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本編
-144- 劣等感 オリバー視点
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「なあ……トイレで何があったんだ?」
洗浄薬の準備をしていると、アサヒが背中越しに尋ねてきました。
まだ気にしていたらしいですね、普段強気に出るのに遠慮がちに聞いてくるので無視はできません。
まあ、強気に出られても到底無視など出来ないのですが。
「……まだ気になるんですか?」
「だって、今日変だったぞ?それくらいしか理由思い出せねーし」
「……え?」
変、とは?
情交が変ということでしょうか?
アサヒに対しては、いつも大切に丁寧に抱いていたはずなのですが……。
ですが、言われてみれば今日は理性的でないところが所々あったかもしれません。
アサヒはそんな私に対して、今日も本気で拒むことをしなかったので、つけ上がっている自覚はあります。
私の行為に対して、大抵のことなら受け入れてくれる───そんな気持ちがなかったわけではありません。
だからこそ、丁寧に、愛情が伝わるように抱いてきたはずです。
言葉でも身体でも体現していたつもりです。
……はずだとか、つもりだとか、言い訳がましいですね。
今日は、そこに“嫉妬”という醜い感情が少なからずあったことは自覚しています。
「何か、あなたの嫌がることを私はしていましたか?」
「や、全然。寧ろ……じゃなくてっ!」
もしそうだったらどうしたら……と思いながら尋ねると、すぐさま否定が返ってきました。
こんなふうに照れるアサヒも可愛らしい。
大胆だと思えば、私の表情や言葉、愛撫に素直に反応してくれる。
こうやって髪を梳くだけで、気持ちが良さそうな顔をしてくれます。
本当に可愛らしい。
「じゃあ何故?」
「お前がずっと引きずりそうだから」
「………」
アサヒが、まっすぐに私の目を見てそう答えてくれましたが、図星をさされた私は、すぐに返事を返すことができませんでした。
多分、いいえ、十中八九、思い出されるはずです。
何気ない会話の中で、ふとした瞬間に。
劣等感と嫉妬が入り交じる醜い心は、私の中に常にあり、普段はその身を潜めています。
行きつくのは、私の容姿とそれに見合わないほどの不器用さが原因です。
アサヒが私の不器用なところを含めて好きだと言ってくれても、やはり葛藤は起こる。
ないものねだり……なのかもしれませんが、他人に指摘されるとどうしても考えさせられてしまうものです。
それが、全く私に非がないならともかく、そうでないから尚更。
「他の奴のことずっと考えてるの、面白くねえもん」
「アサヒっ!」
ああ、アサヒは私を喜ばせる天才でしょうか?
本当に可愛らしい答えが返ってきて、私はそれだけで浮かれてしまいます。
「うおっ……待て、今日はもうやんねーぞ」
アサヒが慌てた様子で私の胸元を押してきます。
ここで私が本気で欲しがれば、口ではそう言いつつも流されてくれるでしょうね。
まあでも、声も枯れていますし、今日はたくさんいただきましたから大人しく引いてあげましょう。
「分かってますよ」
「……言って損した」
ほっとしたように腕の力を抜いて、私の腕の中で大人しくなるアサヒが本当に可愛らしい。
私にとってみればとても可愛らしい反応だったので、嬉しいだけでしたが。
「───で?」
「フレイの旦那さんにトイレで会ったんです。
それで、なんで好みの食事を偽っていたんだ、と。本当のことを言わなかったんだ、また彼を悲しませるのか、と言われてしまって」
「それでお前はなんて返したんだ?」
「偽ってはいない、と。ただ、言わなかっただけだと伝えました。私が極度の偏食だというのも伝えましたし、私が彼を振ったと思っていたようですね。私が彼に振られたんだということも伝えましたが、信じてはくれませんでした」
でもそれはしょうがないと言えばしょうがないのかもしれませんね。
誰だって、大切な相手を傷つけられた男は悪者です。
もし、アサヒの元恋人が出てきたとして、正しいことを言ってきても、私は耳を貸さないでしょう。
私の言い分など、全て言い訳に聞こえたと思いますし、あの彼は、私の話しを聞くことすら拒んでいたでしょうから。
「学生時代のフレイは、とても自信家で、我が儘な性格をしていました。
気に入れないことがあるとすぐに機嫌を損ねますし、結構な癇癪持ちで宥めるのが大変でした。
『こういうの好きでしょ?』と言われて、全く好きでないものを出されても、私は『ありがとうございます』とだけ返してきました。あの時は、それが一番良いと思っていましたし、その選択しか出来なかったんです」
それでも笑顔を見せてくれることもありました。
少なくとも、最初の3ヶ月は上手くいっていたはずです。
少しずつ、歯車がかけ違えたかのように狂い始め、最後にはバラバラと崩れました。
先に耐えきれなかったのは、フレイの方です。
振られたのは私で、先に愛想を尽かされたのも私です。
フレイの中の理想のオリバー様に、私は程遠い人間でした。
「それは、お互い様じゃね?
フレイさんだってお前のことをちゃんと見てなかったってことだしさ。
お前も正直に言えなくて向き合うことをさけちまったのは良くなかったのかもしんねえけど。
まあ、俺に対してはぜってーやってほしくないな」
我慢するな、と、本音で言えと、思ったことを言葉にしろ、アサヒは何度も言ってきます。
それでぶつかったとしても、愛想を尽かすことはない、と。
臆病な私を勇気づけてくれるだけじゃありません。
私そのものを受け入れてくれる、家族や友人はいましたが、恋人……ああ、もう夫夫ですが、そんなの、今までアサヒだけです。
「アサヒは外さないじゃないですか」
「今後外すかもしんねーじゃん」
「理想のオリバー様じゃなくて、私自身を見てくれているでしょう?」
「まあ……そりゃそうだけどさ」
「欠点だらけの私を知っても、愛想をつかすことなく傍にいてくれるのはアサヒが初めてですよ」
ようやく、私は心からアサヒへと笑顔を向けることが出来ました。
そんな私を目にし、アサヒはほっとしたような、柔らかな表情を浮かべてくれました。
「初めてで、最後な」
ああ、アサヒは本当に私を喜ばせる天才ですね。
「っ……はい」
甘くみずみずしい苺の香りに包まれて、私は心から幸せを噛み締めました。
洗浄薬の準備をしていると、アサヒが背中越しに尋ねてきました。
まだ気にしていたらしいですね、普段強気に出るのに遠慮がちに聞いてくるので無視はできません。
まあ、強気に出られても到底無視など出来ないのですが。
「……まだ気になるんですか?」
「だって、今日変だったぞ?それくらいしか理由思い出せねーし」
「……え?」
変、とは?
情交が変ということでしょうか?
アサヒに対しては、いつも大切に丁寧に抱いていたはずなのですが……。
ですが、言われてみれば今日は理性的でないところが所々あったかもしれません。
アサヒはそんな私に対して、今日も本気で拒むことをしなかったので、つけ上がっている自覚はあります。
私の行為に対して、大抵のことなら受け入れてくれる───そんな気持ちがなかったわけではありません。
だからこそ、丁寧に、愛情が伝わるように抱いてきたはずです。
言葉でも身体でも体現していたつもりです。
……はずだとか、つもりだとか、言い訳がましいですね。
今日は、そこに“嫉妬”という醜い感情が少なからずあったことは自覚しています。
「何か、あなたの嫌がることを私はしていましたか?」
「や、全然。寧ろ……じゃなくてっ!」
もしそうだったらどうしたら……と思いながら尋ねると、すぐさま否定が返ってきました。
こんなふうに照れるアサヒも可愛らしい。
大胆だと思えば、私の表情や言葉、愛撫に素直に反応してくれる。
こうやって髪を梳くだけで、気持ちが良さそうな顔をしてくれます。
本当に可愛らしい。
「じゃあ何故?」
「お前がずっと引きずりそうだから」
「………」
アサヒが、まっすぐに私の目を見てそう答えてくれましたが、図星をさされた私は、すぐに返事を返すことができませんでした。
多分、いいえ、十中八九、思い出されるはずです。
何気ない会話の中で、ふとした瞬間に。
劣等感と嫉妬が入り交じる醜い心は、私の中に常にあり、普段はその身を潜めています。
行きつくのは、私の容姿とそれに見合わないほどの不器用さが原因です。
アサヒが私の不器用なところを含めて好きだと言ってくれても、やはり葛藤は起こる。
ないものねだり……なのかもしれませんが、他人に指摘されるとどうしても考えさせられてしまうものです。
それが、全く私に非がないならともかく、そうでないから尚更。
「他の奴のことずっと考えてるの、面白くねえもん」
「アサヒっ!」
ああ、アサヒは私を喜ばせる天才でしょうか?
本当に可愛らしい答えが返ってきて、私はそれだけで浮かれてしまいます。
「うおっ……待て、今日はもうやんねーぞ」
アサヒが慌てた様子で私の胸元を押してきます。
ここで私が本気で欲しがれば、口ではそう言いつつも流されてくれるでしょうね。
まあでも、声も枯れていますし、今日はたくさんいただきましたから大人しく引いてあげましょう。
「分かってますよ」
「……言って損した」
ほっとしたように腕の力を抜いて、私の腕の中で大人しくなるアサヒが本当に可愛らしい。
私にとってみればとても可愛らしい反応だったので、嬉しいだけでしたが。
「───で?」
「フレイの旦那さんにトイレで会ったんです。
それで、なんで好みの食事を偽っていたんだ、と。本当のことを言わなかったんだ、また彼を悲しませるのか、と言われてしまって」
「それでお前はなんて返したんだ?」
「偽ってはいない、と。ただ、言わなかっただけだと伝えました。私が極度の偏食だというのも伝えましたし、私が彼を振ったと思っていたようですね。私が彼に振られたんだということも伝えましたが、信じてはくれませんでした」
でもそれはしょうがないと言えばしょうがないのかもしれませんね。
誰だって、大切な相手を傷つけられた男は悪者です。
もし、アサヒの元恋人が出てきたとして、正しいことを言ってきても、私は耳を貸さないでしょう。
私の言い分など、全て言い訳に聞こえたと思いますし、あの彼は、私の話しを聞くことすら拒んでいたでしょうから。
「学生時代のフレイは、とても自信家で、我が儘な性格をしていました。
気に入れないことがあるとすぐに機嫌を損ねますし、結構な癇癪持ちで宥めるのが大変でした。
『こういうの好きでしょ?』と言われて、全く好きでないものを出されても、私は『ありがとうございます』とだけ返してきました。あの時は、それが一番良いと思っていましたし、その選択しか出来なかったんです」
それでも笑顔を見せてくれることもありました。
少なくとも、最初の3ヶ月は上手くいっていたはずです。
少しずつ、歯車がかけ違えたかのように狂い始め、最後にはバラバラと崩れました。
先に耐えきれなかったのは、フレイの方です。
振られたのは私で、先に愛想を尽かされたのも私です。
フレイの中の理想のオリバー様に、私は程遠い人間でした。
「それは、お互い様じゃね?
フレイさんだってお前のことをちゃんと見てなかったってことだしさ。
お前も正直に言えなくて向き合うことをさけちまったのは良くなかったのかもしんねえけど。
まあ、俺に対してはぜってーやってほしくないな」
我慢するな、と、本音で言えと、思ったことを言葉にしろ、アサヒは何度も言ってきます。
それでぶつかったとしても、愛想を尽かすことはない、と。
臆病な私を勇気づけてくれるだけじゃありません。
私そのものを受け入れてくれる、家族や友人はいましたが、恋人……ああ、もう夫夫ですが、そんなの、今までアサヒだけです。
「アサヒは外さないじゃないですか」
「今後外すかもしんねーじゃん」
「理想のオリバー様じゃなくて、私自身を見てくれているでしょう?」
「まあ……そりゃそうだけどさ」
「欠点だらけの私を知っても、愛想をつかすことなく傍にいてくれるのはアサヒが初めてですよ」
ようやく、私は心からアサヒへと笑顔を向けることが出来ました。
そんな私を目にし、アサヒはほっとしたような、柔らかな表情を浮かべてくれました。
「初めてで、最後な」
ああ、アサヒは本当に私を喜ばせる天才ですね。
「っ……はい」
甘くみずみずしい苺の香りに包まれて、私は心から幸せを噛み締めました。
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