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第四章
魔法使いと眠る姫6
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エクーディアは、寝室の隣にあるソファーの横に立っていた。全員がぞろぞろと入ってくると、ユンスウが座った席の隣に、半ば強引に魔法使いを座らせ、ユンスウの前に誠二を座らせた。
そして、自分はユンスウの後ろに両手を後ろに組んで立った。その行動を見ると、全てがユンスウを中心になってた。
ディヤイアンは皆が座るとティーセットを持ってきて、お茶を注いだ。今回は薄黄色で少し甘い花のような香りがするお茶だった。
ディヤイアンはユンスウの許可を得て、誠二の横に座った。
「んと、話を整理すると、まずユンスウちゃんがオレをこの世界につれてくるように魔術師にお願いしたんだよね?」
誠二以外の全員が一斉に頷いた。
「・・・?なんでユンスウちゃんはオレを連れて来たかったの?」
そう聞くとユンスウは再び頬を染めた。
「クエティオディ様に、異世界を見せてもらうのを日課にしてたんだ。わたし、他の世界って好きなんだ。もちろんこの世界も大好きだよ。いつかは王位を継承して、この世界を守っていきたいって思っている。でも、その前に一度でいいから異世界に行ってみたかったんだ。」
そこで一息ついて、ユンスウはお茶を一口飲んだ。
「でもね、異世界はいろんな危険があるから、王族が行くのは、親交のある世界に国賓としてしか行くことができないいの。だから、クエティオディ様にお願いしていろんな世界を見せてもらっていたんだ。
そこでね、誠二を見つけたの。毎日サッカーをやって走ってて、とっても楽しそうで、気が付いたら好きになってたんだ。だから、誠二と会いたかったの。
それでね、クエティオディ様にお願いして、誠二を連れてきてもらったんだ。」
目を潤ませながら自分を見るユンスウに、誠二はちょっと苦笑いをしてから再び聞いた。
「それじゃぁ、何で最初から説明してくれなかったの?俺、ディヤイアンちゃん・・・さんに、2回も騙されたし?」
最後は横に座るディヤイアンに向けて言った。
「別に騙していないよ。
誠二君に話したことはほとんどが本当のことだよ。ただし、異世界に人物やものを移送するのは、悪の大魔法使い様・・・つまり、そこにいる師匠ならそんなに難しいことじゃないんだよ。なんせ、王族関係の別世界への移送関連は、ほとんど師匠がやっているし、他の人がやるときはフォローとして立ち会ってるからね。」
驚いた顔をする誠二に、クエティオディは苦笑いをしながら答えた。
「私は時空を扱う専門家だ。それを研究しているし、人やものを移送するのは私の仕事だ。」
誠二の目は尊敬の念で輝いている。
「ただし、師匠以外の人間がそれをやろうとするとなると・・・、誠二君に話したようにその要求を王家に承認してもらう必要がある。まぁ、ユンスウ様に呪いをかける自体が普通は出来ないことだしね。」
「何で?」
首を傾げる誠二に、ディヤイアンは苦笑いをした。
「わたしたちが一日中つきっきりで守っているからだよ。
王族の特に直系の人は、『敵』にとっては何物にも替えがたい食材なんだ。地球で言うと麻薬と似ているかも。エクーディアに教えてもらったでしょ?
そういうことがわかっているなら、守りを固めるのは当然でしょ?
