嫌われ者の僕

みるきぃ

文字の大きさ
14 / 91
俺様会長

1

しおりを挟む


「はぁ…っはぁ」


僕は今、廊下を走っている。というか…花園くんに腕を引っ張られて、僕も走る形になっていると言った方がわかりやすいかもしれない…。

なぜ、走っているのかというと実は僕自身それがどうしてなのかわからなかった。 



「あおい!スピードあげるぞ!!」



「ご、ごめ…っ、ぼ、僕もう…っ」



限界で走れなかった。



「全くしょうがない奴だな!少し休憩な」



「あ、ありがと…っ」



廊下の曲がり角付近で僕は地面に足をつけた。

はぁ…っ。体力つけないとな…。その場で休憩していたら、誰かの足音が聞こえてきた。



 「──よォ、瑞希。会いに来てやったぜ」



「げ。また来やがったのかお前ら!」



「こんな所で何をしているんですか?瑞希会いたかったです」




「瑞希がいなかったから、俺、寂しかったんだよ~?」



「瑞希、いた」



廊下の角から現れたのは、生徒会だった。もしかして、花園くんは生徒会の皆から逃げていたのかな…。



「お前らしつこいぞ!俺とあおいの二人っきりの時間を邪魔しやがって!!」


「瑞希!そんな汚いものに騙されてはいけませんよ!!」



「つーか、俺様達の部屋に来ねぇで何やってンだ?」
 


「そうだよ~。こんなキモオタクなんか放っといて生徒会室に行こう?」

 

「瑞希…い、こ」



「ただし、あおいも一緒だったら遊びに行ってもいいぞ!!」



花園くんがそう言った途端、生徒会の皆が僕を睨んだ。




「別にこんな奴いいじゃないか。俺様達と来いよ 」


会長が花園くんの腰に手を回しながら尋ねるが、花園くんはすぐさまその手を払いのけて距離をとる。




「だから、無闇にこういう事はするなって言ってるだろ!」



「いいじゃねぇか。瑞希は相変わらず恥ずかしがり屋だな」



「ちがうっ!こういうのは、好きなヤツにやるもんなんだよ!」



そして、なぜか花園くんは僕を見る。




「それなら尚更いいじゃねぇか。瑞希の事が好きなんだからよ」



「なっ…!確かに俺は皆に愛されて当然な人間だ!でも今は」



「何馬鹿な事を言ってるんですか。瑞希は渡しませんよ」



「え~っ。ちょっとォ、二人だけで話進めないでよ~。瑞希は俺の事が好きなんだよね~?」



「渡さ、ない」



「……」


生徒会の皆が花園くんの取り合いしてる。 ぼ、僕…この場にいても大丈夫なのかな…。




すると、会長が僕の前に来て僕の肩をドンッと押した。予想外の力に、思わずそのまま尻餅をついてしまった。 



「お前、早く失せろよ」


「この状況見てわからない?不必要~」



会長と会計は顔は笑ってるのに言葉はトゲトゲしてる。
 



「お前ら!そんな事いきなり来ていうなんて失礼だぞ!しかもあおいに酷いことしやがって!!謝れっ!」



花園くんがすぐに僕の横に来てそう言った。すると、生徒会の皆にものすごく冷たい目で見下ろされた。


…怖い。僕はなにもできなくて下を向いた。



  
「瑞希は本当優しい子だね~。そんな奴といたらだめだって言ってるのに~」



「俺様たちと早く来い」



「そうですよ。生徒会室に行ったら美味しい紅茶淹れてあげます」



「瑞希、い、こ」



「だーかーらー!俺はあおいも一緒じゃないと行かないって言っているだろ!!あおい大丈夫かー?ほら立て」


花園くんが手を差しのべて僕はゆっくりと立ち上がる。



「…チッ。仕方ない、わかった」



会長の舌打ちが鳴り響く。



「瑞希がそう言うなら仕方ありませんね」



「仕方な、い」 



「でも俺たちの邪魔しないでよ~キモオタくん」



僕を見る生徒会の皆の目はものすごく怖かった…。



「そうか!よし、じゃあ行ってやってもいいぞ!!」


花園くんが僕の腕をぎゅっと掴むと生徒会皆の眉が動く。


どうしよう…気まずい。唇を噛み締める。そして、僕は重い足取りで皆と一緒に生徒会室に向かった。




―――――――
―――――――――
―――――――――――

………。




「瑞希~ほら、このお菓子も美味しいよ~」


「私の淹れた紅茶はどうですか?」



「瑞希、こっち、お…いで」



「お前ら俺様の瑞希に触るな」




「おお!このお菓子甘いな!紅茶もなかなかだ!!」



花園くんは、美味しそうにテーブルに並べてあるお菓子を食べている。


僕は生徒会室の扉の前で、体育座りをして小さくなっている。花園くんに『僕はここで大丈夫』と伝えた。


ここが、生徒会室…。初めて入った。普段は生徒会以外の一般生徒は立ち入り禁止だけど大丈夫なのかな…。



3階の1番奥に生徒会室はあった。生徒会室は、黒いカーテンで窓ガラスの姿は隠され、天井にはすごい綺麗なデザインのシャンデリアがある。下を向けば、高そうな絨毯。生徒会室にあるもの全てが高価なものだと思う。

