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第三章 攻略対象三人目 第二王子は曲者です。取扱い注意。
思わぬ再会ー②
しおりを挟む「‥‥…」
俺は口をパクパクさせるしかない。
何と答えればいいのか。
下手すりゃ不敬どころか王侯貴族への詐欺になる。
これ、やばくないのか?
何故母さんはこいつと俺を合わせたんだ。
何企んでんの? 母さん!
俺の心臓が破裂するんじゃないかってぐらいにバクバクしている。
強心臓じゃあないんだぞ! くそっ!
「レティエル。どうしましたか。久しく会わないうちに私のことを忘れてしまいましたか?」
クスリと上品な笑みを浮かべて嬉しそうに俺を見る。
こいつ、端から信じてない口だな。
俺は母さんとこいつの思惑が読めないが、一介の貴族である俺が挨拶をしないのはもうそれだけで不敬だ。
仕方ない。
「これは失礼いたしました。お久しゅうございます。ライムフォード第二王子殿下。お目に罹れ光栄でございます」
(くそー挨拶しづれー。ってか何でお前ここにいる?!)
そう。今、俺の目の前に攻略対象者の第二王子がいやがる。
(何でだ! 何故ここにいる? お前帝国じゃねえの?! 何フラッと人の領地に来てるんだよ! 家に帰れよ!)
シレっと久し振りにあった旧友みたいな顔で茶を飲んでいるこいつ。
俺が義兄とセットで追い出した奴。
その奴が‥‥
奴がここにいる。
(ああ終わった。今度こそ終わった。何もかも俺の儚い夢よさらば。ああ魔女っ娘。憧れだったのに‥…)
俺は恨みがましい眼差しを思い切りぶつけてやった。
わざとだよ!
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