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ヤンキー達の宝物 3
しおりを挟むペロ、と小さく葵の舌が李一郎の唇を舐めた。
当たり前だけどさっきまで食べていた焼きそばのソースの味がちょっとするなと葵は思った。
「え?」
と李一郎が驚いて葵の両脇に手をついたまま身体を少し起こした。
「え?あれ…ちがった…?ごめん。」
自分の行動が間違ったか、と思い咄嗟に謝ってしまう。
そうだよな、なんでティッシュ取ってって言われてキスしたんだろう。
見上げた李一郎の顔がみるみる家に真っ赤になったので、葵の顔もつられて赤くなってしまう。
「あ……ち…違わない!………あのさ……葵君、俺、友達としての意味じゃなくてめっちゃくちゃ葵君の事好きなんだけど。」
「ひぇ…」
そうかもしれない、とは日々の接し方や誘い方で何となく感じていたけどいざこの体制で言われると動悸が激しくなった。
キスしたくせにどう答えたらいいかわからない。
「大咲君ちょっと手貸して。」
葵は李一郎の右手をぼこぼこと早鐘を打ちまくる自分の胸元に当てさせた。
「俺の心臓めちゃくちゃやばくない?」
うわ、もう何本当と言いながら李一郎は葵を抱きしめて首元に顔を埋めた。
「う~、頭回んない…カッコ悪い…何この状況……ちょっと本当…なんていうか…マジで葵君の事好きなんだよ、俺。
で、葵君と付き合いたいってずっと思ってるわけ。
葵君からキスしてくれたって事は葵君もって事なのかって。」
これでダメとか言われたら立ち直れる気がしないんだけど、と葵の耳元で言った。
葵も、高校生活ですっかり李一郎がそばにいる事が当たり前になって、それが心地よかった。
李一郎に休みに出掛けようよと誘われる度に、兄達に黙って行ってしまいたかった。
だけどいつもその前に藍や群青に勘づかれて「グレてた奴と遊ぶのはダメ」と強く止められてしまっていた。
その度に母さんが「いい加減にしてやんな」とは言ってくれてはいたけど、本当に行くなら俺らも行くからなと許されなかった。
『そろそろ葵も彼女つくりな』
と群青が言った時に葵は自分の中にある気持ちにしっかり気が付いてしまった。
彼女はいらない。
自分は明確に李一郎が好きだという気持ちだった。
「俺も大咲君の事好き。」
李一郎の耳元ではっきりと答えるとビク…と李一郎が震えた。
「葵君、俺と付き合ってくれるって事?」
李一郎が改めて聞いて来たから、葵はうん、と頷いた。
「やばい…嬉しすぎる…ちょっとごめんしばらくこのままで居させて…」
鼻血出たらどうしよ…と李一郎が苦しそうに言うからどうしたのかと思ったら、引くほど今勃ってるって言われたので葵は大人しくしている事にした。
気を紛らわせようと李一郎は独白を始めた。
中3のあの出来事から好きになって、仲良くなりたくて毎日話しかけても警戒されて。
話しかけてくうちにもっと好きになって…
勉強してこなかったからめっちゃやばかったのに勉強頑張って同じ学校行って、同じクラスになれて今までの学校生活本当に毎日嬉しいばっかりで。
中学でグレてたせいで休みは会えなかったのに、自業自得なのはわかってたけど断られるの毎回結構キツくて…ダメかもだけど初詣誘ったらいいよって返事くれて…浮かれすぎて待ち合わせの一時間前に着いちゃったし、待ってる時間も嬉しすぎたのに
会ったらびっくりするくらいイメチェンしてて。
今日葵君の事見てる女の子いっぱいいたの気が付いてた?
