22 / 91
チャラ男会計
3
しおりを挟む【あおいside】
花園くんに不思議なことを言われた途端、会計さんが現れたことに驚いた。まさか、会計さんがZクラスに来るなんて思いもしなかった。
でも突然花園くんは僕を連れ出してZクラスから慌てて飛び出した。
花園くんに連れられ、走ってきたから場所はどこだかわからないけど多分どこかの裏庭。
休みというのもあって人影などなかった。
「うわー、超最悪。邪魔された!!イライラする!」
「は、花園くん…?」
花園くんは僕の手を離し、足を曲げ、頭を抱えた。
「しかも俺、思わず“あおい”って言っちまった!あ、待てよ…顔はすぐ隠したから大丈夫だよな…うん!大丈夫だ!」
困惑していた顔から何やら急にぱぁっと明るくなり解決したみたいな様子だった。
あ、そうだ…
「は、花園くん、あの…そろそろ眼鏡を…っ」
眼鏡がないと落ち着かない。
「あ、そうだったな!誰かに見られると大変だ!!」
花園くんはポケットから眼鏡を取りだし渡してくれた。
「あ、ありがとう」
受け取って、すぐにかける。
…うん。
やっぱりこれが一番落ち着く。
「な、なぁ…あ、あおい。さ、さっき、その」
「?」
徐々に顔が赤くなる花園くん。ど、どうしたんだろ…?
「や、やっぱり、何でもない!!もっとロマンチックな所ですることに決めた!!」
「ろ、ろまんちっく…?」
「あーどうしよう!急に恥ずかしくなっちまっただろ!!じゃあな!」
そう言うとものすごい速さで颯爽とどこかへ走って行ってしまった。
「あ、は、花園くん…っ」
今思い出して名前を呼んでも届かない。どうしよう…、どうやったら戻れるのかな?
この学園は広いから見慣れていない風景がここ以外にも他にもたくさんあり、迷子になるのにはもってこいの所だった。
とりあえず、歩いてみよう…。
僕はそのあと、道に迷いながらなんとか寮に着くことができた。ゆうは遅いから心配してくれたけど、理由を話したらわかってくれた。
掃除はまた来週やろう…。今度は二倍頑張らないといけない。
──────
─────────
…………。
月曜日。
今は午前中の国語の授業。先生はプリントだけ置いて教室をあとにした。
いつもこんな感じだから授業という授業をしたことがあまりない。
「なぁなぁ、あおい!プリントなんかしないでさ、俺とお話でもしようぜ!!」
「え、でも…」
僕の肩に手を置いて揺らす。そう言ってくれるのは嬉しいけど…どうしよう。
「なーいいだろ!!俺、プリントに嫉妬するぞ!」
「じゃ、じゃあプリント終わらせてから話したらだめかな…?」
提出まであるから、やらないといけない…。
「うーーん。しょうがないなぁ。じゃあ早く終わらせようぜ!!」
花園くんはそう理解してくれてプリントを終わらせることに決めた。
それから数分経って、
「あおい!終わったぞ!!早く話そう!」
花園くんは手を止め、そう言った。
「え?も、もう終わらせたの?」
こんな早く終わらすなんてすごい。僕はまだ半分も終わってないのに驚いてしまった。
「おう!ほら!!」
花園くんは終わったプリントを僕に見せた。ほんとだ…すごい。全部埋まっている。
「俺って結構頭良いんだぞ!!あおい惚れたか?」
「ほ、惚れる…?」
「あ!当たり前のこと聞いたな!!それよりまだあおいは終わってないのかよ!」
「う、うん。ま、まだまだなんだ…」
まだプリントは真っ白に近い。空欄が多い。
「もう仕方ないな!!教えてやるよ!この漢字は“ぶんぶりょうどう”って読むんだぞ!」
「ぶんぶ、りょうどう?そうなんだ!ありがとう!!」
「文武両道の意味は俺みたいなやつのことをいうんだぞ!わかったか?」
「そ、そうなの?わかった!」
この漢字の意味はよくわからないけど花園くんがそう言うならそうだよね。
花園くんってすごいな…。
花園くんのおかげであっという間に、プリントも終わって提出することができた。それから結構お喋りした。
──────
─────────
「げっ。あおい逃げるぞ!!」
放課後、寮へ帰る途中の廊下で花園くんが突然そう言い出した。
「え?」
「ほら行くぞ!アイツらが来る予感がする!!」
「ア、アイツら…?」
「生徒会のやつらのことに決まってるだろ!ほら手かせ!!」
「ちょ、あ」
花園くんは僕の手を取り、歩いて来た道をまた戻り走った。
すると、後ろから『瑞希ー!待ってください!!』と副会長さんの声が聞こえてきた。
振り返ってみると、生徒会メンバーは本当に皆いた。
本当に皆いてびっくりした。
花園くんの言った通りだった。
72
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね
僕はお別れしたつもりでした
まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!!
親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる