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姦しい
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須藤由貴と春川美沙は美智香の大学時代の友人で、卒業後も仲良くしていた。
しかし、美智香が就職で東京を離れ、それぞれが結婚すると、段々疎遠になり、由貴と美沙には子供が出来た事と、美智香が仕事に没頭するようになってからはその傾向に拍車がかかってしまっていた。
こうして何年か一度に三人で集まることを約束していたが、美智香一人が忙しくなってしまい、三人揃って会うのは何年ぶりかであった。
気持ちだけは若い三人は、フランス料理がメインのカジュアルな洋風居酒屋で、若い人たちに混じって、久しぶりの再会を喜んでいた。
三人は学生時代こそ美人トリオとして名を馳せていたが、月日の流れは残酷で、加齢による劣化は顕著だった。
美沙と由貴の二人は出産も経験し、体のラインも崩れ気味で、ここに来て美智香との差が出てしまっていた。
「美智香、ホント久しぶりよね!
五年ぶりくらい??」
「そうだね。
前の時は私が東京に出張で来た時だから、いやいや六年前だよ、最後にユキと美沙に会ったのって。」
「こことは年に一回か二回は会ってんだよ」
美沙はユキを指差して言った。
「でも、美智香が東京に住んでるとは知らなかったわ
早く言ってよ、もう」
「ごめん、ごめん
色々あってね」
「でも、前会った時、美智香
旦那さんが独立するって言ってて、自分も一緒に会社立ち上げに協力するって言ってたよね?
上手くいってるの?」
「上手くいってたら東京になんか出てきてないよ
まだ向こうにいるって」
「えーっ、ダメだったの?
てっきり会社が軌道に乗ってるとばかり思ってたわ」
「違うのよ
私、離婚したのよ。
それで会社の代表も辞任したから、今どうなってるか知らないのよ。」
「えーっ、マジ?
美智香とあのイケメンの旦那さんラブラブだったじゃない!」
「いやいや、ユキちょっと待って
美智香の左手の薬指見なさいよ。
結婚指輪してるわよ。
私達をからかってんだよー」
と、美沙が言うと、美智香はバツの悪そうな顔で首を横に振った。
「違うのよ
離婚はしたんだよ、ホントに。
それから再婚したのよ。
だから指輪してるの」
「何何何~
怒涛の展開じゃないのよ。
潔癖真面目の美智香さんが、どういうこと?」
「こんな事言うの恥ずかしいんだけど、本当に心から好きな人と出逢ったのよ。」
「えーっ!美智香どうしたの!!
そんな事言うキャラじゃなかったのに」
「…」
「新しい旦那さんの写真見せてよ」
美智香は照れながらも、本心では二人に見せたかったので、夫婦でツーショットで撮ったものを選び、スマホの画面に大写しにして、二人の方に向けて見せた。
興味津々で覗き込んだ二人だったが、一瞬で固まり、言葉を失った。
「美智香…
この韓流アイドルみたいな子は誰?」
「今の旦那」
「えっ、真面目に言ってる?」
「うん。真面目に言ってる」
「ちょっと待って。
この旦那さん?…歳いくつなの…」
「23だけど」
「23…」
二人は再び言葉を失った。
「あの、この子と結婚したっていうの?」
「そうよ」
「そうよって…
えーっ!そんなの犯罪じゃないの!」
「おいおい、人聞きの悪い事言わないでよ」
美智香への厳しい尋問が始まった。
しかし、美智香が就職で東京を離れ、それぞれが結婚すると、段々疎遠になり、由貴と美沙には子供が出来た事と、美智香が仕事に没頭するようになってからはその傾向に拍車がかかってしまっていた。
こうして何年か一度に三人で集まることを約束していたが、美智香一人が忙しくなってしまい、三人揃って会うのは何年ぶりかであった。
気持ちだけは若い三人は、フランス料理がメインのカジュアルな洋風居酒屋で、若い人たちに混じって、久しぶりの再会を喜んでいた。
三人は学生時代こそ美人トリオとして名を馳せていたが、月日の流れは残酷で、加齢による劣化は顕著だった。
美沙と由貴の二人は出産も経験し、体のラインも崩れ気味で、ここに来て美智香との差が出てしまっていた。
「美智香、ホント久しぶりよね!
五年ぶりくらい??」
「そうだね。
前の時は私が東京に出張で来た時だから、いやいや六年前だよ、最後にユキと美沙に会ったのって。」
「こことは年に一回か二回は会ってんだよ」
美沙はユキを指差して言った。
「でも、美智香が東京に住んでるとは知らなかったわ
早く言ってよ、もう」
「ごめん、ごめん
色々あってね」
「でも、前会った時、美智香
旦那さんが独立するって言ってて、自分も一緒に会社立ち上げに協力するって言ってたよね?
上手くいってるの?」
「上手くいってたら東京になんか出てきてないよ
まだ向こうにいるって」
「えーっ、ダメだったの?
てっきり会社が軌道に乗ってるとばかり思ってたわ」
「違うのよ
私、離婚したのよ。
それで会社の代表も辞任したから、今どうなってるか知らないのよ。」
「えーっ、マジ?
美智香とあのイケメンの旦那さんラブラブだったじゃない!」
「いやいや、ユキちょっと待って
美智香の左手の薬指見なさいよ。
結婚指輪してるわよ。
私達をからかってんだよー」
と、美沙が言うと、美智香はバツの悪そうな顔で首を横に振った。
「違うのよ
離婚はしたんだよ、ホントに。
それから再婚したのよ。
だから指輪してるの」
「何何何~
怒涛の展開じゃないのよ。
潔癖真面目の美智香さんが、どういうこと?」
「こんな事言うの恥ずかしいんだけど、本当に心から好きな人と出逢ったのよ。」
「えーっ!美智香どうしたの!!
そんな事言うキャラじゃなかったのに」
「…」
「新しい旦那さんの写真見せてよ」
美智香は照れながらも、本心では二人に見せたかったので、夫婦でツーショットで撮ったものを選び、スマホの画面に大写しにして、二人の方に向けて見せた。
興味津々で覗き込んだ二人だったが、一瞬で固まり、言葉を失った。
「美智香…
この韓流アイドルみたいな子は誰?」
「今の旦那」
「えっ、真面目に言ってる?」
「うん。真面目に言ってる」
「ちょっと待って。
この旦那さん?…歳いくつなの…」
「23だけど」
「23…」
二人は再び言葉を失った。
「あの、この子と結婚したっていうの?」
「そうよ」
「そうよって…
えーっ!そんなの犯罪じゃないの!」
「おいおい、人聞きの悪い事言わないでよ」
美智香への厳しい尋問が始まった。
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