ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

文字の大きさ
上 下
271 / 399
road to lord

初詣

しおりを挟む
「この辺も人口減ったかなって思ったけど、人の出を見てみるとまだまだ沢山いるよな」


涼太は神社を行き交う人波を見ながら未来に言った。

「でも、ワタシも涼ちゃんも地元には住んでないんだし、ここに来てる人も帰省してる割合が多いんだと思うよ。」


「あ、そうか
そうだよな」


涼太は恥ずかしそうに笑った。


「ワタシ、この神社に来るのって久しぶりな気がする。

前に来たのは、たしか…」

未来はそれだけ言いかけて口を噤んだ。


そして、変な間が出来てしまったので、不審に思った涼太が

「ん、どうした?」

と、言って未来の方に視線を向けた。


「あ、いや…

今、高校の時の同級生二人とすれ違って…」


「えっ、そうなんか」


「うん。
向こうは気付かずに通り過ぎてったけど…」


「そりゃ気付かんやろ

俺でも気付かん自信あるわ」

涼太はそう言って笑った。


「なんか恥ずかしいから、気付かれないでよかった。」


「まあ、それだけ美人なら堂々としてりゃいいよ。」


「えっ、涼ちゃん

ワタシ、大丈夫かなあ…見た目」


「ああ。
めちゃくちゃ可愛いと思うよ。

多分、ここまでの女性は道歩いててもなかなかいないと思う。
マジで。」

涼太は真顔で言った。


「えーっ、ホントに?」

未来は顔を真っ赤にして言った。


「せっかく美人になれたんだから、これからの女としての人生、幸せになれよな。」

涼太は笑って言った。


「ありがとう、涼ちゃん…」

未来は感極まった様子で、泣きそうになった。


「おいおい、そんなので泣くなよ。」


「違うのよ。
ワタシ、女性ホルモン打ってて去勢もしてるでしょ

ホルモンバランスが崩れてて、すぐ泣いたり落ち込んだり、色々大変なの」

未来はそう言って泣き笑いした。


「大変だなあ。
女になるってのも」


「でも、幸せよ。
これがワタシがなりたかった姿だもん。」


「そうか。
それが一番だよな。

機会があったら、旦那さんにも会わせてくれよ。
未来ちゃんの事よろしく頼むって言いたいしな。」


「うん。
ワタシも会ってもらいたい。

お父さんとお母さんには、うーん…
会わせるのは無理だと思うけど」


「だから心配すんなって。

俺が話してやるからよ」

涼太は笑って未来の肩に手を置いた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

身体交換

廣瀬純一
SF
男と女の身体を交換する話

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

処理中です...