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第一章
冒険の始まり1
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その時、深井誠二は大変珍しく爽やかに目を覚ました。
上半身を起こして、伸びをしてからあくびを一つ。それから手を下に下ろすと、不思議な感触におやっと思い、周りを眺めてつぶやいた。
「あれ?ここ、どこだ?」
彼が黒に近い茶色い瞳できょろきょろとあたりを見渡すと、そこは深い森の中の小さく開けた場所だった。
どうやら地面の上に直に寝ていたらしいが、不思議と体は痛くない。緑のじゅうたんのように生えた芝のような植物が、クッションの役割を果たしてくれた為だろうか?
誠二は立ち上がると、少し茶色がかった襟足の少し長い髪と服の上からでもわかる鍛えられた体についた草や土をぱたぱたと叩き落とした。
そこで、はだしにいつもパジャマ代わりに着ているスウェットの上下という姿でいることに気づき、少し顔をしかめた。
再び周りを見ると、新緑を透かしてやわらかい光がさしている。上を見上げると、青い空が円形に見え、その周りは木で囲まれている。遠くでは鳥のものだろう、高く美しい鳴き声が聞こえた。
彼が寝ていた横には、細いがちゃんと人が通っていると思われる道が左右に一本ずつ伸びていた。
「えーっと・・・。オレ、夜はちゃんとベッドで寝たよなぁ・・・?」
そこは間違っても、寮の自室ではなかった。
誠二はちょっと首をかしげて考えてみた。が、よくわからない。
「すっげーリアルだけど、夢かな?・・・ま、いっか。」
何も考えていないような独り言を言って立ち上がり、彼は目の前にある細い道を左側へと歩き出した。
・・・
誠二は、彼にしてはゆっくりと、普通から見ればやや早足で歩いた。先ほどから道が細くなり、あたりが暗くなってきていた。
少し足の裏が痛くなったが、まだ土は柔らかかった。それでもめげずに歩いていると、右手の森の中から声がした。
「ウ フィオムヅ ヤイオ ヴェディンルヤ・・・バエリィ」
言葉の意味はわからなかったが、とても音楽的な、美人だろうと想像させるような透き通った声だった。
人がいることに少しほっとしつつ、誠二は声の方向を向いた。
「おはようご・・・。え?」
挨拶の言葉を口にしかけながら人なつこい笑顔で振り向いた誠二が見たのは、先ほどの声で想像したとおりとても美しい顔をした、手足がすらりと長く、青い瞳に腰まである明るい金髪を後ろでまとめた美人だった。
だが、その人物は誠二の腰ほどまでの背丈しかなかった。あまつさえ・・・コスプレをしていた。
暗い灰色の長袖シャツとタイツの上から、黒い膝上まである半そでチュニックを着て、それを左右に透明の小さな石をつけた茶色いベルトで止めている。そして、足には木靴を履き、頭にはチュニックと同じ黒い色の先が折れている三角帽子をかぶっている。
それは、昨日TVのコマーシャルで見たピーターパンにそっくりだった。色は違うが・・・。
「ムイティ ブン フェウムティウ リイイクンドゥ フィディ ヤオ」
誠二を見ながら歩いてきたその人物は、困ったような顔で誠二の横に来ると、彼の袖を引っ張った。それにつられて誠二はその場に座った。なぜか正座で。
身長は小さいが、絶世の美女。それだけでも緊張するのに、気分は学校の校長先生に怒られている感じで、誠二は体をカチカチに緊張させた。
その人物は、誠二の右肩に左手を置き、ため息をついた。
すると、その人物の後ろからくすくすと笑う声が聞こえてきた。
「スティイプ ブフウムグ エムグスヤ ブンフイディンフェムドゥ エティ ティアン ドゥングディン エクーディア」
誠二がそちらをそっと見ると、今度は笑顔の美少女が現れた。
「ウティス アウス フェオルティ フィディ バンムティ ディンンル」
誠二の前にいる絶世の美女は、後ろを振り返り、肩をすくめた。
後から現れたのは、アイドル顔負けの可愛い系美少女だった。
最初に現れた人物より背が低く、顔つきは人がよさそうな感じで、目がとても優しげに笑っている。瞳は新緑色で、ゆるく波打つ肩まである栗色の髪の毛をしている。首からは腰まである長さの、大きく透き通った緑色の石が付いた緑色のネックレスを下げて、右手の中指には深緑色の透き通った石がついた、美しい指輪をしていた。
そして、やはりもう一人の美女と同じような服装をしていた。こちらは明るい灰色のインナーに明るい緑色のチュニックと三角帽子だった。
上半身を起こして、伸びをしてからあくびを一つ。それから手を下に下ろすと、不思議な感触におやっと思い、周りを眺めてつぶやいた。
「あれ?ここ、どこだ?」
彼が黒に近い茶色い瞳できょろきょろとあたりを見渡すと、そこは深い森の中の小さく開けた場所だった。
どうやら地面の上に直に寝ていたらしいが、不思議と体は痛くない。緑のじゅうたんのように生えた芝のような植物が、クッションの役割を果たしてくれた為だろうか?
