に気づいて持ってきてくれたらしい。
目にタオルを当てて冷やしている間に、一度部屋から出て行った老婆が軽食を手に戻ってきた。
温かそうな湯気を立てるスープと柔らかそうなパンを見ている内に、柚子は昨夜から何も食べていない事を思い出して、お腹が空いてきた。
テーブルの上に老婆が軽食を置くと、柚子はその近くのソファーに座って軽食を食べたのだった。
朝食を済ませてしばらくすると、少女と一緒に青年が部屋に入ってきた。
柚子が警戒して老婆の後ろに隠れると、青年は大きく肩を落とした。
青年は老婆に何事かを言われると、ショックを受けた様に部屋から出て行ったのだった。
柚子が老婆の後ろから出てくると、老婆と少女は柚子を心配そうに見てきた。
心配されていると思った柚子は、大丈夫という意味を込めて何度か頷くと、小さく笑ったのだった。
柚子が食べ終えた食器を持って、部屋から出て行く二人を柚子は扉近くまで見送った。
その後、ベッド近くまで戻ってくると、部屋の窓から青年が屋敷から出る姿が見えた。
黒髪を後ろで一つにまとめた青年は、窓下に広がる庭園を抜けて、門前に停めている馬車に乗り込んだ。
すると、馬車は音を立てながら、そのまま真っ直ぐ走り去って行ったのだった。
青年を見送った柚子は、ベッドに腰掛けると天井を見上げた。
(ここはどこなんだろう? 部屋で寝ていたはずなのにどうして……?)
柚子は身体を見下ろした。老婆に着せてもらったワンピースと朝食を食べている間に用意してもらったオレンジ色のフワフワしたスリッパ、そうして青年が乗って行った馬車。
どれも柚子が住んでいた日本には無かったものだった。
柚子は試しに頬をつねってみた。
昨夜の床の冷たい感触や、今朝のお湯の温かさからなんとなく気づいてはいたが、やはり夢ではないようだった。
(家に帰りたい……。帰りたいよ……)
柚子は膝を抱えて丸くなった。
目にはまた涙が溢れてきた。
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柚子が鼻をグズッと鳴らすと、扉が控えめに開いた。すると、老婆と一緒に部屋から出て行った少女が、扉の陰から柚子を興味深く見つめてきたのだった。
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「——! ——————?」
柚子が首を傾げると、少女はまた何かを話しかけてきた。
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すると、少女は走って部屋から出て行った。しばらくすると、少女は本やおもちゃを抱えて柚子の元に戻ってきた。
柚子は興味深そうに本を手に取って、パラパラと捲った。
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文字が読めない柚子が絵だけを見ていると、少女がトランプの様な掌サイズの紙の束を渡してきたのだった。
柚子が受け取ると、少女は身振り手振りで遊び方を教えてくれた。
どうやら、トランプの遊び方とほぼ同じ様だった。
二人でしばらくトランプの様なもので遊んでいると、老婆が三人分の軽食を持って部屋に入ってきた。
いつの間にか昼食の時間になった様だった。
三人でスコーンの様なものを食べ、アールグレイに似た香りの紅茶の様なものを飲んだのだった。
それから、柚子は少女に屋敷内を案内してもらった。
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少女と老婆は一階の厨房脇の部屋に二人で住んでいるらしい。
それから、庭を案内してもらっていると、老婆が少女を迎えに来たのだった。
「—————! ——————!」
何事かを老婆に言われた少女は、肩を落として屋敷へと戻って行った。
柚子も二人の後に続いて、屋敷の中へと戻ったのだった。
部屋に戻ると、老婆が絵本を大量に持ってきてくれた。
柚子は手振りで感謝の気持ちを伝えると、老婆は嬉しそうに去って行ったのだった。
それから、柚子は絵本を読んで時間を潰した。
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