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鹵獲編
決意
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長いセックスを終えた二人は、ベッドの中で体を寄せ合い、ギュッと抱きしめ合った。
「薫、ホント最高だわ。
愛する人とするエッチってこんなに気持ちいいんだな。」
「ワタシもすごーく気持ちよかった。
まさか、出ちゃうとは思わなかったけど」
薫は恥ずかしそうに笑って言った。
「うん、イクときの薫、めっちゃ可愛かった」
「ヤダ、もう
恥ずかしいよぉ」
「なんかさあ、俺、すげー幸せだよ。
こんなに幸せでいいのかなって思うくらい。」
「真ちゃん、それはワタシのセリフだよ。
ワタシみたいな人間のこと、好きになってもらえて本当に幸せ。
考えただけで泣いちゃうもん」
「大げさだなあ」
多喜はクスリと笑いながら言った。
「ホントの事だもん。」
「薫、俺、ぜったい幸せにするから。」
「うん。今も幸せすぎるから、これ以上のは想像出来ないけど。」
薫が答えると、多喜は何かを思い出したように言った。
「あ、そうだ。
今日さあ、専務に組を抜ける話をしたんだよ。」
「えっ、そうなんだ」
「好きな人が出来たから、もう危ない事はしたくないって言ってさ。」
「えーっ!ワタシの事言っちゃったの!?」
薫はびっくりした様子で、多喜の顔を見つめて言った。
「そりゃ言うよ。ホントの事だし。
それに、俺、前に言ってたじゃん。
親友がニューハーフになったって。それって、ウチの専務の事なんだ。
でも、専務は元々そういう気持ちは持ってなくて、オヤジの愛人に手を出した罰で、無理矢理ニューハーフにされたんだけど。」
「ええっ!そんなことが‥」
「でも、今は開き直ってるだけかもしれないけど、女としての人生を楽しんでて、フツーに男の人が好きなんだって。」
「へえ‥
ワタシの感覚で言うと、そういう事があるなんて思えないけどなあ。
元々男性として、何の疑問も持たずに生きてきた人なら、性志向が変わるなんてことはあり得ないはず。」
「そっか。そういうもんなんだな。
あ、話は戻るけど、組を抜けるって話して、まだオヤジ‥いや、社長には伝えてないけど、出来る限り早く辞めるよ。」
「ごめんね、ワタシのために‥」
「勿論、薫と幸せになる為に辞めるっていうのが第一なんだけど、これからまた抗争が再燃しそうな気もするし、俺自身がヤクザに向いてないってのもあったから。」
「抗争?
もう沈静化してたんじゃないの?」
「表向きはね。でも、今回、三宅組を多村組が吸収合併したら、間違いなく荒れるよ。」
「三宅組って、あの三宅組?」
「そう。なんでも、あそこの組長が引退して、多村組に譲渡するって話だ。
沢木組にとって厄介な話だろ?」
「そうだね。なんかややこしくなりそう。」
「まあ、例のウチの社長から逃げた愛人の件は、今のところ沢木組に守られてるみたいだから、簡単に手出しできないとは思うけど。」
「そうね‥」
「でも、居場所がわかったみたいな事を言ってたから、安心するにはまだ早い。
薫も、まだ沢木で連絡取り合ってる人がいるなら、注意喚起しておいてよ。」
「わかった。そんな事で抗争になるなんてバカバカしいもんね。」
薫は多喜の胸に頬を擦り寄せながら、そう呟いた。
「薫、ホント最高だわ。
愛する人とするエッチってこんなに気持ちいいんだな。」
「ワタシもすごーく気持ちよかった。
まさか、出ちゃうとは思わなかったけど」
薫は恥ずかしそうに笑って言った。
「うん、イクときの薫、めっちゃ可愛かった」
「ヤダ、もう
恥ずかしいよぉ」
「なんかさあ、俺、すげー幸せだよ。
こんなに幸せでいいのかなって思うくらい。」
「真ちゃん、それはワタシのセリフだよ。
ワタシみたいな人間のこと、好きになってもらえて本当に幸せ。
考えただけで泣いちゃうもん」
「大げさだなあ」
多喜はクスリと笑いながら言った。
「ホントの事だもん。」
「薫、俺、ぜったい幸せにするから。」
「うん。今も幸せすぎるから、これ以上のは想像出来ないけど。」
薫が答えると、多喜は何かを思い出したように言った。
「あ、そうだ。
今日さあ、専務に組を抜ける話をしたんだよ。」
「えっ、そうなんだ」
「好きな人が出来たから、もう危ない事はしたくないって言ってさ。」
「えーっ!ワタシの事言っちゃったの!?」
薫はびっくりした様子で、多喜の顔を見つめて言った。
「そりゃ言うよ。ホントの事だし。
それに、俺、前に言ってたじゃん。
親友がニューハーフになったって。それって、ウチの専務の事なんだ。
でも、専務は元々そういう気持ちは持ってなくて、オヤジの愛人に手を出した罰で、無理矢理ニューハーフにされたんだけど。」
「ええっ!そんなことが‥」
「でも、今は開き直ってるだけかもしれないけど、女としての人生を楽しんでて、フツーに男の人が好きなんだって。」
「へえ‥
ワタシの感覚で言うと、そういう事があるなんて思えないけどなあ。
元々男性として、何の疑問も持たずに生きてきた人なら、性志向が変わるなんてことはあり得ないはず。」
「そっか。そういうもんなんだな。
あ、話は戻るけど、組を抜けるって話して、まだオヤジ‥いや、社長には伝えてないけど、出来る限り早く辞めるよ。」
「ごめんね、ワタシのために‥」
「勿論、薫と幸せになる為に辞めるっていうのが第一なんだけど、これからまた抗争が再燃しそうな気もするし、俺自身がヤクザに向いてないってのもあったから。」
「抗争?
もう沈静化してたんじゃないの?」
「表向きはね。でも、今回、三宅組を多村組が吸収合併したら、間違いなく荒れるよ。」
「三宅組って、あの三宅組?」
「そう。なんでも、あそこの組長が引退して、多村組に譲渡するって話だ。
沢木組にとって厄介な話だろ?」
「そうだね。なんかややこしくなりそう。」
「まあ、例のウチの社長から逃げた愛人の件は、今のところ沢木組に守られてるみたいだから、簡単に手出しできないとは思うけど。」
「そうね‥」
「でも、居場所がわかったみたいな事を言ってたから、安心するにはまだ早い。
薫も、まだ沢木で連絡取り合ってる人がいるなら、注意喚起しておいてよ。」
「わかった。そんな事で抗争になるなんてバカバカしいもんね。」
薫は多喜の胸に頬を擦り寄せながら、そう呟いた。
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