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融和

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四人揃っての朝食‥
今まさに、その光景が智の目の前にあった。自分と夫と、夫の両親の四人で‥

智は不思議に感じながらも、何だか当たり前のような景色に見えた。


「トモ、サラダにはゴマドレでいい?」

律子が冷蔵庫を開けながら聞くと、トモも

「うん、それでいいよ。」

と、ごく自然なトーンで返事した。

驚いたのは博史と和俊だった。

「どうしたの?」

和俊は、思わず智に確認してしまった。

「えっ、何が?」

「いや、なんか、妙に打ち解けてるからさ。」

「和俊、私とトモはもう母娘なんだから、打ち解けるも何もないよ。

だよね、トモ」

「うん、お母さん」

智と律子は二人して笑い合って言った。




朝食の後、暫くして、二人は智の姉に会うために家を出て行った。

「いやあ、びっくりしたよ。
母さんと一体何を話したんだ?」

「お母さん、ワタシの事を受け入れて下さって、敬語も無しにしようって提案してくれたのよ。

だから、ワタシはお母さんて呼んで、お母さんはワタシをトモって呼ぶ事に決めたの。」

「ふーん‥
いや、俺としてはスゲー嬉しいけど、こんなに早くとは。」

「今日の晩、お風呂に一緒に入ろって言われたの。
だから、カズと入る約束はナシね。」

「えーっ、マジかよ
楽しみにしてたのに。」

「いいじゃないの。カズとはこれからいくらでも一緒に入れるんだから。

お母さんとお話してたら、ワタシの全部を見てもらいたいって強く思うようになったのよ。」

「まあ、いいけど。」

「カズの家のお風呂、大きいしね
楽しみだわ。」

「そうね。

あっ、そんな事よりトモのお姉ちゃんの方は大丈夫なの?」

「何が?」

「俺との結婚についてさ。」

「大丈夫だよ。
ワタシの今のこの姿も知ってるし、電話でもカズと結婚するって話をしてるから。

ホラ、あそこに立ってるのが、ワタシのお姉ちゃんよ。」

智は駅前に立つ細身の女性を指差しながら言った。
遠目からでもその美しさがよくわかる。


「なんか、緊張してきた‥」

和俊は表情を固くして、その方向を見つめた。
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