ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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旧交

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晃と香織が住むマンションは、亮輔の家から車で二十分ほど走らせたところの少し郊外に位置していた。 

「なかなか良いマンションじゃん。」 

亮輔が感心しながら言うと、晃は首を横に振り 

「賃貸だよ。 
新婚だし、家賃補助が出てるからなんとかやっていけてる状態だよ。 
ガキが生まれたら、なんたら手当てっつーやつも出るだろうから、それにも期待してっけど…ま、ガキ育てんのにそれ以上に金かかるから全然足りねーだろうけどな。」 

そう言いながらエレベーターに乗り込み、六階のボタンを押した。 

「にしても、お前は立派だよ。 
その歳で家庭持って頑張ってんだから。 
それに比べて、俺ときたらヤクザになったかと思えば、今はこの通り、キンタマ抜かれて整形されまくってニューハーフだからな。」 

「まあ、そんな言い方すんなって。」 

晃は亮輔をなだめるように言って 、「瀬尾」の表札がある604号室の前で立ち止まり 
チャイムを鳴らした。 

すぐに香織がドアを開けて、晃と亮輔の顔を見て笑った。 

「いらっしゃい亮輔。さあ上がって。」 

亮輔は頭を軽く下げて、晃の後に続いて中に入っていった。 

既に料理の準備が八割がた終わっており、テーブルには料理が乗せられていた。 

「すげーな… 香織 、これ、お前が作ったのかよ?」 

亮輔が驚きの声を上げると 

「俺もこんなの初めてだ…」 

と、晃もポツリと呟いた。 

「元ヤンでもやればできるんだよ、亮輔。」 

香織は亮輔に自慢げに言った。 

こうして久々に三人が顔を合わし、思い出話に花が咲いた。 

だが晃と香織の関心は、亮輔の体の事で、事細かに説明を求められ、少し辟易とする亮輔だった。 

「ふーん… タマが無くなるだけで、そんな風になるのか… 胸はどうなってる?」 

「確か 
シリコンだったか… 
何かが入ってるのと、女性ホルモンの注射打ってたら、少しずつ膨らんできた。」 

「そっかあ、それで産婦人科に来てたんだ。 
顔は誰かモデルがいるの?」 

「この顔をした女に手を出したがために、オヤジからこんな目に遭っちまったんだよ。」 

「確かに美人だな。俺でも間違いなく手を出すだろうなあ。」 

「コラっ! アキラ、調子に乗ってんじゃないわよ。」 

それでも、気心の知れた人間と話せて、亮輔は心地良さを感じていた。
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