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虜囚

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「由貴、逆に聞くけど、今までにイッた事ある?」


美智香は真剣な表情で由貴に質問した。


「えっ、何それ?」


「セックスてイケたことあるかって聞いてるのよ。」


「それは…」


「私は真弥君として、初めてイクって経験したの。
美沙もそうよ。」


「…」


「私、自分が淡白な女だと思って生きてきたの。
今までずっと。
興味もそんなになかったし、逆にそっち系の話する人を軽蔑してた。

でも、それは私が何も知らないで生きてきたから、そう思い込んでただけ。

恥ずかしげもなく言わせてもらえれば、こんなに気持ち良くて最高な行為はないって気付いたの。
仕事が全てっていう価値観を持ってた私の心を根底から変えるくらいにね。

私は毎日真弥君とヤッてるし、休みの日なんて朝から晩までヤッてる。
それでも全然飽きないし、日に日に良くなっていってる。

どんな恥ずかしい事を要求されても平気で出来るし、自分からしたいって思えるようになった。

だから、周りから何と言われようと、もう止まらないのよ。」


「…

美沙もそうなの?」


「うん。

私もイクってのがどういうのか知ったのは翔クンが初めて。

四十二になるまで一度もイッたことなんてなかったのに、本当の私はすごくイキやすかったみたいで、一晩に多い時は二十回くらいイッてしまうの。

そうなったらもう冷静ではいられないのよ、ユキ」


「…」


「ごめんね、ユキ

あなたの言う事は正しいと思うし、以前の私なら当然賛同していたわ。

でも、もうダメなの‥

毎日、セックスの事で頭がいっぱいで、他の事には全然身が入らないし、関心も薄れてるの」

美智香は切実な思いで、由貴に自らの状態を説明した。


「わかったわ。
私には二人の話について、全然理解出来ないけど、口を揃えて言うからには、二人にとってはそうなんでしょうね。

そこを当事者でもない私がとやかく言える事じゃないよ。」


「ごめんなさい…」

美沙は由貴に謝り、首を垂れた。


「美沙、私に謝る事なんてないよ。
いつもの明るい美沙に戻りなよ」


「ううん

私、明るくしてたのって、偽りの姿だっで事に気付いたの。

本当の私っていつもメソメソしてて、ドMなのよ。

今更ながらに気付いたわ。」


「ドM?」


「うん、超ドM」


「えーっ、イメージ崩れるわ

美智香はSだよね?」


「私もドMです」

美智香も美沙に賛同し、恥ずかそうに言った。


「うーん…

まあいいわ。すっかり二人の性格が変わっちゃったけど、親友には変わりないし、これからも仲良くしようよ。」

最後は由貴が完全に折れて、その場を締めた。
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