嫌われ者の僕

みるきぃ

文字の大きさ
15 / 91
俺様会長

2

しおりを挟む


【神影side】


瑞希とあのゴミが帰ったあとの生徒会室には異様な雰囲気が流れていた。


「クソッ。あのゴミ本当邪魔だ」


俺様は、近くにあった椅子を蹴る。ずっと瑞希は俺達に眼中になんてなく、あのゴミの名前を呼んでいた。



「ずっと扉の前にいて身の程は知っていたみたいだけど、鬱陶しいよね~」




「瑞希に気に入られているみたいだから迂闊に酷いことできませんし…どういたしましょう」



「どう、する」


俺達はイライラしていた。どうにかして排除できないかと策を巡らせても練っても何も浮かばない。


すると、シーンと一瞬静寂に包まれた生徒会室に祥が



「あっ!俺今いいアイディアが浮かんじゃったよ~!!」


突然、そう声を出して閃いた顔をした。皆が祥に視線を送る。



「…いいアイディアだと?なんだ?」


すぐに問う。いくら考えても方法は思いつかなかったが…けど、祥のやつはいいアイディアを見つけたらしい。



「それはね~!俺たちの誰かがあのキモオタを惚れさせるんだよ~!」



「「「はっ」」」


祥の発言を聞いて俺様は耳を疑った。



あのゴミを俺たちの誰かが惚れさせる…?ふ、そんな気持ち悪いのごめんだ。この策はボツだなって思った。



「あ、あの祥…なぜ、私たちがあんな奴を惚れさせるのでしょうか?」


貴之のやつも理解できないみたいだ。



「ふふっ、考えて見てよ?さっき瑞希が言ってたじゃん?“あおいは俺が好きなんだよ”って」



「確かにそんなこと瑞希は言っていたな」




「でもそれがどうしたのでしょうか?」





「きっと、あのキモオタは俺たちの瑞希を奪おうとしてるんだよ。おまけに瑞希に気に入られてるし、くっつくのも時間の問題じゃん?だからそうならないためにも俺たちの誰かが惚れさせるっていうわけ~。どう?このアイディア」



「…………へぇ」


なるほど。自然に口の端があがる。俺様は昔から人を痛めつけて遊ぶのが好きだ。特にあのゴミはいい感じに楽しませてくれる。さっきまではボツな策だと思っていたがそれもありだな。



「つまり、あれだろ。惚れさせたら



―――――捨てる」



こういった排除の仕方か。…くく、面白いじゃねぇか。あのゴミが歪む顔が目に浮かんで楽しい。暇潰し程度にはなるな。




「それで決まりだな」


「ですね」


「い、い」



全員がその策に賛成した。そう、決まったのはいいものの、一体誰がそれをやるんだ?別に、俺様は自らその役になりたいというわけじゃない。ただ面白そうだからという理由でだ。




「じゃあ、そうと決まれば今からジャンケンしよ!」



「ジャンケン…ですか?」



「そうだよ~」



「祥が提案したんだから祥がやりなさい」



 「え~。賛成したのは皆じゃん。俺だって嫌だよ~。ここは運命に任せよーよ!ね!」



そして、公平にジャンケンをして決めることになった。



………。


う、そだろ…。



「神影で決まりだね~」



「まあ、せいぜい頑張ってください」


「がんば、れ」




「うっせぇ!黙れ」


チョキを出すんじゃなかった。俺は見事に負けてしまった。




「じゃあ、俺たちは神影があのキモオタを惚れさせる間、瑞希を引き止めておくからよろしく~」




「は?なんだ、それは!」


そんなの聞いてないぞ。ふざけるな。




「負けたんだからしょうがないでしょ~」



「そうですよ。負けたんだから素直に引き受けなさい」



「負け、た、がんば…れ」



くそッ。最悪だ。俺様はドンッと壁を殴った。



「悔しいなら早く惚れさせて来てください」



「そうだよ~。惚れさせればいいことじゃん」




他人事のように言う。



「チッ。面倒くせ」


早くあのゴミを惚れさせないとこいつらの誰かに瑞希が取られそうだ。



――――
――――――

………。


それから数日後。自分の寮の部屋であの策のための変装をした。あのゴミに俺様とあろう者が一緒にいるという目撃をされてはプライドに傷が入るし許せない。だから今こうやって変装をしたのだ。


目は生まれつき茶色っぽい黄色。だから黒のカラコンをいれて、顔の輪郭を隠すためマスクをした。素の俺があのゴミなんざと関わるのは嫌だ。だから、変装は必須。


しかし、面白そうだと思ったが案外面倒くせぇことになってきた。さっさと、惚れさせてゴミの歪む顔でも拝見して瑞希を俺様のものしてやる。



相変わらず、瑞希はあのゴミと行動している。そろそろ作戦に出ないと遅いって祥のやつに言われた。



コンコンー

準備が終えた頃、ドアがノックされた。




もう来たか…。こういう時だけ早く来る。




そして、ドアを開けた。


ガチャ


「ハロー神影!…って誰?」


「も、もしかして」


「み、かげ…?」



「おう。俺様だ」



ドアを開けると、そこにいたのはやはり生徒会の奴らだった。


ふ、俺様の変装を見てそんなに驚いたか。



「うっそーん!」


「驚きですね」


「変わ、った」



人のことまじまじと見てそう感想を述べる。




「ま、美形は変わらないだろ?あー、面倒くせ」


あいつに接近するだけで殴りたくてしょうがねぇのに大丈夫か?まあ、俺様ならできるだろ。



「これだと神影だと気づかれませんね」


「そうだね~。じゃあ、俺らは瑞希を阻止しとくからその間よろしくー」


「よ、ろしく」



それだけ言って手を振りながら去っていった。ムカつく。阻止とか言ってポイント稼ぎでもするんだろ。


チッ。

何で、俺様がこんな面倒なことやらないといけないんだ。


「…さっさと、惚れさせるか」



そうひとこと呟き、部屋を後にした。


しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。 オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

そばにいてほしい。

15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。 そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。 ──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。 幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け 安心してください、ハピエンです。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー AI比較企画作品

【本編完結】攻略対象その3の騎士団団長令息はヒロインが思うほど脳筋じゃない!

哀川ナオ
BL
第二王子のご学友として学園での護衛を任されてしまった騎士団団長令息侯爵家次男アルバート・ミケルセンは苦労が多い。 突撃してくるピンク頭の女子生徒。 来るもの拒まずで全ての女性を博愛する軽薄王子。 二人の世界に入り込んで授業をサボりまくる双子。 何を考えているのか分からないけれど暗躍してるっぽい王弟。 俺を癒してくれるのはロベルタだけだ! ……えっと、癒してくれるんだよな?

【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる

路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか? いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ? 2025年10月に全面改稿を行ないました。 2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。 2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。 2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。 2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。 第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。

処理中です...