嫌われ者の僕

みるきぃ

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チャラ男会計

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【來城祥side】

楽しいこと大好き。気持ちいいこと大好き。セックス大好き。

そんな俺の名前は來城祥。生徒会会計をしているよ~。


あ、この話し方からか知らないけどよく皆からチャラ男って言われてるんだー。まあ、親衛隊は皆セフレだし仕方ない。下半身ゆるゆるっていうのは自分でも自覚している。

だって、俺男だよ?男は全員性欲の塊っていうじゃん。まじそれ。この男子しかいない学校でもヤらせてくれそうな奴がいたら普通に気持ちいいことしてる。

そこに愛だのなんだのそう言う感情は全くない。ただ、性処理をしているだけ。


まあ、ここまで言えば俺が悪いやつみたいじゃん?いやいや、全然違うからねー。


ま、説得力ないとか言われてもしょうがないか。

よし、今日も暇潰しにあの嫌われ者の苦しむ姿でも見ようか。そう思いながら、前で一人廊下をトロトロと歩いていたキモオタを後ろから蹴ってやった。


そしたら、すぐに悲痛な声を出し、崩れ落ちた。


ふふふ、ざまぁ。




「うわ、小さくてゴミかと思ったー。じゃあねん」

俺はクク、と笑いながら横を通りすぎて行った。


今日は金曜日。気分がいい日。

だって明日は、“あの子”に会えるから。


俺が“あの子”に出会ったのは生徒会の仕事で見回りに行っていた時のことだ。全部のクラスを確認し、チェックをしなければない。


仕事なんて、正直面倒くさかった。だけど生徒会の特権がなくなるのは嫌だからやるしかない。

そんなやる気のない気持ちでもほぼ見回りが終わり、最後にあとは、1年Zクラス、通称落ちこぼれクラスだけだった。



────そこにいた。

“あの子”は。



俺が扉越しに窓から教室の中を確認しようとした時、誰か人がいるっていうことはわかった。



最初はうわ、人いんのかよ~最悪ー。的なことを思っていたけどあの子の顔が見えた瞬間、胸が張り裂けるように熱くなり言葉が何も出なかった。


…な、なにあれ。あんな子いた?誰もが惹き付けられる容姿。とても綺麗で言葉では表せようができないくらいその子は可愛くて美しかった。


天使じゃん。すぐ思った。いつもなら、可愛い子大好きな俺は強引にナンパして話しかける。


だけど、その子にはそれができなかった。ここから見ることしか許されない、俺が話しかけてもいいような子ではないような感じがした。


汚れを知らなそうで、その子は一人で机を一つ一つ丁寧に布巾で拭いていた。


それから俺は土曜日が来るのが楽しくなった。その子を見るだけで幸せな気持ちになった。




…いつか、話してみたい。

…笑ってる顔がみたい。


感じたことのない欲求が次々と溢れてきた。




あの子は、いつも土曜日の朝、誰もいないZクラスに現れる。それからはあの子のことを知るためにいろいろ自分なりに調べたりした。

だけど、結果なし。


Zクラスにいたから、そこの生徒かな?って思って調べてみたけどやっぱりあの子姿はなかった。範囲を広げてもだめだった。

あの子は一体、誰なんだろう…。ものすごく、知りたくてたまらない。






この時、俺は思った。

あの子のことが好きなんだって。


まさか、自分が誰かを本気で好きになるなんて思わなかった。しかも名前も知らない、話だって一度もしたことがない相手に。






誰かを好きになる気持ちがわかった気がした。夢中になるし、その子しか考えられない。こう…心が温かくなる。


どうしよう。遠くから見守っているだけで欲情してしまう。


それからずっと土曜日はZクラスにあの子を見に通いつめた。



誰にも教えてやんない。俺だけが知っていればそれでいい。渡さない。


俺って、結構独占欲強いんだってその時知った。


カモフラージュ?するために、季節外れにきた転校生に惚れてるような態度をとった。その転校生、瑞希は“あの子”がいたZクラスの生徒。

ただそれだけの興味本意。


瑞希にはぶっちゃけ悪いんだけど俺、あーいうタイプ無理なんだよね~。顔はまあ、整ってる感じだけど惚れようとは思わない。でも、惚れてるような態度をとらないと怪しまれるし、結構好きアピール演技をしている。

まじで俳優なれるかもとか思ったね。

瑞希に近づくものの、瑞希は俺の嫌いなあの嫌われ者と一緒に行動していた。まじ、うんざり。


何でよりに限ってアイツ?勘弁だわ。見るだけでイラつくよね。



あー、早く土曜日こい。

あの子に会いたい。



─────
───────

……。



それから、毎日楽しみにしていた土曜日がきた。あの子に会える。

早く会いたくて仕方がない。一週間前も見たけど、やっぱり毎日会いたい。土曜日だけっていうのがなんか焦らされるよね。

そして、Zクラスに着いた。



…ん?

何やら騒がしい。



いつものように、こっそりバレないように窓から覗く。


「っ!」



な、なんだ、あれ。俺はクラスを見て目を見開いた。嘘だろ。

あれって、あの子と瑞希…?なんで、あそこに瑞希がいるんだ?俺は何が起きてるかわからなかった。

中の様子は、瑞希があの子に手を差し伸べているところだった。あの子は瑞希の手を掴み、ゆっくりと立ち上がった。

すると、その瞬間突然、瑞希はあの子の顎をクイッとあげて


『…どうしよう。すっごく今キスしたい。…いい?』


とか言い出した。


は?キ、ス…だと?

ふざけるなッ。


怒りが心の奥底から溢れ出た。




俺が最初に見つけたんだ。横取りなんて許さない。



ガラッー

黙って見ることなんて当然できなくて扉を開けた。我慢が限界に達した。



瑞希も見つけたんだあの子を。

俺だけだと思っていたのに。



でも、絶対渡さないよ。俺のものだから。




「だ、誰だ!?」


「やっほーん♪瑞希~」



さりげなく入って、近づいた。

すると、ムカつくことに瑞希は誰にも見せないようにあの子の顔を自分の胸へと寄せて隠していた。

 
…うわー、まじむかつく。俺だってまだ触れたことないのに。


「な、なんで祥がここにいるんだよ!!いつからいた!?」


「今来たとこだよ~。うーんと、瑞希が見えたからかな~?」


瑞希は慌てた様子だった。まさか、瑞希とあの子が一緒にいたこと時点で驚きだ。


でも最初に見つけたのは俺が先。



「そ、そうなのか!でも今はお取り込み中だ!!」




 へぇ。お取り込み中…ね。


「その子は誰なのー?」



「は!?ぜ、絶対教えないぞ!!!」




なんだ、それ。


「瑞希のことは何でも知りたいんだ~。だから教えてよ」



「こ、これだけは無理だ!!しつこいぞ!」



なんとしてでも言わない気だ。



「なんで無理なの~?」

ここで引き下がったらだめだ。



「だ、だって、あおいは俺のものだからな!!」



その瞬間、瑞希はしまったみたいな顔をしてあの子を連れて教室から飛び出して行った。





はっ?

「………………あおい?」





あの子が…あおいだと?てことは、。

っ!?


はははっ!何ふざけたことを…。あおいって俺が嫌いな奴の名前じゃん。そんなことあるわけないだろ。

後を追う気力さえ失い、俺は全身から力が抜けるような感じがした。

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