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しおりを挟む精霊が見えるということは有難いことだが俺は魔力が低すぎてF-10というほぼ魔法が使えない落ちこぼれだ。
「あの、俺…魔力F-10で魔法石なしじゃほぼ魔法は使えないんですけど、精霊が見えるっておかしいし、それにさっきだって魔法石を利用して聖水なんて作れたけど…そんな簡単に作れるものなんですか?」
魔法石のおかげか魔力は枯渇していない。F-10 は、ほぼ魔法が使えないのになぜ初めてそんなの作れたのか実際わからない。
今更、冷静になって思ったけど、いきなり聖水作れるのさすがにありえないよね。
「驚いた。F-10で聖水を作れるとは見事じゃ。鍛えればすごいことになりそうじゃな。まあ、わしの勝手の憶測じゃが今回はきっと魔法石の質を見極めた目と、イメージの質量が良かったから魔力関係なしに聖水を作れたと思うぞ」
「え、魔法石すっごく安かったんですけど…」
適当にごろごろ転がっているものを買ったつもりだった。まさか知らないうちに質の良いものを買ってたとはお得だ。それにイメージの質量が良かったと褒められて、前世のアニメを見て想像できた自分に感謝だ。
「やはり、お前はいい目を持っている証拠じゃ。まあ、わしの方がはるかに上じゃがな。オホホ」
「……」
うん。一言多いなこのおじいさん。
「あ、もしかしたら明らかに魔力が少ないのも常に精霊が見える環境にいるせいかもしれんな。コントロールさえできれば魔力もあがるんじゃないかのう」
「え!そうなんですか!」
「えへん。わしの勘じゃ」
このおじいさん何者なんだよ…!俺もしかしてすごい人と話してるんじゃないよね。
あとコントロールってどうやってやればいいんだ。魔力をあげないと一生魔法石なしで魔法は使えない。エイデンのライバルとなる男が戦いの時にポケットにたくさん魔法石を入れて戦っている姿を想像してみてくれ…。今、笑ったでしょ。
もっとかっこよくエイデンに似合ったライバルになりたいんだよ、俺は!
「師匠…!」
「勝手に師匠にするんじゃないぞ」
「そんなこと言わないでください。どうか俺にコントロールとやらを教えてください!それにさっき鍛えればすごいことになりそうって言ってたじゃないですか」
「言ったが…わしも歳でな」
「年齢を理由に逃げないでください!助けたのは一体誰だと思ってるんですか」
「オホホ、ずる賢いな。気に入った。良いじゃろう、弟子にしてやろう」
半ば脅しで、弟子にしてもらうことができた。これで本以外で学べるすべをほかに見つけた。学園の教師よりこの人の方が実際に学べそうだ。ラッキー。なんて顔を緩めながら考えている時だった。
「…ただいま」
すると、誰か帰ってきた。それにその声は聞き覚えのあるものだった。
「また孤児院の手伝いでもしてきたんじゃな。全く休みの日は休むもんじゃぞ」
「え、え…っ」
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