50 / 91
男前風紀委員長
6
しおりを挟む【瑞希Side】
久々に帰ってきた学園。早くあおいに会いたくてたまらなかった!久々に会ったあおいはもう相変わらず可愛かった。だけど、俺がいない間、他の奴と仲良くしていたなんて思ったら許せなかった。
あおいは嫌われ者だろ?俺しか友達いない可哀想なあおい。なのに、俺のあおいに気安く触ってくる奴を殴ったせいで 俺はなぜか一週間停学。ふざけるなって話だ!理事長を殴ろうとしたけど退学とか言われたらあおいに会えないし寂しいから我慢している。俺って偉いと本当に偉いと思う。だけど、そんなイライラはあおいが俺の部屋に泊まってくれたおかげでどうでもよくなった。お風呂時、あおいの裸体を初めて見たときは正直、
本当にやばかった。
あー、あれはやばかった。
大事なことなので2回言ったがあれは本当に思い出すだけでやばい。…いつか、あおいとシたいな。今度は絶対一緒に入ってあおいのあんなところやこんなところを…あははっ!
学園を卒業して結婚してそれからそれから…もう俺ってば、何考えてるんだ、恥ずかしいやつ!お風呂あがりの彼シャツ姿ももう鼻血もん。あー、俺のあおいは何しても可愛いぞ!だけど、おっちょこちょいだから俺がいないと何もできない。だから、俺がずーっとあおいの隣にいてやるんだ!本当、優しすぎる未来の旦那を持つあおいはしあわせ者。だけど、こんな優しい俺がいながらあおいは俺のいないところで他のやつと浮気するんだ!
俺のことが大好きなくせにも関わらず他の男と喋って嫉妬させるようなマネをする。そんな小悪魔なところもあるから俺は大変で気軽に休んでいられない!反省してもらうため、あおいを怒った。ちゃんと、俺だけ見てって体に何度も何度も刻んだ。そしたら、あおいからキスしてくれた。頬にだけど、初めてしてくれた。あの時、死んでもいいって思った。
あおいがあおいが俺に…っ!
気持ちが高ぶった。
あおいは自分でキスしといて照れたのか逃げて俺のことを避けた。そんな照れなくてもいいのに。可愛い奴だと思っていたらおかしいことに気づいた。
あの日から俺は完全にあおいに避けられている。
「あおいが俺を避ける。何でだよ!!!意味わかんねぇぞ!」
目も合わせてくれない。
話しかけてもくれない。
俺のことを見ない。
いくら照れているからそこまでしない。…おかしい。あおいはそんなことしない。…誰だ。俺のあおいにこんなことさせてるのは。むかつく、きっと神影のせいだ。売店で二人は会っていた。あの時に何か言われたんだろう。文句言ってやる!
俺は生徒会室に乗り込むことに決めた。
俺のあおいに何を吹き込んだか知らないけど許さない。一度決めたことは、すぐに行動に起こした。俺は生徒会室に向かって歩き、神影に文句を言うつもりだ。もし、あおいをたぶらかしていたら俺何するか分かんない。そのせいであおいは俺を見なくなったんだと分かったら理性が持つかも知らない。あおいはすぐ人を信じてしまうし、騙されやすい。詐欺にあったらきっと莫大なお金を借金するに違いない。
…あー、もう俺無理。あおいが足りない。あおいと話したい。そのためには、悪いやつを懲らしめないと。
─バンッ!
生徒会室の扉を思いっきり開けて堂々と中に入った。
「─誰だ?」
「も、もしかして、瑞希!?帰って来てたのですか!?」
「おう!久しぶりだな、貴之」
副会長である貴之が目を見開き驚きながら近づいてきた。生徒会室には、生徒会メンバー全員揃っていた。
「瑞希、今までどこに行ってたのですか?探しましたよ」
「まあ、いろいろあってな!それより神影!」
俺は神影が座っている机の前に立つ。
「お前!俺のあおいに何したんだよ!!」
「何が言いたい?」
神影はこの状況にしらを切るつもりみたいだ。
「とぼけても無駄だぞ!!この前、売店で二人が話しているのをこの目で見たんだからな!」
証拠はあがってんだ!俺がそう言うと神影は、あれか、と思い出す。
「え~なになに。あおいのこと?」
「き、にな…る」
祥と煌まで入ってきた。
こいつら…っ
「お前ら邪魔者には用はない!!下がれよこの人のものに手ぇ出す汚いやつ!」
こいつらは以前、俺のあおいに触れた罪がある。今も許してない。だって鮮明に覚えているからな。俺ってあおいのことになると結構、根に持つタイプなんだ!全く、一途な男を怒らすと怖いんだぞ!
「瑞希、まだあのゴミと一緒にいるのですか?」
「うるさいぞ!!貴之には関係ない!あおいのこと悪く言うなよな!!…ほら、さっさと早く答えろよ神影!」
「確かに会ったがそれがどうした」
「あおいと何話してたんだよ!お前のせいで…」
お前のせいで…お前のせいで…あおいは俺を見てくれない。
「俺のせい?よく知らんが特に何もしてない。ただあれだ」
「ただ何だよ!」
あおいが他の男と話しただけでもむかつくのに。
「ただお前から離れろって言っただけ。アイツ、お前にプレゼントあげようとして何故か無性にむかついたからそう言ったまでだ」
はっ…
「な、にそれ…?あおいが俺にプレゼント?」
何それ、どういうことだ。そんなの知らないぞ。
「変な花のデザインの人形とクッキー。もしかして、貰ってないのか?」
「…花の…人形………え、」
俺は言葉を失った。花の人形って…もしかして、あの人形俺に…渡そうとしてた?
『あーーー!!もしかして、これ神影にもらったのか!』
『ち、ちがっ…!』
『このくそ!こうしてやる!』
俺は花の人形を手にとって顔のところを強く引っ張って引きちぎった。
『何で泣くんだ!そんなに大事なのかよ!!…俺があげたもの取られた時、そんな顔しなかったのに他の奴からもらったものだとそんな顔して…ッ!』
俺は、バラバラになった人形を床に投げ捨てた。
あれって
「──俺にあげる…ため?」
う、そだ。
てっきり、神影から貰ったやつだと思って引きちぎってしまった。お、俺の…勘違い?
だからあおい泣いて…。
あおいは優しいから俺にプレゼントするって最後まで言わなかった。
「瑞希…?どうしたんですか?」
「…くそっ。俺、用事思い出した!!じゃあな!」
俺は、生徒会室から慌てて飛び出した。
3
お気に入りに追加
1,897
あなたにおすすめの小説

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です

笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。


Q.親友のブラコン兄弟から敵意を向けられています。どうすれば助かりますか?
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
平々凡々な高校生、茂部正人«もぶまさと»にはひとつの悩みがある。
それは、親友である八乙女楓真«やおとめふうま»の兄と弟から、尋常でない敵意を向けられることであった。ブラコンである彼らは、大切な彼と仲良くしている茂部を警戒しているのだ──そう考える茂部は悩みつつも、楓真と仲を深めていく。
友達関係を続けるため、たまに折れそうにもなるけど圧には負けない!!頑張れ、茂部!!
なお、兄弟は三人とも好意を茂部に向けているものとする。
7/28
一度完結しました。小ネタなど書けたら追加していきたいと思います。

俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。

生徒会長の包囲
きの
BL
昔から自分に自信が持てず、ネガティブな考えばっかりしてしまう高校生、朔太。
何もかもだめだめで、どんくさい朔太を周りは遠巻きにするが、彼の幼なじみである生徒会長だけは、見放したりなんかしなくて______。
不定期更新です。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる