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追憶の章 魔女と聖女の始まり
18. 聖女ですが?
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18. 聖女ですが?
そう思いながらも私は再び魔法を詠唱し、攻撃に移る。
「爆炎魔法・バーニングフレア!!」
先程よりも更に巨大な炎の球を飛ばしてワイバーンに当てる。当たった瞬間、爆発が起きる。爆風と熱風で吹き飛ばされそうになる。
「やったか!?」
煙が晴れるとそこにいたのは無傷で佇むワイバーンの姿だった。え?効いてないの?嘘でしょ?あの火力でダメなの?
「ワイバーンは炎のブレスを吐きますから……属性が悪いのではないですか?水、氷魔法とかの方が良いかと」
「嫌よ!ガリ勉の魔法なんか使うか!」
「ガリ勉……?あ。ロゼッタさん。あなた頭悪そうですもんね?使えないのなら使えないと正直に言えばよろしいかと?」
「燃やすわよあんた!」
誰が頭悪いって!?絶対氷魔法なんか使うものか!これは私のポリシーなんだから!そのあとも魔法で応戦していくが、ワイバーンに致命傷を与えることが出来ない。
「ロゼッタさん。やはりもっと威力のある魔法じゃないとダメではないですか?」
「動きが速すぎて、詠唱できないのよ!」
「困りましたね。私のファランクスは物理攻撃や魔法攻撃なら防げるのですが……魔力の通っていない火炎ブレスは無理なので近づくのは危険ですし……」
そう言ってディアナは考え込むと手をポンッと叩く。
「火炎ブレスが来たら運が悪かったってことにしますか?」
「変な冗談言わないでよ!笑えない!」
「嘘です。ちゃんと考えますよ」
それからワイバーンの攻撃を避けつつ考える。
「あ。ロゼッタさん。少しだけ時間を稼いでくれませんか?いい方法を思いつきました」
「は?いいけど、あんまり長く持たないわよ?」
「大丈夫です。すぐに終わります」
私はワイバーンの動きを止める為、新しい魔法を詠唱する。この前買った魔術書に良さそうなのがあって良かったわ。
「炎拘束魔法・フレイムバインド!」
魔法を発動すると同時に、ワイバーンの周りに赤い魔法陣が無数に発生し、そこから炎の鎖が飛び出してワイバーンを拘束する。ワイバーンは身体を縛り付けているその炎の鎖をほどこうと暴れ始める。
「くっ……暴れるなって……ディアナ長くもたないわよ!」
「分かってます」
ディアナはそのまま走りだし、近くにあった大木を蹴って宙に跳びあがる。
え……まさか……
「沈むがいいです!」
そして強力なかかと落としをワイバーンの頭に決める。その一撃はワイバーンの脳天を貫き、地面に突き刺さるほどの衝撃を与えた。はぁ!?なんなのこいつ!?
「グギャアァァ!?」
「今です!」
驚いている場合じゃないわ。私は急いで魔法を詠唱する。そして、ワイバーンの頭の上に巨大な魔法陣が現れる。
「これで終われ!爆炎魔法・エクスプロージョン!」
私の叫び声と共に巨大な火柱が上がり、ワイバーンを飲み込んだ。凄まじい熱量により辺り一面が火の海になる。
「終わったかしら……」
しばらくすると魔法が収まる。そこには黒い炭となったワイバーンがいた。
「終わった……良かったわ」
するとディアナに頭を叩かれる。はぁ!?何よこいつ!
「痛いじゃない!何!?」
「やりすぎです。お肉食べれないじゃないですか」
「お肉と命どっちが大事なのよ!」
「どっちもです」
この聖女めちゃくちゃなんだけどさ……ふと思い出したけどワイバーンにかかと落としするってなんなのよ。怖すぎるんですけど……
「護身術があって助かりましたね」
「あれは護身術じゃない。あんたジョブ格闘家なの?」
「……聖女ですが?」
私はため息を吐きながらディアナを睨む。もうこいつのことは気にしないで行きましょう……疲れるだけだし……
「戻ってお肉食べに行きましょ……それでいいわね?」
「まぁ……仕方ないですがそれで手を打ちましょう」
こうしてワイバーンを討伐して、街に戻り、ステーキを食べることにした。ちなみにディアナはステーキを5枚食べていた。食べすぎよ無表情聖女!
