嫌われ者の僕

みるきぃ

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男前風紀委員長

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【あおいside】


教室の窓からビューっと風が吹き、髪が揺れた。

はぁ…。僕は自分から花園くんと目を合わせないようにしているのにそれでも話しかけてくれる花園くんに申し訳なくて胸が苦しい…。僕なんかこの今吹いている風のようにどこかに飛んで行ってしまえばいいのになんてまたマイナスことを考えてしまう。



一体何がしたいんだろ…。僕は机にうつぶせる。ただ普通に皆と楽しく、会話して笑い合いたい。そんな欲張りなことばかり。





会長さんも言ったように僕は一人が合ってるのかも…。








「あーおーい!!」

 


ビクッ

「…わっ」



不意打ちに話しかけられびっくりして反応してしまった。突然のことで、固まる僕。



 
「あおい!聞いたぞ!こ、この前の人形のやつ…あれ俺にプレゼントするつもりだったんだろ?勘違いして壊してごめんな。これ、俺なりになおそうと思って縫ったんだぞ!」



え…?目の前に出されるそれは僕が花園くんにあげる予定だった花の人形だった。


あっ…ちゃんとしっかり縫われている。




何で僕がそれをプレゼントしようとしてたってわかったのかなと疑問に思ったが考える余裕はなかった。





「見ろよこれ!慣れないことしたから針で指を刺しまくったぞ!」



花園くんは手をパッと開いて指には、いくつか絆創膏が巻いてあった。





い、痛そう…。わざわざ縫ってなおしてくれたことに僕は驚いた。ゆ、指…大丈夫かな、どうしよう。今さら避けといて、話しかける勇気がない。



「あー、あおいが俺を心配してるって顔してる。どんだけ俺のこと好きなの、可愛すぎるだろ。まあ、俺も…す、好きだけど」



やばい!はずっ!と言って顔を隠す花園くん。そして、大事そうに人形を見つめキスする。



「これ大事にするな!それとクッキー美味しかったぞ!」


僕があげた人形を片手に、にこっと優しく笑う花園くん。クッキーも食べてくれたんだ…っ。どうしよう僕、すごく嬉しい…。嬉しい、嬉しくて涙が出そう。僕があげたものを喜んでくれている。その笑顔が見たかった…。


だけど、今の僕じゃ…。また花園くんを苦しめるだけ。だめだ。このままじゃ、だめ……



『─お前なんて誰のそばにもいなくていい』



…そうだ。僕は嫌われ者。




ガタッ─

僕は黙ったまま、教室を飛び出す。






「あおい!?どこ行くんだよ!!」




花園くん、ごめんなさいっ。…僕のせいでその笑顔を崩してしまうのが怖い。




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