誠二は立ち上がると、少し茶色がかった襟足の少し長い髪と服の上からでもわかる鍛えられた体についた草や土をぱたぱたと叩き落とした。
そこで、はだしにいつもパジャマ代わりに着ているスウェットの上下という姿でいることに気づき、少し顔をしかめた。
再び周りを見ると、新緑を透かしてやわらかい光がさしている。上を見上げると、青い空が円形に見え、その周りは木で囲まれている。遠くでは鳥のものだろう、高く美しい鳴き声が聞こえた。
彼が寝ていた横には、細いがちゃんと人が通っていると思われる道が左右に一本ずつ伸びていた。
「えーっと・・・。オレ、夜はちゃんとベッドで寝たよなぁ・・・?」
そこは間違っても、寮の自室ではなかった。
誠二はちょっと首をかしげて考えてみた。が、よくわからない。
「すっげーリアルだけど、夢かな?・・・ま、いっか。」
何も考えていないような独り言を言って立ち上がり、彼は目の前にある細い道を左側へと歩き出した。
・・・
誠二は、彼にしてはゆっくりと、普通から見ればやや早足で歩いた。先ほどから道が細くなり、あたりが暗くなってきていた。
少し足の裏が痛くなったが、まだ土は柔らかかった。それでもめげずに歩いていると、右手の森の中から声がした。
「ウ フィオムヅ ヤイオ ヴェディンルヤ・・・バエリィ」
言葉の意味はわからなかったが、とても音楽的な、美人だろうと想像させるような透き通った声だった。
人がいることに少しほっとしつつ、誠二は声の方向を向いた。
「おはようご・・・。え?」
挨拶の言葉を口にしかけながら人なつこい笑顔で振り向いた誠二が見たのは、先ほどの声で想像したとおりとても美しい顔をした、手足がすらりと長く、青い瞳に腰まである明るい金髪を後ろでまとめた美人だった。
だが、その人物は誠二の腰ほどまでの背丈しかなかった。あまつさえ・・・コスプレをしていた。
暗い灰色の長袖シャツとタイツの上から、黒い膝上まである半そでチュニックを着て、それを左右に透明の小さな石をつけた茶色いベルトで止めている。そして、足には木靴を履き、頭にはチュニックと同じ黒い色の先が折れている三角帽子をかぶっている。
それは、昨日TVのコマーシャルで見たピーターパンにそっくりだった。色は違うが・・・。
「ムイティ ブン フェウムティウ リイイクンドゥ フィディ ヤオ」
誠二を見ながら歩いてきたその人物は、困ったような顔で誠二の横に来ると、彼の袖を引っ張った。それにつられて誠二はその場に座った。なぜか正座で。
身長は小さいが、絶世の美女。それだけでも緊張するのに、気分は学校の校長先生に怒られている感じで、誠二は体をカチカチに緊張させた。
その人物は、誠二の右肩に左手を置き、ため息をついた。
すると、その人物の後ろからくすくすと笑う声が聞こえてきた。
「スティイプ ブフウムグ エムグスヤ ブンフイディンフェムドゥ エティ ティアン ドゥングディン エクーディア」
誠二がそちらをそっと見ると、今度は笑顔の美少女が現れた。
「ウティス アウス フェオルティ フィディ バンムティ ディンンル」
誠二の前にいる絶世の美女は、後ろを振り返り、肩をすくめた。
後から現れたのは、アイドル顔負けの可愛い系美少女だった。
最初に現れた人物より背が低く、顔つきは人がよさそうな感じで、目がとても優しげに笑っている。瞳は新緑色で、ゆるく波打つ肩まである栗色の髪の毛をしている。首からは腰まである長さの、大きく透き通った緑色の石が付いた緑色のネックレスを下げて、右手の中指には深緑色の透き通った石がついた、美しい指輪をしていた。
そして、やはりもう一人の美女と同じような服装をしていた。こちらは明るい灰色のインナーに明るい緑色のチュニックと三角帽子だった。
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