嫌われ者の僕

みるきぃ

文字の大きさ
上 下
28 / 91
無口ワンコ書記

3

しおりを挟む



【あおいside】


休日の午後。今日はとても良い天気でグラウンドからは部活をしている声など聞こえてきた。


僕は残念ながら体力に恵まれていないため部活はしていない。今日は本を片手に一冊持って中庭のベンチで読書をしようと考えている。


中庭のベンチは風通しも良くて、ベンチのところは陽を遮る屋根があるから落ち着いて読める最適な場所なのだ。



その中庭に足を運んで、ベンチに腰かけた。



本を開き読み始めた。ちなみに本って言っても絵が所々ある本で、所謂絵本の分類にはいる。


小説とか難しい言葉が出てくるし、漢字が読めないのが僕の欠点だ。それから集中して読み進めページを捲る度、すぅと涼しい風が髪をなびかせる。

僕が今読んでいる本は『勇気で強くなる』というタイトルで、主人公の少年はとても心強くて好奇心旺盛で人気者。

まるで僕と正反対。だけど、本を読むと僕がその本の主人公の立場になって想像することができる。本の世界でなら、強くなれそうな感じがして読むのが楽しくなる。


すると、途中まで読み終えた所で僕が座っているベンチの隣に新たなお客さんがきた。



「ニャー」


僕は本に栞を挟み閉じた。



「あ、あれ?も、もしかして…」


この前、屋上にいた猫さん…?



背中にあの珍しいハートの形をした黒斑があるのを見るとやっぱりあの屋上にいた猫さんだと確信できた。



「びっくりしたな…また会えるなんて」


猫って気まぐれって聞くしまたこうやって会えるなんてすごいと思った。




「久しぶりだね。元気だった?」


首の方を撫でると気持ち良さそうに目を細めた。すると、猫さんは僕の膝の上に乗り、立って僕の顔をぺろぺろと舐めた。




「はははっ。くすぐったいよ~」






もしかして、人懐っこいのかな?ふふ、可愛いっ。僕は猫さんを抱っこしてお腹の部分を撫でた。サラサラして肌触りが気持ちよかった。



「誰かに飼われているのかな?」


こんな綺麗に毛並みが手入れされていてどう見ても野良猫には見えない。



と、思ったら、またぺろぺろと顔を舐められた。主に口を舐められている。



「ふふ、だからくすぐったいって」


僕は本を読むのなんて忘れて、猫さんに夢中だった。





 
しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

青少年病棟

BL
性に関する診察・治療を行う病院。 小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。 ※性的描写あり。 ※患者・医師ともに全員男性です。 ※主人公の患者は中学一年生設定。 ※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

笑わない風紀委員長

馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。 が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。 そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め── ※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。 ※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。 ※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。 ※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。

俺の義兄弟が凄いんだが

kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・ 初投稿です。感想などお待ちしています。

悪役令嬢の双子の兄

みるきぃ
BL
『魅惑のプリンセス』というタイトルの乙女ゲームに転生した俺。転生したのはいいけど、悪役令嬢の双子の兄だった。

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ
BL
「君は死にました」 「…はい?」 「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」 「…てんぷれ」 「てことで転生させます」 「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」 BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

処理中です...