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ポール・バニヤンとサンタさん

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これはね、トット・シンプソンさんがおれにだけこっそりと話してくれた事なんだけどね?
まだアメリカって国が生まれたてな赤ん坊だったころにさ。赤ん坊って聞いたらやってくる奴がいるだろう?サンタクロースってやつがさ。そのサンタがこの新大陸に来たばっかりの頃アメリカってのは今より大きくて太い木がたくさんあっていくら空を飛べるトナカイと橇があっても木にぶつかっちまう事がいつものようだったんだと、おかげでサンタの顔はただでさえパンパンなのにもっと晴れててどこの目があるのか分からん位だったんだと。これでは子供にプレゼントを配る前に天使のお迎えが来ちまうってこまってただが。どこからか大きな鼻歌が聞こえる「木を伐りたいならおいらを呼んでくれ~♪何処での行くから♪おいらのこの両刃の斧で~♪」
何のことだとサンタはびっくりしたがこれは神様の助かと思って「誰か知らんが助けてくれ~」と声を張り上げたケンタッキーまで響くような大声だったそうだよ。
するとサンタの目の前が真っ暗になった「どういうことだと」サンタが脅えていると上から声が聞こえた。
「ほら、来たよ。」
サンタが上を見上げると両刃の斧を持った大男が体をかがめてサンタを見ていたんだと。
え?この大男は誰かって?誰かって君、彼こそがかの有名なポール・バニヤンさ!(アメリカ合衆国やカナダ民話に登場する伝説の怪力無双な大男の木こり)
ポールはサンタを見て、礼儀正しくあいさつした帽子を取って深くお辞儀したんだするとその風圧でサンタはロッキー山脈まで飛ばされて這う這うの体で戻ってきた。サンタはポールの謝罪のお辞儀が来る前に自分の不幸を話したんだ。もう飛ばされるのはごめんだと思ったんだろうね。するとポールは「それならお任せを!この大陸にある樹は全て切ってやるぜ」と意気揚々と斧を研ぎ始めた。「いやそこまでせんでいいよ」サンタは答えた、そこまでやっちゃアメリカが砂漠になっちゃうからね。「わしのトナカイと橇が樹にぶつからないようになればいいじゃが・・・」ポールは頭を搔きながらうなっていると一つ考え付いた。するとポールは巨大なたいまつにクヌギをまぶしてススキをかけましたすると恐ろしいほどの煙が出るんだ。その煙をフッと森に吹きかけた、すると樹は苦しんでまるで避難訓練をする子供のように丸くちじこまってしまった。煙がなくなるとまたもとのようにまっすぐ伸びようとするのでポールはそのたびに煙を吹きかけ樹をちじこませまちまった。そして何度も繰り返していくうちに樹はまっすぐ大きくなることをやめてしまったんだ。
「さてこれで大丈夫だろ、サンタさん」
樹の高さはトナカイと橇が飛べるぎりぎりの高さで止まっていました。
「ああこれで大丈夫だ!ありがとうございます。大きいの!メリークリスマス!」
「メリークリスマス!」
これでサンタは怪我をすることなく安心してクリスマスに子供たちにプレゼントが配れるようになったっていう話だよ。


アメリカで今一番大きい樹はジャイアント・セコイアの115mだろ?あれより大きい木がないのはポール・バニヤンとサンタクロースがこういうことをしたからなんだってさ。
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