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しおりを挟む言われた通りの部屋番号にたどり着いた。
今日からここが俺の部屋か。
この学園はお金持ちの生徒が多く、生徒一人一人に、一部屋与えられる。
生徒会や地位の高い生徒は部屋が広くなっているようだ。
俺は早速部屋の中に入った。
うん、広いな。
ワグナー家も地位はある程度高いから予想はしていたけど。
荷物をまとめると、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
マリーかな?と思って開けると、そこには…。
「久しぶり」
すっかり成長して立派なイケメンへとなったヴァル・リード。攻略対象の一人であのパーティーでなぜかマリーではなく俺だって見破った奴だ。
おいおい。なんで、学園に来た早々こいつと会わなければならない。
「アレン、さらに魅力的になったね」
俺の手を取り、そっと手の甲にキスを落とす。こいつ、チャラいのは変わらないな。相変わらずというかなんというか…。
「どちらさまでしょうか」
必殺技である知らないふり。
「うわ!冷たい。俺のこと覚えていないの?」
「知りません。では」
宗教勧誘等のセールスは一切お断りしてますが。
面倒くさいことには関わらないほうがいいと習っているのですぐにドアを閉めようとするが、足を出してきて阻止された。
「逃がさないよっと」
力の差のせいか、あっけなくドアが再び開かれた。
「そんな嫌そうな顔しないでよ」
「ご用件は」
その通りです。嫌なんです。
というか、なぜ、俺の部屋がわかった。あのパーティーのことで俺を脅そうとか考えていないだろうな。
「そんな警戒しなくても大丈夫だよ~。それに俺、ずっとアレンに会うのを楽しみにしていたんだ」
「へぇ、それはどうも」
油断してはいけない。絶対、何か裏があるに決まっている。
「もうそんな態度ばかりだと俺、酷いことしちゃうかも」
「え」
すぐに化けの皮がはがれやがった。 何するかわからないので一歩後退る。
「はぁっ、君っていじめたくなるね」
「巻き込まないでください」
暴力反対。性格悪いなこいつ。何考えているかわからない。
「そういう強気なところも俺は…。えっと、それより、久々に会ったし中に入れてよ」
「荷物整理しているで無理です」
「じゃあ、手伝う」
しつこいな。
「じゃ、また今度ゆっくり話そう」
俺がそう言えば、ぱぁっと明るくなるヴァル。なんだ、友達いないのかこいつ。
「アレンからそう言ってくれるなんて…、」
ぎゅっと抱きしめてきた。
え、どうした。大丈夫か?情緒不安定か?
「約束だよ。俺と今度はゆっくり話そうね」
そう言い、手を振ってやっと帰って行った。
何だったんだ。嵐の後の静けさ。
また会った時に、なぜ俺の部屋がわかったのかとあのパーティーで俺だって知っていたことを聞こう。多分教えてはくれないだろうけど。
ま、そんなことより、俺はこの学園でマリーを世界一…いや宇宙一のヒロインにしてあげるのが夢だ。悪役なんてもう言わせない。
そう誓ったからにはこの学園生活を頑張るしかない。
俺は荷物をまとめた後、マリーと会い、他の生徒から注目されていることにも気づかず一緒にご飯を食べた。
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