悪役令嬢の双子の兄

みるきぃ

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「え、えっと誰…?」 



すごく気になる。教えてくれるかどうかわからないけど、知ることが出来ればマリーを幸せにすることへの第一歩へと繋げることができる。 知りたい。…すごく知りたい。


 「急に驚かせてごめんね。ふふ、気になる?」 


マリーはクスッと笑い、ジッと見つめていた俺が可笑しかったみたいだった。



 「そりゃマリーのことなら気になるよ」


 「へへ、嬉しいな。欲張りなこと言うけど、実は四人いるの」 


「え、四人…?」


 「そうよ。知っていると思うけどリアム、レオナルド、ヴァル、そしてオリバー」 


嬉しそうな顔でそう言ったマリー。 え、まじ…?しかも見事に攻略対象たちじゃん…。さすが、元悪役令嬢のマリー。まさか四人のことを言うなんて…。




 「その四人から特に気になっている人は…?」 


「それが選べないの。同時に好きになっちゃったから」 


恥ずかしそうに頬を赤くするマリー。 まじか…。俺は今後どうやって行動すればいいんだ。 




「そういうわけでアレンにお願いがあるの」 


「なに?」 


「協力してほしいの。私、頼れる人アレンしかいないから」


 「それはもちろんだよ」 


だって元からそのつもりだったし。ただ四人って…せめてこの中から一人だけ選んでほしかった。 


「やった。嬉しいわ。アレン大好きよ」 


手を合わせて本当に嬉しそうなマリーの顔を見ると、まとめて四人と幸せになってほしいとまで思えてしまった。


 「マリーが喜んでくれるなら、俺は協力するよ」 


「ありがとう。でもね…私とアレンは似ているから、あの人たちは私に興味を持つかどうかわからないの」 



「え、何を言っているんだマリー。いくら似ていても俺は男だし関係ないよ」 


「関係あるの!オリバーだって私とアレン間違うくらいだし」 


それはオリバーが天然だからだよ。 


「だからね、アレンお願い!みんなから嫌われて…?」 


可愛い顔でなんてお願いをするんだ、我が妹は。 でも可愛いからなんでもきいてしまう馬鹿な俺。 


「それでマリーが不安にならないなら俺はいいよ」 


「本当?ごめんね。こんな嫌なお願いを頼んでしまって…」 


申し訳なさそうに謝るマリー。まぁ嫌われるのは俺だけでいい。俺は一度猫を助けて死んでいる身だ。嫌われるくらい痛くない。 


突然の話で驚いたけど、可愛いマリーのお願いだから仕方ない。だってこの学園に来たのもマリーのためだから俺はなんだってする気でいた。 


いくら俺とマリーが似ているから、不安になるなんて、それほどあの四人のことが好きなんだなと思った。


 「さっそく明日から、アレンの悪い噂を流すわ。それでも大丈夫…?」 


「大丈夫だよ」 


「あと、もうオリバーとは話さないでね。あと他の人とも」 


つまり、孤立か。青春したかったけど、俺なんかが出しゃばってもな。


マリーが幸せになるまで、頑張ればいいだけだ。


誰とも仲良くなる自信はなかったけど、オリバーとは友達になれると思った。

無理だよな、仕方ない。




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