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はじめて?
04*
しおりを挟む「……はいった……」
ふう、と雪哉が息を吐く。額には汗が滲んでいて、苦しそうだ。
「大丈夫?」
それなのに彼は梓のことを気遣う。梓が小さくうなずくと、そっと頭を撫でてくれた。
中が雪哉の熱でいっぱいになり、圧迫感がある。でも痛みは最初の時ほどではない。
「ちょっと、このままでいるから」
抱きしめられると、耳元で雪哉の息遣いが聞こえた。その呼吸はつらそうに繰り返される。
「わ、私……大丈夫だよ」
「え? でも」
起き上がり梓を見下ろす雪哉の目は見開かれていた。
「だから……続きして?」
痛いのはわかっている。でも、苦しそうにしている雪哉は見ていられない。気持ちが良いことを教えてくれた雪哉にこそ、気持ちよくなってもらいたい。
「……梓」
名前を呼ばれて、唇が重なった。甘いキスは身体をやわらかく溶かしてくれる。甘い舌先に夢中になっていると、雪哉がゆるく腰を揺さぶり始めた。
「……あっ」
中をこする熱に、声が漏れる。
「つらかったら言って」
こくこくと梓は頷く。
痛みや違和感は多少あるけれど、我慢ができる範囲だ。でもまだその程度。梓の身体は快感を覚えていない。
「……雪哉くん」
「ん? どうした?」
「……キス、して」
梓が好きなのは雪哉のキスだった。甘くて、とろけてしまうようなキス。
「っ……わかった」
目を細めた雪哉はすぐにキスをしてくれた。
「ん、んぅ」
唇を舐めて、食んで、中に舌をもぐり込ませて甘く絡める。梓も拙いなりに舌を動かしてみると、彼はちゃんと反応して受け入れてくれた。あまりの気持ちよさに梓は雪哉の首に手をまわして、抱き着いた。
身体が密着したことにより、つながっている場所からくちゅりと淫らな音が響いた。
「はぁ……動きやすくなってきた」
キスをしながら雪哉が律動する。腰を引いて、熱を押し込む。ゆっくりだったその動作は徐々に速さを増していく。違和感しかなかったはずの梓の身体だったけれど、内側の粘膜を雪哉の熱がこすれると、ぞくりとした、今までにない快感が梓を襲った。
「……っあ」
「ん? ここ気持ちいいの?」
雪哉は、梓が声を出した場所を熱でこすりあげる。
「わ、かんな……あんっ」
勝手に甘い声が出てしまって、梓は口を手で押さえた。
「だめ、聞かせて」
その手を強引に取り、ベッドへ縫い付ける。そのままごりごりと内側を突く。
「あ、ぅ……んっ!」
「よかった。気持ちよさそう」
梓は声を上げながら、腰を反らした。
「もっと動くよ」
雪哉の手が離れ、梓の腰を強く掴む。すると奥深くまで雪哉の熱が入ってくるのがわかった。中を行き来すると濡れた音が響き、内側からこみ上げるような熱が汗に変わる。
「あ、あっ……ん」
雪哉が動くたびに梓の声が漏れる。
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