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しおりを挟む次の日になり、俺たちは入学式を終えた。やっぱり、入学早々あの4人の攻略対象たちは目立っていた。できれば今後も関わりたくないがマリーのこれからの幸せのために考えていかなくてはならない。
午後からクラスの発表があるため、今はマリーとテラスでお茶を飲んでいる。
「ね、アレン。昨日の夜自分の部屋でクッキー作ってきたの。良かったら食べてほしい」
可愛くラッピングされた手作りクッキー。さすがマリー。
「マリーはすごいね。昨日来たばかりなのにもう料理しているんだね」
えへへと照れた表情を見せる。可愛い…。マリーのこの女子力の高さは攻略対象たちもきっとこれからどんどん虜になっていくだろう。
さっそく俺はマリーから貰ったクッキーを頬張った。
「どう?」
ゴクリと息をのんで俺の返事を緊張気味に待つマリー。
「うん、とてもおいしい。またレベルアップしたんじゃない?」
「やった!そうなの!ちょっと味付けを工夫してみたんだ」
とマリーの嬉しそうな顔につられて俺も嬉しくなり癒された。お世辞とかではなく本当にマリーが作るものはおいしい。もうプロだよ。
「さすがだね。これで午後も頑張れそうだよ」
俺がそういうと、顔を曇らせるマリー。
「どうしたの、マリー?気分でも悪いのか?」
「違うの。ただ、アレンと同じクラスがいいなって…」
…っ!なんですか、この可愛い生き物は!!!
俺は大体ゲームの内容は知っているからわかるけど、残念ながらマリーとは別々のクラスだ。双子だし仕方ないことだけど。
マリーは、リアム・サイラス、レオナルド・ベイン、ヴァル・リードと同じクラス。
俺は、オリバー・シェーンと本来このゲームのヒロインであるミシェル・テナと同じクラスになる予定だ。
「俺もマリーと同じクラスがいいよ。たとえクラスが離れても休み時間や放課後は必ず会いに行くし」
「嫌!一緒がいい!!」
口を膨らませ、やや涙目になっている。その仕草さえ愛おしい。
「ほら、泣かないで。マリーは笑っている方がきれいだよ」
そう言って、頭を撫でるとマリーは笑顔を見せた。
「アレンは私が笑っている方がいい?」
「もちろんだよ」
「なら、私笑う!」
「うん」
マリーは本当にいい子に育った。ずっと一緒にいたから俺も少しの間だけマリーと離れるのは寂しくなる。
それからお茶を終え、午後になりクラスが発表された。
「うそ…」
マリーはこの世の終わりかのような顔をした。ゲームの設定どおりの結果になった。
「クラス離れちゃったね」
「嫌よ!学園にきたのにアレンと二人きりになれないなんて聞いてないもん」
マリーは俺の腕を掴み、離れたくないと抱き着いてきた。さっき笑った方が良いと言ったばかりなのにもうそれは崩れ、どうしても現実を受け入れたくないようだった。
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