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俺様会長
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しおりを挟む「はぁ…っはぁ」
僕は今、廊下を走っている。というか…花園くんに腕を引っ張られて、僕も走る形になっていると言った方がわかりやすいかもしれない…。
なぜ、走っているのかというと実は僕自身それがどうしてなのかわからなかった。
「あおい!スピードあげるぞ!!」
「ご、ごめ…っ、ぼ、僕もう…っ」
限界で走れなかった。
「全くしょうがない奴だな!少し休憩な」
「あ、ありがと…っ」
廊下の曲がり角付近で僕は地面に足をつけた。
はぁ…っ。体力つけないとな…。その場で休憩していたら、誰かの足音が聞こえてきた。
「──よォ、瑞希。会いに来てやったぜ」
「げ。また来やがったのかお前ら!」
「こんな所で何をしているんですか?瑞希会いたかったです」
「瑞希がいなかったから、俺、寂しかったんだよ~?」
「瑞希、いた」
廊下の角から現れたのは、生徒会だった。もしかして、花園くんは生徒会の皆から逃げていたのかな…。
「お前らしつこいぞ!俺とあおいの二人っきりの時間を邪魔しやがって!!」
「瑞希!そんな汚いものに騙されてはいけませんよ!!」
「つーか、俺様達の部屋に来ねぇで何やってンだ?」
「そうだよ~。こんなキモオタクなんか放っといて生徒会室に行こう?」
「瑞希…い、こ」
「ただし、あおいも一緒だったら遊びに行ってもいいぞ!!」
花園くんがそう言った途端、生徒会の皆が僕を睨んだ。
「別にこんな奴いいじゃないか。俺様達と来いよ 」
会長が花園くんの腰に手を回しながら尋ねるが、花園くんはすぐさまその手を払いのけて距離をとる。
「だから、無闇にこういう事はするなって言ってるだろ!」
「いいじゃねぇか。瑞希は相変わらず恥ずかしがり屋だな」
「ちがうっ!こういうのは、好きなヤツにやるもんなんだよ!」
そして、なぜか花園くんは僕を見る。
「それなら尚更いいじゃねぇか。瑞希の事が好きなんだからよ」
「なっ…!確かに俺は皆に愛されて当然な人間だ!でも今は」
「何馬鹿な事を言ってるんですか。瑞希は渡しませんよ」
「え~っ。ちょっとォ、二人だけで話進めないでよ~。瑞希は俺の事が好きなんだよね~?」
「渡さ、ない」
「……」
生徒会の皆が花園くんの取り合いしてる。 ぼ、僕…この場にいても大丈夫なのかな…。
すると、会長が僕の前に来て僕の肩をドンッと押した。予想外の力に、思わずそのまま尻餅をついてしまった。
「お前、早く失せろよ」
「この状況見てわからない?不必要~」
会長と会計は顔は笑ってるのに言葉はトゲトゲしてる。
「お前ら!そんな事いきなり来ていうなんて失礼だぞ!しかもあおいに酷いことしやがって!!謝れっ!」
花園くんがすぐに僕の横に来てそう言った。すると、生徒会の皆にものすごく冷たい目で見下ろされた。
…怖い。僕はなにもできなくて下を向いた。
「瑞希は本当優しい子だね~。そんな奴といたらだめだって言ってるのに~」
「俺様たちと早く来い」
「そうですよ。生徒会室に行ったら美味しい紅茶淹れてあげます」
「瑞希、い、こ」
「だーかーらー!俺はあおいも一緒じゃないと行かないって言っているだろ!!あおい大丈夫かー?ほら立て」
花園くんが手を差しのべて僕はゆっくりと立ち上がる。
「…チッ。仕方ない、わかった」
会長の舌打ちが鳴り響く。
「瑞希がそう言うなら仕方ありませんね」
「仕方な、い」
「でも俺たちの邪魔しないでよ~キモオタくん」
僕を見る生徒会の皆の目はものすごく怖かった…。
「そうか!よし、じゃあ行ってやってもいいぞ!!」
花園くんが僕の腕をぎゅっと掴むと生徒会皆の眉が動く。
どうしよう…気まずい。唇を噛み締める。そして、僕は重い足取りで皆と一緒に生徒会室に向かった。
