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しおりを挟む「見えてますけど…この光を追ってきたら倒れてたから驚きました。一体何があったんですか?」
俺以外に見えている人と会ったのは初めてだった。本当にこの人何者なんだ。しかも思い出せないけど見覚えのある顔をしている。それに倒れていた理由が知りたい。
「倒れたのは…まあ、いろいろあってな。オホホ」
いや、笑っている場合じゃないでしょ。あんたさっきまでやばかったじゃん。一応、一時的だとは思うが効果が切れるかもしれない。おじいさんがいつ倒れるか心配になってきた。
「ごほん。えー…おかげで元気にもなった。助けてもらったお礼と言ったらあれじゃが良かったら、その光のことについて教えてやるからうちにくるかい?」
笑ったかと思えば次は提案をしてきた。それに光について何か知っているみたいだ。
「ひ、光について知ってるんですか」
「もちろんじゃ」
ぜひともこの正体は知りたい。光の謎も教えてくれてそうだし、怖い人では無さそうだ。この機を逃したらいつ知ることができるかわからない。チャンスだと思い、ついて行くことにした。
「え、せ、精霊…?」
これ精霊なの?おじいさんが言うにはこの光はどうやら精霊の類らしい。紅茶を出されて一息ついた時に『ちなみにこれ精霊じゃよ~』的な感じでサラッと衝撃なひと言をぶちかましてきた。危うく、昔みんなが使ってた『吹いた(笑)』を実体験するところだった。
おじいさんの話によると、精霊とは世界のあらゆるものに宿る精気のことで植物や動物のみならず、無生物などにも宿っているとされている。妖精と違い、精霊そのものには固定化された姿形はなく空中に浮遊していて、また純粋の心の持ち主にしか見えないとされているらしい。うん、おかしいな。
「あの!自分で言うのもあれですけど、ここだけの話、俺すっごく性格悪いんです。酷いことたくさんしてきたし言ってきました」
なので、純粋の心の持ち主って変だと思います。と馬鹿正直に話してみた。
「オホホッ面白い子じゃ。そうかそうか」
あ、軽くあしらわれた。信じてなさそうだ。こちとら伊達に悪役してないぞ。
「もしかして信じてないですよね?」
「まぁまぁ、落ち着き。まだ完全には目覚めていないがお前さんはいい目を持っている」
「いい目…?それに完全に目覚めていないって何のことですか?」
「要はあれじゃ、見えるということはいろんな精霊たちの声が聞くことができて、味方に付けられるというわけだ。つまりそれは強力なことなんじゃ」
「なにそれ」
いろんな精霊達の声を聞くことができるということはすごいってことはわかる。前にも言ったが情報は大事。だって情報は武器であり戦力なのだから。
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