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代理戦争編
餌
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「この時勢に出所記念パーティーか。
能天気やと笑われたりせんか?」
組事務所に現れた庄山は、計画を告げた山崎に、やや不満げに言った。
「まあ、たしかにそうですが…
いつまでも何もせんとただ逃げてるだけではリスクが高過ぎます。
オヤジには囮になってもろて、誠に申し訳ないんですが
沢木組の威信をかけても、多村組は叩き潰さなあきまへん。」
「しかしやなあ、ワシを狙とるのは多村が雇た外人部隊やろ?
そんなん相手にせんでも、直接多村のタマ取ったらええんとちゃうか」
「もちろんそのつもりです。
ホンマの事言うと、オヤジの方は陽動ですねん
こっちにアイツらの関心を引き留めている間に、多村をやる算段です。」
「ほう、その多村をやるのは誰や?」
「多村組の構成員がその役目を担います。」
「なんや、裏切れっちゅーんか
その多村組の奴らに」
「まあ、多村ってのはムチャクチャな男ですから、造反が起きてもおかしくない状況ですわ。
造反組の大西と松山っちゅーのとも話しましたが、信頼しても大丈夫やと思います。」
「わかった。
垂水も動かんし、自分の喧嘩は自分でケツ拭かんとな。
ワシもこの世界で生きるもんとしてイモ引くわけにはいかん。
まあ、とことんやったるわ。」
庄山も覚悟を決めた。
その頃、亮輔は鷹村に教えられた多村の潜伏先とされるマンションの近くに車を停め、襲撃の機会を窺っていた。
(見張りの目を潜り抜けて、オヤジの元へ辿り着けたとして…それで、どうする?
脅して引いてくれる相手か?
いや、それじゃあ何の意味もねえ
殺す…
それ以外に道はない。)
本来なら多喜を救い出し、安全を確保した上で大西が合流。
どちらかが見張りを引き付けている間に多村を急襲するのが一番成功確率の高い作戦だった。
大西が捕えられた今、やはり一人でやるしかない。
沢木の手を借りずに、自分で落とし前をつけることが出来れば、これ以上大きな抗争には発展しない。
(正面突破しかないか…)
亮輔は車を降りて、多村がいるとされるマンションに単独で向かった。
能天気やと笑われたりせんか?」
組事務所に現れた庄山は、計画を告げた山崎に、やや不満げに言った。
「まあ、たしかにそうですが…
いつまでも何もせんとただ逃げてるだけではリスクが高過ぎます。
オヤジには囮になってもろて、誠に申し訳ないんですが
沢木組の威信をかけても、多村組は叩き潰さなあきまへん。」
「しかしやなあ、ワシを狙とるのは多村が雇た外人部隊やろ?
そんなん相手にせんでも、直接多村のタマ取ったらええんとちゃうか」
「もちろんそのつもりです。
ホンマの事言うと、オヤジの方は陽動ですねん
こっちにアイツらの関心を引き留めている間に、多村をやる算段です。」
「ほう、その多村をやるのは誰や?」
「多村組の構成員がその役目を担います。」
「なんや、裏切れっちゅーんか
その多村組の奴らに」
「まあ、多村ってのはムチャクチャな男ですから、造反が起きてもおかしくない状況ですわ。
造反組の大西と松山っちゅーのとも話しましたが、信頼しても大丈夫やと思います。」
「わかった。
垂水も動かんし、自分の喧嘩は自分でケツ拭かんとな。
ワシもこの世界で生きるもんとしてイモ引くわけにはいかん。
まあ、とことんやったるわ。」
庄山も覚悟を決めた。
その頃、亮輔は鷹村に教えられた多村の潜伏先とされるマンションの近くに車を停め、襲撃の機会を窺っていた。
(見張りの目を潜り抜けて、オヤジの元へ辿り着けたとして…それで、どうする?
脅して引いてくれる相手か?
いや、それじゃあ何の意味もねえ
殺す…
それ以外に道はない。)
本来なら多喜を救い出し、安全を確保した上で大西が合流。
どちらかが見張りを引き付けている間に多村を急襲するのが一番成功確率の高い作戦だった。
大西が捕えられた今、やはり一人でやるしかない。
沢木の手を借りずに、自分で落とし前をつけることが出来れば、これ以上大きな抗争には発展しない。
(正面突破しかないか…)
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