嫌われ者の僕

みるきぃ

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男前風紀委員長

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【瑞希Side】


久々に帰ってきた学園。早くあおいに会いたくてたまらなかった!久々に会ったあおいはもう相変わらず可愛かった。だけど、俺がいない間、他の奴と仲良くしていたなんて思ったら許せなかった。

あおいは嫌われ者だろ?俺しか友達いない可哀想なあおい。なのに、俺のあおいに気安く触ってくる奴を殴ったせいで 俺はなぜか一週間停学。ふざけるなって話だ!理事長を殴ろうとしたけど退学とか言われたらあおいに会えないし寂しいから我慢している。俺って偉いと本当に偉いと思う。だけど、そんなイライラはあおいが俺の部屋に泊まってくれたおかげでどうでもよくなった。お風呂時、あおいの裸体を初めて見たときは正直、


本当にやばかった。

あー、あれはやばかった。



大事なことなので2回言ったがあれは本当に思い出すだけでやばい。…いつか、あおいとシたいな。今度は絶対一緒に入ってあおいのあんなところやこんなところを…あははっ!




学園を卒業して結婚してそれからそれから…もう俺ってば、何考えてるんだ、恥ずかしいやつ!お風呂あがりの彼シャツ姿ももう鼻血もん。あー、俺のあおいは何しても可愛いぞ!だけど、おっちょこちょいだから俺がいないと何もできない。だから、俺がずーっとあおいの隣にいてやるんだ!本当、優しすぎる未来の旦那を持つあおいはしあわせ者。だけど、こんな優しい俺がいながらあおいは俺のいないところで他のやつと浮気するんだ!



俺のことが大好きなくせにも関わらず他の男と喋って嫉妬させるようなマネをする。そんな小悪魔なところもあるから俺は大変で気軽に休んでいられない!反省してもらうため、あおいを怒った。ちゃんと、俺だけ見てって体に何度も何度も刻んだ。そしたら、あおいからキスしてくれた。頬にだけど、初めてしてくれた。あの時、死んでもいいって思った。



あおいがあおいが俺に…っ!

気持ちが高ぶった。





あおいは自分でキスしといて照れたのか逃げて俺のことを避けた。そんな照れなくてもいいのに。可愛い奴だと思っていたらおかしいことに気づいた。

あの日から俺は完全にあおいに避けられている。




「あおいが俺を避ける。何でだよ!!!意味わかんねぇぞ!」



目も合わせてくれない。

話しかけてもくれない。

俺のことを見ない。




いくら照れているからそこまでしない。…おかしい。あおいはそんなことしない。…誰だ。俺のあおいにこんなことさせてるのは。むかつく、きっと神影のせいだ。売店で二人は会っていた。あの時に何か言われたんだろう。文句言ってやる!

俺は生徒会室に乗り込むことに決めた。





俺のあおいに何を吹き込んだか知らないけど許さない。一度決めたことは、すぐに行動に起こした。俺は生徒会室に向かって歩き、神影に文句を言うつもりだ。もし、あおいをたぶらかしていたら俺何するか分かんない。そのせいであおいは俺を見なくなったんだと分かったら理性が持つかも知らない。あおいはすぐ人を信じてしまうし、騙されやすい。詐欺にあったらきっと莫大なお金を借金するに違いない。







…あー、もう俺無理。あおいが足りない。あおいと話したい。そのためには、悪いやつを懲らしめないと。




─バンッ!


生徒会室の扉を思いっきり開けて堂々と中に入った。







「─誰だ?」


「も、もしかして、瑞希!?帰って来てたのですか!?」



「おう!久しぶりだな、貴之」



副会長である貴之が目を見開き驚きながら近づいてきた。生徒会室には、生徒会メンバー全員揃っていた。




「瑞希、今までどこに行ってたのですか?探しましたよ」



「まあ、いろいろあってな!それより神影!」



俺は神影が座っている机の前に立つ。




「お前!俺のあおいに何したんだよ!!」



「何が言いたい?」



神影はこの状況にしらを切るつもりみたいだ。



「とぼけても無駄だぞ!!この前、売店で二人が話しているのをこの目で見たんだからな!」



証拠はあがってんだ!俺がそう言うと神影は、あれか、と思い出す。



「え~なになに。あおいのこと?」


「き、にな…る」



祥と煌まで入ってきた。



こいつら…っ



「お前ら邪魔者には用はない!!下がれよこの人のものに手ぇ出す汚いやつ!」



こいつらは以前、俺のあおいに触れた罪がある。今も許してない。だって鮮明に覚えているからな。俺ってあおいのことになると結構、根に持つタイプなんだ!全く、一途な男を怒らすと怖いんだぞ!




「瑞希、まだあのゴミと一緒にいるのですか?」



「うるさいぞ!!貴之には関係ない!あおいのこと悪く言うなよな!!…ほら、さっさと早く答えろよ神影!」




「確かに会ったがそれがどうした」



「あおいと何話してたんだよ!お前のせいで…」



お前のせいで…お前のせいで…あおいは俺を見てくれない。



「俺のせい?よく知らんが特に何もしてない。ただあれだ」



「ただ何だよ!」



あおいが他の男と話しただけでもむかつくのに。



「ただお前から離れろって言っただけ。アイツ、お前にプレゼントあげようとして何故か無性にむかついたからそう言ったまでだ」




はっ…



「な、にそれ…?あおいが俺にプレゼント?」




何それ、どういうことだ。そんなの知らないぞ。




「変な花のデザインの人形とクッキー。もしかして、貰ってないのか?」





「…花の…人形………え、」




俺は言葉を失った。花の人形って…もしかして、あの人形俺に…渡そうとしてた?




『あーーー!!もしかして、これ神影にもらったのか!』


『ち、ちがっ…!』


『このくそ!こうしてやる!』



俺は花の人形を手にとって顔のところを強く引っ張って引きちぎった。





『何で泣くんだ!そんなに大事なのかよ!!…俺があげたもの取られた時、そんな顔しなかったのに他の奴からもらったものだとそんな顔して…ッ!』




俺は、バラバラになった人形を床に投げ捨てた。 







あれって


「──俺にあげる…ため?」




う、そだ。






てっきり、神影から貰ったやつだと思って引きちぎってしまった。お、俺の…勘違い?

だからあおい泣いて…。


あおいは優しいから俺にプレゼントするって最後まで言わなかった。




「瑞希…?どうしたんですか?」




「…くそっ。俺、用事思い出した!!じゃあな!」




俺は、生徒会室から慌てて飛び出した。




 
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