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馴れ初め
しおりを挟む「ところで、お前らいつ付き合い始めたんだよ?」
「俺らか? 亮輔、お前が東京に出てったときさ。」
「俺が?」
「お前がいきなり消えちまったもんだから、コイツ落ち込んじゃってさ。毎日泣いてやがんのよ。で、俺が慰めてるうちに何となくな…」
「そうだよ~亮輔 !
フツー 私らには言って出て行くでしょ?」
「いや、なんか照れくさくてな。」
亮輔は頭を掻いて気まずそうな顔をした。
「今日さ、香織から電話があって、亮輔が帰って来たなんて言うもんだから、一瞬焦ったんだよ。
香織が心底惚れてたのを一番知ってたのは俺だからな。
お前について東京に行っちまうんじゃねえかって…」
「まさか、こんな風になってるとは思わなかっただろ?」
「ああ。香織の話を聞いても理解できねーに決まってるじゃんか。
この目で確かめるまで信じられなかったぜ。」
「でも、私は嬉しいよ。どんな形であれ、こうやって亮輔に会えたんだから。」
「俺もだぜ、亮輔。
なんつっても俺らは黄金コンビだからな。」
晃と香織は優しい笑顔で亮輔を見つめた。
「俺もこっちに帰ってきてよかった。
お前らに会えて、久しぶりに気分が楽になったよ。」
「そうだ!亮輔、久しぶりにあそこに行かねえか?」
「あそこって、港かよ?」
「あ~懐かしい!私も行くよ。」
「バカ、お前は妊婦だろうが。家でおとなしくしてろ。」
「香織、そうした方がいいよ。」
「そう言われるちゃうと、我慢するしかないよ…」
晃は車のキーを持って立ち上がった。
「よし、亮輔行くぞ。」
亮輔も頷いて立ち上がった。
「亮輔、また遊びに来てよね?私ヒマしてるからさ、いつでも構わないから来てね。」
「ああ。俺も暫くの間はこっちにいる予定だから、また来させてもらうよ。」
亮輔は香織の頭を撫でて笑うと、晃の後について部屋を出て行った。
エレベーターホールに向かいながら晃が亮輔に向かって言った。
「亮輔、久しぶりに見た香織はどうだった?」
「すっかり大人の女になっててビックリしたよ。」
「惚れたんじゃね?」
「いや、もうそういう感情は一切湧いて来ねえから。」
亮輔は淡々とだが、少し淋しげに呟いた。
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