ユンスウ様にもわたしたち以外に十八人ほど警護がついてるんだよ。
ただ師匠は別だけどね。」
再び首を傾げる誠二を見て、ディヤイアンは続けた。
「師匠は魔術師全てを統括する長なんだ。王位継承者とはいえ、ユンスウ様一人に構っていられないんだよ。」
「暇を見つけてこのように遊びにきているがね」
「クエティオディ様が遊びに来るのは、エクーディアが目当てでしょ?恋人だもん。」
ディヤイアンとエクーディアの表情が面白いように固まった。
「あ、そーなんだ。」
妙に冷静に答える誠二に、ディヤイアンがおそるおそる聞いた。
「誠二君、・・・君の目から見ると、この2人が恋人同士というのは、ちょっと違和感があるんじゃないの?性別が無いわけだし・・・。」
「でも、エクーディアさんって綺麗で女性っぽいし、魔法使いは髪の毛は長いけど男性っぽいから、見た目だけならぜんぜん問題ないよ。」
「なるほど。そういう見方もあるか・・・。君は柔軟な思考回路を持ってるんだね。」
ちょっと引きつりながらディヤイアンが言った。
そして、自分はユンスウの後ろに両手を後ろに組んで立った。その行動を見ると、全てがユンスウを中心になってた。
ディヤイアンは皆が座るとティーセットを持ってきて、お茶を注いだ。今回は薄黄色で少し甘い花のような香りがするお茶だった。
ディヤイアンはユンスウの許可を得て、誠二の横に座った。
「んと、話を整理すると、まずユンスウちゃんがオレをこの世界につれてくるように魔術師にお願いしたんだよね?」
誠二以外の全員が一斉に頷いた。
「・・・?なんでユンスウちゃんはオレを連れて来たかったの?」
そう聞くとユンスウは再び頬を染めた。
「クエティオディ様に、異世界を見せてもらうのを日課にしてたんだ。わたし、他の世界って好きなんだ。もちろんこの世界も大好きだよ。いつかは王位を継承して、この世界を守っていきたいって思っている。でも、その前に一度でいいから異世界に行ってみたかったんだ。」
そこで一息ついて、ユンスウはお茶を一口飲んだ。
「でもね、異世界はいろんな危険があるから、王族が行くのは、親交のある世界に国賓としてしか行くことができないいの。だから、クエティオディ様にお願いしていろんな世界を見せてもらっていたんだ。
そこでね、誠二を見つけたの。毎日サッカーをやって走ってて、とっても楽しそうで、気が付いたら好きになってたんだ。だから、誠二と会いたかったの。
それでね、クエティオディ様にお願いして、誠二を連れてきてもらったんだ。」
目を潤ませながら自分を見るユンスウに、誠二はちょっと苦笑いをしてから再び聞いた。
「それじゃぁ、何で最初から説明してくれなかったの?俺、ディヤイアンちゃん・・・さんに、2回も騙されたし?」
最後は横に座るディヤイアンに向けて言った。
「別に騙していないよ。
誠二君に話したことはほとんどが本当のことだよ。ただし、異世界に人物やものを移送するのは、悪の大魔法使い様・・・つまり、そこにいる師匠ならそんなに難しいことじゃないんだよ。なんせ、王族関係の別世界への移送関連は、ほとんど師匠がやっているし、他の人がやるときはフォローとして立ち会ってるからね。」
驚いた顔をする誠二に、クエティオディは苦笑いをしながら答えた。
「私は時空を扱う専門家だ。それを研究しているし、人やものを移送するのは私の仕事だ。」
誠二の目は尊敬の念で輝いている。
「ただし、師匠以外の人間がそれをやろうとするとなると・・・、誠二君に話したようにその要求を王家に承認してもらう必要がある。まぁ、ユンスウ様に呪いをかける自体が普通は出来ないことだしね。」
「何で?」
首を傾げる誠二に、ディヤイアンは苦笑いをした。
「わたしたちが一日中つきっきりで守っているからだよ。
王族の特に直系の人は、『敵』にとっては何物にも替えがたい食材なんだ。地球で言うと麻薬と似ているかも。エクーディアに教えてもらったでしょ?
そういうことがわかっているなら、守りを固めるのは当然でしょ?
ユンスウ様にもわたしたち以外に十八人ほど警護がついてるんだよ。
ただ師匠は別だけどね。」
再び首を傾げる誠二を見て、ディヤイアンは続けた。
「師匠は魔術師全てを統括する長なんだ。王位継承者とはいえ、ユンスウ様一人に構っていられないんだよ。」
「暇を見つけてこのように遊びにきているがね」
「クエティオディ様が遊びに来るのは、エクーディアが目当てでしょ?恋人だもん。」
ディヤイアンとエクーディアの表情が面白いように固まった。
「あ、そーなんだ。」
妙に冷静に答える誠二に、ディヤイアンがおそるおそる聞いた。
「誠二君、・・・君の目から見ると、この2人が恋人同士というのは、ちょっと違和感があるんじゃないの?性別が無いわけだし・・・。」
「でも、エクーディアさんって綺麗で女性っぽいし、魔法使いは髪の毛は長いけど男性っぽいから、見た目だけならぜんぜん問題ないよ。」
「なるほど。そういう見方もあるか・・・。君は柔軟な思考回路を持ってるんだね。」
ちょっと引きつりながらディヤイアンが言った。
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