そう思いながらも私は再び魔法を詠唱し、攻撃に移る。
「爆炎魔法・バーニングフレア!!」
先程よりも更に巨大な炎の球を飛ばしてワイバーンに当てる。当たった瞬間、爆発が起きる。爆風と熱風で吹き飛ばされそうになる。
「やったか!?」
煙が晴れるとそこにいたのは無傷で佇むワイバーンの姿だった。え?効いてないの?嘘でしょ?あの火力でダメなの?
「ワイバーンは炎のブレスを吐きますから……属性が悪いのではないですか?水、氷魔法とかの方が良いかと」
「嫌よ!ガリ勉の魔法なんか使うか!」
「ガリ勉……?あ。ロゼッタさん。あなた頭悪そうですもんね?使えないのなら使えないと正直に言えばよろしいかと?」
「燃やすわよあんた!」
誰が頭悪いって!?絶対氷魔法なんか使うものか!これは私のポリシーなんだから!そのあとも魔法で応戦していくが、ワイバーンに致命傷を与えることが出来ない。
「ロゼッタさん。やはりもっと威力のある魔法じゃないとダメではないですか?」
「動きが速すぎて、詠唱できないのよ!」
「困りましたね。私のファランクスは物理攻撃や魔法攻撃なら防げるのですが……魔力の通っていない火炎ブレスは無理なので近づくのは危険ですし……」
そう言ってディアナは考え込むと手をポンッと叩く。
「火炎ブレスが来たら運が悪かったってことにしますか?」
「変な冗談言わないでよ!笑えない!」
「嘘です。ちゃんと考えますよ」
それからワイバーンの攻撃を避けつつ考える。
「あ。ロゼッタさん。少しだけ時間を稼いでくれませんか?いい方法を思いつきました」
「は?いいけど、あんまり長く持たないわよ?」
「大丈夫です。すぐに終わります」
私はワイバーンの動きを止める為、新しい魔法を詠唱する。この前買った魔術書に良さそうなのがあって良かったわ。
「炎拘束魔法・フレイムバインド!」
魔法を発動すると同時に、ワイバーンの周りに赤い魔法陣が無数に発生し、そこから炎の鎖が飛び出してワイバーンを拘束する。ワイバーンは身体を縛り付けているその炎の鎖をほどこうと暴れ始める。
「くっ……暴れるなって……ディアナ長くもたないわよ!」
「分かってます」
ディアナはそのまま走りだし、近くにあった大木を蹴って宙に跳びあがる。
え……まさか……
「沈むがいいです!」
そして強力なかかと落としをワイバーンの頭に決める。その一撃はワイバーンの脳天を貫き、地面に突き刺さるほどの衝撃を与えた。はぁ!?なんなのこいつ!?
「グギャアァァ!?」
「今です!」
驚いている場合じゃないわ。私は急いで魔法を詠唱する。そして、ワイバーンの頭の上に巨大な魔法陣が現れる。
「これで終われ!爆炎魔法・エクスプロージョン!」
私の叫び声と共に巨大な火柱が上がり、ワイバーンを飲み込んだ。凄まじい熱量により辺り一面が火の海になる。
「終わったかしら……」
しばらくすると魔法が収まる。そこには黒い炭となったワイバーンがいた。
「終わった……良かったわ」
するとディアナに頭を叩かれる。はぁ!?何よこいつ!
「痛いじゃない!何!?」
「やりすぎです。お肉食べれないじゃないですか」
「お肉と命どっちが大事なのよ!」
「どっちもです」
この聖女めちゃくちゃなんだけどさ……ふと思い出したけどワイバーンにかかと落としするってなんなのよ。怖すぎるんですけど……
「護身術があって助かりましたね」
「あれは護身術じゃない。あんたジョブ格闘家なの?」
「……聖女ですが?」
私はため息を吐きながらディアナを睨む。もうこいつのことは気にしないで行きましょう……疲れるだけだし……
「戻ってお肉食べに行きましょ……それでいいわね?」
「まぁ……仕方ないですがそれで手を打ちましょう」
こうしてワイバーンを討伐して、街に戻り、ステーキを食べることにした。ちなみにディアナはステーキを5枚食べていた。食べすぎよ無表情聖女!
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