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無口ワンコ書記
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しおりを挟む【ゆうside】
「────チッ。ああ、わかった」
まだあれは完成しないのか。イライラしながら通話を終了する。俺は今、“あること”を実行している最中。でも完成までまだまだで時間がかかる。“あること”というのはあとでのお楽しみだけどね。
早く俺の我慢が限界に達しないうちに早めに完成させないといけない。じゃないとおかくしくなる。
…それにしても、厄介なことが起きた。アイツら死ね。何勝手に俺のあおいに近づいてんだ。あのクソの塊の転校生が来てから、全てがおかしくなった。おかげで、あおいに変な虫がついてしまったじゃねぇか。ふざけるな。てか、転校生お前あおいに執着しすぎだ。てめぇは一番最初に排除してやる。だけど、それはまだだ。まだあれが完成してないからな。
いずれ皆、あおいに絶対惚れる。今のあおいは誰から見てもダサくてオタクみたいな格好をしてる。でも小さくて本当可愛い。素顔は俺しか知らなくていい。けどそれも俺だけじゃなくなった。あおいは外見だけじゃなく、内面もとても良い子で純粋すぎて誰に対しても優しい。
………あーあ。全部、俺だけが知っていればいいのに。
用事がすんだ後、寮へと帰って、玄関にあおいの靴があった。今日は俺より先に帰ってきている。最近、帰るのが遅かったから嫉妬で狂いそうだった。 だけど、俺は何事もないように接してきた。ふふ、よく絶えてるよね俺。俺はストレスを発散するため、部屋の壁にはいくつか見えないところに穴があけた。
こうでもしないと、自分を押さえられない。ムカつくほど、あおいに近づく変な虫どもを抹殺したい。そんなことを日々思っていた。
「あおい?」
そう声をかけながらリビングに行くと、ソファの方に小さな人影が見えた。
…もしかして寝ているのかな?
ソファに近づいてみると、あおいはスヤスヤと気持ち良さそうに寝ていた。
…可愛い可愛い俺のあおい。
俺以外の男があおいの体に触れたと考えるとそれだけで殺意が芽生える。でも、これ以上アイツ等に勝手なことはさせない。俺は冷静に物事を考えて動くタイプだからそれなりの自信はある。
はははっ、あともう少しで本当に俺のもの。俺は寝ているあおいの顔に優しく手で触れながら自然に口の端がうっすらとあがった。
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