―――――――
―――――――――
―――――――――――
………。
「瑞希~ほら、このお菓子も美味しいよ~」
「私の淹れた紅茶はどうですか?」
「瑞希、こっち、お…いで」
「お前ら俺様の瑞希に触るな」
「おお!このお菓子甘いな!紅茶もなかなかだ!!」
花園くんは、美味しそうにテーブルに並べてあるお菓子を食べている。
僕は生徒会室の扉の前で、体育座りをして小さくなっている。花園くんに『僕はここで大丈夫』と伝えた。
ここが、生徒会室…。初めて入った。普段は生徒会以外の一般生徒は立ち入り禁止だけど大丈夫なのかな…。
3階の1番奥に生徒会室はあった。生徒会室は、黒いカーテンで窓ガラスの姿は隠され、天井にはすごい綺麗なデザインのシャンデリアがある。下を向けば、高そうな絨毯。生徒会室にあるもの全てが高価なものだと思う。
豪華な雰囲気が漂っている。
僕、本当…場違いだ。
ゆうに会いたいな…。ふと、そんなことを考えていた。
「おい!あおい!!お前もそんなところにいないでこっちこいよ!!」
花園くんは、手にクッキーを持ちながら僕に声をかけた。
「え、っと」
花園くんの顔を見るとその横にいる生徒会の皆が僕を睨み不機嫌な顔をしていた。
「早く来いって!」
「い、いや僕は大丈夫だよ…」
恐れ多い。僕はここにいる方が合っている。
「なんだよー!あおいもいないと楽しくねぇよ!!こっち来いって!」
「え、で、でも…」
き、気持ちは嬉しいけど僕にそっちにいく勇気も価値もない。
「じゃあいい!俺がそっちに行くから!!」
花園くんは、お菓子をたくさん持って僕のところに行こうとしたけど、副会長がそれを止めた。
「瑞希、だめです!!そいつは悪い奴ですよ!!」
「はあー?なんでそういうこと言うんだよ!」
「そ、それは、…あっ、あれです!瑞希を利用して私たちに近づこうとしているんですよ!」
「そうそう、最低だよね~。だから瑞希はこんな奴放っといてもいいんだよ~?」
副会長に続いて会計もそう言った。近づこうと…ってどういう意味だろ?
「なんだよそれっ!あおいは俺が好きなんだよ!!怒るぞ!!」
花園くんはそう怒鳴り、生徒会の皆を無視して僕のところに来た。花園くんの顔を見ると、怒っている様子だった。
も、もしかして花園くんは優しいから僕のこと庇ってくれたのかな…?
「あおい!お前甘いもの好きか?」
そして、僕の前に来た花園くんは先程の怒っていた顔とは違って笑顔だった。
「え、と…う、うん」
僕は一瞬戸惑いながらも頷いた。
「じゃあ、これ食え!!すっげぇ美味しいぞ!」
見た目からしてもとても美味しそうで高そうなクッキーを花園くんは僕に渡してきた。
「え、で、でも…」
このクッキーは花園くんのために生徒会の皆があげたものだ。僕がそれを受け取る資格なんてない。
「いいから食えって!遠慮すんなよ!!」
「え、えっと…花園くんごめんね。僕今お腹すいてないんだ…」
花園くんの気持ちには本当感謝しているけど僕のことなんて気にしなくても大丈夫。花園くんは僕なんかといるより、生徒会の皆と一緒にいる方が合っている。
「なーんだ!そうだったのか!!あおいお腹すいてないのか!!」
「うん…ごめんね?」
「大丈夫だぞ!!言っとくけどこれ本当に美味しいからな!」
花園くんは、そのクッキーを口の中にいれてモグモグと美味しそうに食べた。見てるだけで、本当にお腹いっぱいになりそう…。
「瑞希ー、終わった?早くこっちに来てゲームでもしようよ~」
「次はケーキを持ってきましたよ」
「俺様を待たせるな。瑞希来い」
「瑞希、はや、く」
生徒会の皆は、退屈と言わんばかりに花園くんを呼んだ。
「お!ゲームにケーキか!!わかった!あおい、お前も来いよ!」
花園くんはそう言って生徒会の皆がいるところに戻って行った。
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