いきなり吸血鬼ですか?えっ!?吸血鬼

林檎飴

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何だかわからないまま頷いていた。
大人の言うことに従うことが一番だと私は知っているから

結局、家族にもなったしここは記念にお寿司でも頼んじゃいますかと旦那は言って真紀さんは、さすが私が惚れた男!みたいなちょっと理解不能なことを言っていたけど、斎藤家にきて初めてのお寿司は少し魅力的に感じる

そういえば、何だか服が濁っている気がする。白のワンピースは所々砂で汚れてたり黒い線がピットついていたり
あぁ、落とすの大変だなぁ
何て思いながら、着替えようと席を立つ

「蜜ちゃん!!勿論みんなで食べるよね!」

あなたは一体、何才ですか?と聞きたくなるようなキラキラした目で訴えてくる。

「「家族だよね」」

私は基本的に押しに弱い

それに今まで避けてたのは腐れ息子がいたからだ。腐れ息子がぶつくさ言わないんだったら私は最初からみんなとご飯を食べてる

そう、すべては腐れ息子のせいなのです

そんなことを2.3秒現実逃避そして

あぁ、これからはみんなとこの席でご飯を食べるんだ。

が私の率直な感想

何年か前のあの風景を思い出す。
まだ箸が上手く握れない私はよく母から食べさせてもらっていた。
母も無自覚なので、気が付いて私の箸を見たら先端が綺麗だった
私は自分の箸があるのに母の箸で食べていたのだ。
父はニコニコときっとわざと教えなかったんだろう。父は母の天然なところが大好きだから、

あの空間にまた戻れるだろうか?
いや、無理だなぁ、この人たちは
父と母じゃない。あの日にはもう二度と戻れないけど、今は今のことだけを考えていこう。

母と父が生きていたら、私はどうなっていたんだろうな…

そんな、ありえない未来を創造して
初めて私は泣きたくなった。

真紀さんには「勿論」と答えてさっさと着替えに部屋までいく
扉を開けるとふとおかしなことに気がつく

血がないのだ
あの腐れ息子の
あの鉄臭いあの感じがない。
窓は締め切っているので臭いがこもるはずなのに、あの腐れ息子が自分で片付けたのか? だとしたらキモいなぁ
何て思いながら一二歩前に進むそこには綺麗な綺麗な白い絨毯がある

そう綺麗な白なのだ

私の部屋の床は白い絨毯が敷かれていて、腐れ息子が血を流した時に絶対に着いたはずなのに。血は一滴も見当たらない。白なのに血が見えない。
あの鮮やかなほどに赤い赤い血が
白い絨毯にまかれず

白い絨毯はただ、白さを守り続けていた。


…後で考えよう。遅れたらお寿司がなくなっちゃう…カッパ…

素早くクローゼットを開けて部屋着を用意する。しゅっポンポンと脱いでそいで着替える。

久しぶりのお寿司だなぁ~何て思って、何となく本当に何となく窓を見つめた。窓には腐れ息子が写っていた。

「!!!」

「やっと気づいたのかよ」

ドンクセー、何て言って私の勉強机に入れてある椅子に勝手に座った。
正しい座り方じゃない、正面の椅子に対してわざと体を反対にして腐れ息子は跨いで座った、もたれる部分に顎を乗せ私を見つめてくる

腐れ息子はもっとピリピリしてて私に対してはいつも 「オラ」だの「ぁアン?」だの変な語尾をよくつけるのに
何だこの腐れ息子?
何だがいつもの腐れ息子が何なんだ
と言いたいぐらい、目の前のこいつはただただ静かにこちらを見ていた。

こいつは誰だ?
そして…











私はまだTシャツを着ていない。
私は今ブラだけの状態だ

腐れ息子の目は、バッチリとまだ成長途中で谷間が出来ていない私の胸へと注がれている。


腐れ息子はどうやら殺されたいようだ
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