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しおりを挟むこれはどうしたものか…。俺は元から、ゲームの内容知っていたから心構えはできていたけど、マリーは今さっき知ったんだ。何とかしなくては。
「ほら、マリーのクラスにはリアム・サイラスやレオナルド・ベイン、ヴァル・リードがいるじゃないか。そのうちの二人からマリーと婚約したいときていたしきっと仲良くなれると思うし…俺のクラスにもオリバー・シェーンっていうマリーに婚約希望を出した方もいるから…」
「アレンは何もわかっていないわ!!」
「ごめん…」
マリーが俺に対してこんなに怒鳴ったのは初めてのことだった。そして俺もマリーの気持ちを考えず、無神経過ぎた。反省だ。
「わ、私の方こそ、怒鳴ってごめんなさい。アレンと離れたことが嫌で…。アレンは私を慰めようとしたのに私は…ごめんなさい」
しゅんとなるマリー。微かに震えている手。俺はその手を握った。
「アレン…?」
マリーはそっと俺の顔を覗き込む。
「俺もマリーの気持ちを考えずにごめんね」
そうしたらマリーは首を横に振った。
「あのね、約束してほしいことがあるの」
「なに?」
「私以外の子と仲良くしないで」
…きゅん。今心を貫かれました。まぁ、とうの昔に心を鷲掴みにされていますけど慣れないな。
「わがままなお願いだけど、私心配なの」
「心配…?それならマリーの方が心配だよ」
「私は大丈夫。そこんとこ、しっかりしているから」
ガーン。マリーには俺はしっかりしている兄だとして見られていなかったというわけか…。ショックだ。
「それだけは約束してほしい。お願い」
可愛いなマリーは。兄をとられたくないというアレか。おいしいな。
「俺、マリー以外と仲良くできる自信ないよ」
「…だと、いいけど」
マリーはまだ納得がいってない顔をしていた。
すると、あるイベントが発生した。それは、ゲームの設定でもあるイベント。 周りがざわついていたため、その視線に目を向けるとすぐに理解した。これはあれだ。オリバー・シェーンとヒロインであるミシェル・テナが出会うシーンだ。 ミシェルが転んでいたところにオリバーが手を差し伸べるあれだ。
「…大丈夫?」
「はい、ありがとうございます」
うわぁ…、本当にゲーム通りに進んでいくんだな。ゲームでやるより実際に見れるなんて…すごい。
ミシェル・テナとは平民出身で貴族に拾われた女の子。攻略対象を次々に落としていくキャラである。
「アレン、何見ているの?」
俺の袖を引っ張り、マリーに視線を戻す。
「あの子が転んだみたいで隣にいた男の子が助けたみたい」
そういうと、マリーは興味なさそうに『へぇー』とだけ言っていた。
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