倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第２８章【倭国筑紫連合軍】は【難波】に上陸し、【倭国瀬戸内連合軍】は【紀伊半島】を大きく迂回して、伊勢湾に侵攻す！！

〔４３４〕【カネト総司令】指揮の【遠征軍】が濠を越えて侵攻すると、【白旗】を掲げた一団が待ち構えていた！

　　【カネト総司令】指揮の【遠征軍】が濠を越えて侵攻しても、【クヌ国軍】から矢の１本も飛んで来ず、抵抗も一切なかった！

抵抗がないどころか、【白旗】を掲げた一団が待ち構えていた。

背後の兵も全員、武器を捨てていた。



　　【カネト】は訝イブカしんだ。

・・・これは手の込んだ罠かもしれない・・・
・・・こんな事態は、流石サスガに想定外ではある・・・
・・・されど、罠なら罠で、突き破るしかあるまい・・・
・・・とりあえず、口上だけでも聞いてやるか・・・

「皆の者！戦闘態勢を一時解除！」
「敵の一団は武器を捨て、【白旗】を掲げている！」
「所作に則り、我が陣営に招き入れてやれ！」
「決して、手を出してはならぬ！」



　　敵の一団は【白旗】を掲げたまま、ゆっくりと歩いて来た。

そして、年配の身なりの良い男が地面に座り込み、土下座をするや、他の同行者達も、皆倣った。

「某ソレガシは【クヌ国・丞相】の任にある者でござる。」
「病床に倒れた我が【主君】に成り代わり、口上を申し上げまする！」

「【クヌ国・全軍】は、【倭国・女王陛下】に降伏し、ここに恭順の意を示すことをお誓い申し上げまする！」
「つきましては、【タニハ国】に侵攻した【我が軍】及び、全滅しかけている【伊勢水軍】にも撤退の命を下しましてござりまする！」