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はじめて?

03*

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 梓がいくら訴えても雪哉は離してくれない。それどころか、秘部に隠れた花芯を見つけると、そこにキスをする。びくん、と大きく腰が揺れた。
 中にそっと入ってきた指が内側を撫でながら、花芯を舌でちろちろと舐められると梓はわけがわからずに快感の渦に飲み込まれていく。先ほどはゆっくりとした動きだった指は、動きをはやめて梓の中を行き来する。その動きが視界に入ってきて、淫らな映像に目をそらしたいのに釘付けになっていた。

「や、なんか……」
「イっていいよ」

 優しい雪哉の声が落ちて来る。
 身体の内側のざらりとした場所を撫でられ、同時に花芯に歯を立てられると、びくん、と大きく身体が揺れ、思考が飛んだ。

「――っ!」

 梓はピンと爪先を伸ばし、初めての絶頂を経験した。
 するとようやく雪哉の手が離れた。ゆっくり優しく、ベッドに寝かせてくれる。もう身体に力が入らない。

「……は、ぁ……ぅ」
「よかった、イけたね」
「……ん……」
 梓は胸を上下させながらくたりとベッドに身を預ける。
「そろそろいいか……あ、ちょっと待ってて」
「……?」
 ぼんやりしていた頭は徐々にはっきりしてくる。

 雪哉はベッドから降りて、置いてあるカバンから財布を取り出す。その中を探ると「よかった。あった」とつぶやいた。
 ベッドに戻ってきた雪哉が手にしているのは避妊具だ。それくらいは経験のない梓にでもわかる。
「こんな展開になるなんて思ってなかったから」
 弱々しく笑う雪哉は、避妊具を素早く屹立に当てた。
 でもそれを持っているということは、使ったことがある、もしくは使う予定があったということで……。

「じゃあなんで、そんなの持ってるの?」
「大人のマナー」

 薄々気づいていたけれど、雪哉は経験がある。
 大人なのだから当たり前なのに、自分は初めてで雪哉は経験済というのがどうしても腑に落ちない。
「……誰と使う予定だったの……」
「なに。嫉妬?」
 梓は図星を突かれて口を閉ざした。
 機嫌を損ねた梓の頭を雪哉の手が優しく撫でる。
「前がいつだったか忘れるくらい、しばらくしてないし、予定もなかったよ」
「そういう問題じゃなくて」
「でも経験してるから梓のことたくさん気持ちよくしてあげられる」
 優しく諭すように言われるとそれ以上何も言うことができなくなってしまう。確かに雪哉が初めてでなければ、こんなにスムーズに事が進むのは難しいのかもしれない。頭ではわかっていても、心では飲み込むことができない。

「でも、雪哉くんの初めてが欲しかった……」
「っ……可愛いこと言わないで」

 雪哉はつらそうに眉根を寄せる。先ほどから視界にある反り返っている雪哉の熱は、はやく這入りたそうに梓の入り口を撫でる。
「俺の初恋は梓なんだけど、それじゃだめ?」
「え」
「言わなかったっけ? 歳の差がありすぎて言えなかったし、別にどうこうするつもりはなかったけど、子どもの頃から好きだったよ」
 子どもの頃の話は聞いたけど、その頃から好きだとははっきり聞いていない。
「聞いてない……言ってくれたらよかったのに」
「だって梓は俺のことただのいとこの兄ちゃんだと思ってたのわかるし。言えるわけないよ。嫌われたくない」
 雪哉の切実な言葉に胸がきゅっと締め付けられた。そんなことを思っていたなんて、全然知らなかった。

「これで満足?」
 少し照れが見える表情で梓の顔を覗き込む雪哉。
「……ちょっとだけ」
「よかった」
 雪哉は安堵して微笑む。けれど次の瞬間には表情が変わった。

「挿れるよ……もう我慢しすぎてつらい」
「う、うん……」

 梓の秘部をぬるぬると行き来してから、蜜口にぐっと熱を押し付ける。蜜口が押し開かれる感覚に、身体が勝手に逃げてしまう。。
「い、痛……っ」
「痛い? ごめんな、我慢して」
「ええっ」
 てっきり止めてくれるかと思っていたら、雪哉は決行するつもりらしい。蜜口からぐっと押し入ると、恐怖から身体がこわばり梓は歯を食いしばった。

「ごめん、身体に力入れるともっと痛いから……」
「あっ」

 雪哉の手が、梓の乳房にふれ覆い、揉み回す。時折硬くなった先端を転がされて、梓の背中が反る。甘い疼きが生まれて痛む場所が潤んでいく。じわじわと奥へ進もうとする雪哉の表情は、初めて余裕の無さを感じられた。

 何度も「大丈夫?」と聞いてくれて、奥を雪哉の熱が埋め尽くしていく。

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