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諦めが悪い女 3
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ソフィーリアを敵に回してしまったディロール国は、最悪な末路になるだろう。
「ねえヴァン、早くディロールへ帰りたいわ!
お父様、お母様、リーも早くお屋敷へ帰りましょう?」
「お前は俺達の娘ではない、帰るなら1人で帰れ!
俺達の屋敷はソフィーリアにある。
それと何度も言うが『ユア』と『リー』だけが我らの大切な子供だ!」
ルリナの口はワナワナと小刻みに動いていたが、声は出ないようだ。
後ろを振り向き、マウロ、ヨーシュア、ダーティに上目遣いで瞳をウルウルさせて見つめている。
何この子?
男をウルウルした瞳で上目遣いで見るって、私は女だから分からないけど、どうなるんだろ?
ルリナの魅了魔法が消えたから、どんなに見つめても駄目なんじゃないかな?
「悲劇のヒロインぶるなよ、気持ち悪いな!」
ぅわぁ~~、騎士団長の息子のヨーシュアの言葉は凶器にもなるんだ。
ルリナの顔は、頬を叩かれた後みたいになってるし。
「俺に上目遣いをしても、もう効かないよ。
それに、その不細工な変顔は止めた方が良いよ」
大臣の息子のマウロは、真顔でルリナに言っているが、これも女からしたらキツイ言葉だよ。
「き、気持ち悪いなぁ!
こっち見んなよ、お前のせいで大切な婚約者を失ったんだからな!
……俺も悪いが、お前はもっと最悪だ!!」
ギルドマスターの息子のダーティは、他の2人よりもキツイ言葉だ。
私は王様と王族の皆に、このまま話してても平行線のままだと判断し、今思っている事を提案した。
「あの、少し発言しても良いでしょうか?」
「うむ、良かろう。
申してみよ」
「ありがとうございます。
このまま話してても平行線のままだと思いますし、一度ディロールの王の元へ皆で行き、話をしてからこれからのことを決めるのでも良いと思います。
ディロールからソフィーリアへ移動するのにも準備が必要だと思いますし」
王様と王族の皆は、頷いたあと私を見て微笑み。
「そうだな。
良い提案をありがとう。
では、皆でディロールへ行こうではないか」
「お兄ちゃんと桜さんは、仕事があるよね?
私の為にここまで来てくれて、ありがとう。
皆がいるから、もう大丈夫だよ」
「それは分かってはいるが、心配なんだ!
俺と桜にとっては大事な妹だから、気が弱いお前が心配なんだよ」
お兄ちゃん……ありがとう。
「私だって、ユアちゃんが心配だよ!
あんな女がいると思ったら、余計に心配よ。
だから、一度帰って有給をもぎ取って来るわ」
「じゃあ俺も有給をもぎ取って来るよ!
妹の危機なんだ。
うちの親も来るだろうしな」
やっぱり来ちゃうよね?
皆でボスを倒すぞ!
ではなくて、皆でディロールへ行くぞーー!
「ねえヴァン、早くディロールへ帰りたいわ!
お父様、お母様、リーも早くお屋敷へ帰りましょう?」
「お前は俺達の娘ではない、帰るなら1人で帰れ!
俺達の屋敷はソフィーリアにある。
それと何度も言うが『ユア』と『リー』だけが我らの大切な子供だ!」
ルリナの口はワナワナと小刻みに動いていたが、声は出ないようだ。
後ろを振り向き、マウロ、ヨーシュア、ダーティに上目遣いで瞳をウルウルさせて見つめている。
何この子?
男をウルウルした瞳で上目遣いで見るって、私は女だから分からないけど、どうなるんだろ?
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「悲劇のヒロインぶるなよ、気持ち悪いな!」
ぅわぁ~~、騎士団長の息子のヨーシュアの言葉は凶器にもなるんだ。
ルリナの顔は、頬を叩かれた後みたいになってるし。
「俺に上目遣いをしても、もう効かないよ。
それに、その不細工な変顔は止めた方が良いよ」
大臣の息子のマウロは、真顔でルリナに言っているが、これも女からしたらキツイ言葉だよ。
「き、気持ち悪いなぁ!
こっち見んなよ、お前のせいで大切な婚約者を失ったんだからな!
……俺も悪いが、お前はもっと最悪だ!!」
ギルドマスターの息子のダーティは、他の2人よりもキツイ言葉だ。
私は王様と王族の皆に、このまま話してても平行線のままだと判断し、今思っている事を提案した。
「あの、少し発言しても良いでしょうか?」
「うむ、良かろう。
申してみよ」
「ありがとうございます。
このまま話してても平行線のままだと思いますし、一度ディロールの王の元へ皆で行き、話をしてからこれからのことを決めるのでも良いと思います。
ディロールからソフィーリアへ移動するのにも準備が必要だと思いますし」
王様と王族の皆は、頷いたあと私を見て微笑み。
「そうだな。
良い提案をありがとう。
では、皆でディロールへ行こうではないか」
「お兄ちゃんと桜さんは、仕事があるよね?
私の為にここまで来てくれて、ありがとう。
皆がいるから、もう大丈夫だよ」
「それは分かってはいるが、心配なんだ!
俺と桜にとっては大事な妹だから、気が弱いお前が心配なんだよ」
お兄ちゃん……ありがとう。
「私だって、ユアちゃんが心配だよ!
あんな女がいると思ったら、余計に心配よ。
だから、一度帰って有給をもぎ取って来るわ」
「じゃあ俺も有給をもぎ取って来るよ!
妹の危機なんだ。
うちの親も来るだろうしな」
やっぱり来ちゃうよね?
皆でボスを倒すぞ!
ではなくて、皆でディロールへ行くぞーー!
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