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しおりを挟む「アレン、そんなことより私が言ったこと守ってよね!」
強く念を押されたので、頷いた。
すると、先ほどは打って変わって周りの声が黄色い声へと変わった。気づいたときには、もう遅かった。
「…マリー久しぶり。会いたかった。僕のこと覚えている?」
「誰?」
マリーの目の前に現れたのはリアムだった。すぐにマリーの手を握る。
「僕は、リアム・サイラス。小さい頃そのパーティーで…忘れたかな?」
リアムは照れ臭そうに話し出す。
「あぁ、はいはい」
マリーは俺が女装してあのパーティーに出席したことは知っている。だからそれを装って思い出したかのように演じてくれている。
「思い出してくれてうれしいよ。あの日から君のことが忘れなくて、本当に会えてよかった。その隣にいるのはもしかしてマリーの双子の…?」
リアムが隣いる俺に話を振ったことに反応したマリーは俺を隠すかのように前に立った。
「そう双子の兄よ。あのもういいかしら?」
「そうなんだね。君の名前はなんというのかな?」
「教えない。リアムは私だけに興味持っていると思ったけど違ったのかしら?」
「ち、違うよ!マリーに関わる人のことを知っておきたくて…」
なぜかリアムが可哀想に思えたので、一応俺から挨拶でもしておくか。
「初めまして。俺はマリーの双子の兄のアレン・ワグナーです」
前に出て、手を差し出しリアムに挨拶をした。
「僕はリアム・サイラスよろしくね、アレン」
俺が差し出した手を握ってお互い挨拶を交わした。
…うわぁ、近くでみる推しのリアム様イケメン過ぎだ。直視できない。
それなのにリアムはジロジロこっちを見てくる。眩しい…、俺が灰になる。
横でマリーは面白くなさそうな顔していた。
「ほら、もういいでしょ!」
マリーはまたも俺を後ろに回して、リアムにそう言った。
ここから二人の恋が始まると思うと…うん、すごく良い!!
「ごめんね。それよりも、マリーその目の色はどうしたんだ?」
「目…?」
「うん。前に会った時は…。いや、すまない、聞かなったことにしてくれ」
リアムは意味不明なことを言ったが重要なことに俺はこの時まだ気づいていなかった。
リアムは『またあとで』とマリーにそう言った。最後に俺の顔をチラッと見て笑いかけた後、軽く手を振って行ってしまった。
あれから本当にゲームの時と同じリアム様はイケメンに育ったな。
マリーも今は素直じゃないがこれから学園生活の中でリアムや他の攻略対象たちと出会って恋をしていくのだろう。
陰ながら応援して、マリーが立派なヒロインになって幸せの日々を送れることを俺は目指している。
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