豪華な雰囲気が漂っている。



僕、本当…場違いだ。


ゆうに会いたいな…。ふと、そんなことを考えていた。




「おい!あおい!!お前もそんなところにいないでこっちこいよ!!」



花園くんは、手にクッキーを持ちながら僕に声をかけた。



「え、っと」



花園くんの顔を見るとその横にいる生徒会の皆が僕を睨み不機嫌な顔をしていた。




「早く来いって!」


「い、いや僕は大丈夫だよ…」




恐れ多い。僕はここにいる方が合っている。




「なんだよー!あおいもいないと楽しくねぇよ!!こっち来いって!」




「え、で、でも…」


き、気持ちは嬉しいけど僕にそっちにいく勇気も価値もない。





「じゃあいい!俺がそっちに行くから!!」



花園くんは、お菓子をたくさん持って僕のところに行こうとしたけど、副会長がそれを止めた。




「瑞希、だめです!!そいつは悪い奴ですよ!!」



「はあー?なんでそういうこと言うんだよ!」




「そ、それは、…あっ、あれです!瑞希を利用して私たちに近づこうとしているんですよ!」



「そうそう、最低だよね~。だから瑞希はこんな奴放っといてもいいんだよ~?」



副会長に続いて会計もそう言った。近づこうと…ってどういう意味だろ?



「なんだよそれっ!あおいは俺が好きなんだよ!!怒るぞ!!」



花園くんはそう怒鳴り、生徒会の皆を無視して僕のところに来た。花園くんの顔を見ると、怒っている様子だった。

も、もしかして花園くんは優しいから僕のこと庇ってくれたのかな…?





「あおい!お前甘いもの好きか?」


そして、僕の前に来た花園くんは先程の怒っていた顔とは違って笑顔だった。




「え、と…う、うん」


僕は一瞬戸惑いながらも頷いた。



「じゃあ、これ食え!!すっげぇ美味しいぞ!」


見た目からしてもとても美味しそうで高そうなクッキーを花園くんは僕に渡してきた。




「え、で、でも…」



このクッキーは花園くんのために生徒会の皆があげたものだ。僕がそれを受け取る資格なんてない。



「いいから食えって!遠慮すんなよ!!」



 「え、えっと…花園くんごめんね。僕今お腹すいてないんだ…」



花園くんの気持ちには本当感謝しているけど僕のことなんて気にしなくても大丈夫。花園くんは僕なんかといるより、生徒会の皆と一緒にいる方が合っている。


「なーんだ!そうだったのか!!あおいお腹すいてないのか!!」




「うん…ごめんね?」




「大丈夫だぞ!!言っとくけどこれ本当に美味しいからな!」




花園くんは、そのクッキーを口の中にいれてモグモグと美味しそうに食べた。見てるだけで、本当にお腹いっぱいになりそう…。



「瑞希ー、終わった?早くこっちに来てゲームでもしようよ~」



「次はケーキを持ってきましたよ」



「俺様を待たせるな。瑞希来い」



「瑞希、はや、く」


生徒会の皆は、退屈と言わんばかりに花園くんを呼んだ。




「お!ゲームにケーキか!!わかった!あおい、お前も来いよ!」



花園くんはそう言って生徒会の皆がいるところに戻って行った。

しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。 オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

そばにいてほしい。

15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。 そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。 ──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。 幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け 安心してください、ハピエンです。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー AI比較企画作品

【本編完結】攻略対象その3の騎士団団長令息はヒロインが思うほど脳筋じゃない!

哀川ナオ
BL
第二王子のご学友として学園での護衛を任されてしまった騎士団団長令息侯爵家次男アルバート・ミケルセンは苦労が多い。 突撃してくるピンク頭の女子生徒。 来るもの拒まずで全ての女性を博愛する軽薄王子。 二人の世界に入り込んで授業をサボりまくる双子。 何を考えているのか分からないけれど暗躍してるっぽい王弟。 俺を癒してくれるのはロベルタだけだ! ……えっと、癒してくれるんだよな?

【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる

路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか? いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ? 2025年10月に全面改稿を行ないました。 2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。 2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。 2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。 2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。 第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。

処理中です...