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  第5章 【タニハ王家】の【宝玉】 

 〔44〕【ヤマト王太子】と【キヨカ女王】

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  ヤマト王太子と配下の3名の将軍達は、女官の案内でキヨカ女王の居所に入って行った。


「ヤマト国・ヤマト王太子以下4名、女王陛下に拝謁致します。」


「何を大仰に!」
「そなたは我が妹の夫!」
「義姉弟の仲ではないか!?」
「その上、一昨年の敵軍の大侵攻では、【ヤマト軍団】なくば、この国は滅亡していたはず。」
「そなたには、いくら感謝してもしきれない。」


「過分なるおめの御言葉、恐悦至極なれど、御当家が妻の実家であれば当然のこと。」
「されば、義姉上アネウエ御所望の【鋼鉄剣100本】【女人ニョニン用鋼鉄剣200本】【鉄鏃テツゾク(弓矢の矢尻)3000本】御収め下さい。」


即座に、女王が小さな、【銅鐸】を呼び鈴代わりに鳴らすや否や、4人の女官が大きな木箱を台車にせて運んで来て、蓋を開けた。

【祭祀用銅鐸】は何百基も、タニハ建国前に破砕埋設されてはいたが、このように王家の館では、親指サイズの銅鐸は【呼び鈴】として、使われていた。



  蓋が開けられた木箱の中には、金銀、紅玉、緑玉、蒼玉、真珠、珊瑚等宝玉の山であった。


「聞けば【鋼鉄剣】や【馬】を手に入れるため、また多くの船の難破で、大変な苦労をされたとか!?」
「これはその代金と見舞金代わりです。」


「それにしても多過ぎます。」
「この半分でも多過ぎるくらいでしょう。」


「では、こうしましょう。」
「【鋼鉄剣】をもう500本と造船五隻注文しましょう。」
「船は【淡海の湖アフミノウミ(琵琶湖の古称)】から【瀬戸の内海】に出られる、可能な限りの大船でお願いします。」
「納入は何年かかってもいいですが、出来るだけ早く、ということで!」


「分かりました。」
「【鋼鉄剣500本】【新造船五隻】の御注文承りました。」
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