葵君の本当の姿自分だけが知ってたのに、葵君の事好きになる人絶対増えるって思ったらせっかく二人でいるのに落ち込んだけど葵君も俺の事好きなのわかってもう頭沸騰してる。
嬉しい。
葵は何だかたまらない気持ちになってちょっとだけ抱きしめ返すと、李一郎の身体が緊張したのが手に伝わってきた。
「ダメだ…本当ごめん、おさまらないから抜いてくる。部屋に居て。」
李一郎は「マジで自分に引く…せっかくなのに信じられないくらいダサい」と言いながら部屋から出ていった。
ソワソワと李一郎を待つ間、ブーンと葵のスマホが何度も震えた。
無視していたのだけど、何度も着信を告げてくるしこれは何か家であったか?と表示を見ると藍からだった。
{何処にいる?}
とメッセージが入ってて、群青からは{母さんがポロッと大咲君の名前言っちゃって藍がキレてる}と連絡が来た。
このまま放っておいたら群青は殴られるだろうし、藍は家を突き止めて乗り込んで来かねない。
藍に{もうすぐ帰るから}と返事を打つしかなかった。
暫くして李一郎が部屋に戻ってきたので家に帰ると告げた。
「藍君が大咲君と初詣行ったの知っちゃって怒ってるって…」
本当はもう少し一緒に居たかった。
「そっか」
李一郎は仕方ないよな、という表情をしながら顔を近づけてきた。
「キスしていい?」
うん、と答える前にもう既に唇は触れていた。
首の後ろにそえられた手の親指が短い毛の感触を楽しむように動く。
軽く唇を舐め合うだけのキス。
「む…大咲君歯磨きしてきた?」
「葵君ソースの味する。」
笑いながら再び顔を近づけて来たのを思わず葵は手で李一郎の唇をでガードしてしまった。
笑いながらごめんと言いながら手を退けられる。
「葵君お願いあるんだけど…。」
「何?」
「下の名前で呼んでよ。
大咲君じゃなくて、李一郎って呼んでほしいな。」
「練習する…」と返すと大咲君はキスした後に抱きしめて「うわー!呼んでくれるようになるまで家にに返したくない。」と呟いた。
*
家の前に着くと家の前で群青君がまっていた。
「君が大咲君か。」
「初めまして、大咲李一郎です。」
あの後、大さ…李一郎君の家を出る時に
李一郎君が「家まで送りたい」と言い出した。
怒られるかもしれないと言っても「もう怒ってるだろうし、学校で会えるけどこのまま二度と外で会うなってなるの嫌だし、葵君だけ怒られるのも嫌だから…家の前で帰るから。」
切実な表情で言われたらもうダメとは言えなかった。
電車にはほとんど人が乗ってなくて、降りるまでずっと手を繋いでいた。
下の名前で呼んでと言われてから大咲君、と呼んでしまうと電車の中でも道端でもキスされてしまった。
人がいなくて良かった…李一郎君こんな人なの…?
最寄りから家に着くまでそんなに距離が無いから並んで歩く。
空はもう暮れてきていて
自宅が見えてくると門の前でタバコ吸ってる群青君がみえた。
こちらを見て片手を上げた。
「藍君怒ってる…?」
「母さんがうっかり名前出しちゃったからその瞬間やばかったけどな。今は…」
ガチャ、と玄関のドアが開いて藍君が出て来た。
「おい群………」
目があった瞬間、藍君の顔が険しくなってこっちにズンズン向かって来た。
「おかえり、葵。」
おかえりと言いながらその目は李一郎君を睨んでいる。
「藍君…。」
俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でた後、李一郎君に近づいて行った。
「お前がオーサキ君か。」
はい、と李一郎君は藍君の目を見て答えた。
李一郎君、藍君よりちょっと背が高い。
「中学生の時は葵君煩わせてすみませんでした。
今は学校でも仲良くさせていただいてますし、
今日からお付きいもしています。」
「おつ…??」
群青君が俺を見てくる。
藍君も目を大きく開けてこっちを見た。
その後上りなと藍君が家の中に李一郎君を連れて行った。
一触即発の空気にはなったけど、付き合ってるって聞いた瞬間怒気が削がれてハテナ状態になっており、年明け早々大乱闘を覚悟していたが誰も血を流さずに済んだ。
母さんは大崎君が昔の父さんの雰囲気あって最高って言ってる。
「そう~~~大咲君中学校の卒業アルバムで顔は知ってたけど、男前だねぇ~~~!パパもこんなだったぁ!」
李一郎は殴られるのを覚悟で家まで来た事を兄達から評価された。
「だからって葵に無理にエロい事したらシメるだけじゃ済まないからな。」
と藍が笑顔で李一郎に圧を掛けていた。
これに関しては李一郎君がというよりは俺が李一郎君に欲情する可能性が高い…気がする…。
と葵は思っていた。
*
俺達はなるべく、健全に健全にと努力したと思う。
本当に。
冬休みが終わって、学校に行くとイメチェンし過ぎてクラスメイトから転校生だと思われていた。
あれ、鈴木君まだ来てない?とか言ってるクラスメイトもいた。
担任も「鈴木の席にいる君誰だ」って言って来た。
「鈴木です。」
というとクラスが騒ついた。
李一郎君はあーあって顔になってた。
「…今更誰かが葵君の魅力に気づいても、葵君は俺のなんですけど。」と休み時間に不機嫌そうに言ってた。
前に李一郎君に言い寄ってた女の子にも隙をついて「鈴木くんアタシとどう」みたいなのを言って来る事があった。
どうって言われましても俺はもう既にそういうのは李一郎君とだけしたくてしかたなかった。
煩悩と欲望に塗れた目で李一郎君を見てしまう。
兄2人から休みも会って良しの許しを貰ったのもあって、李一郎君の好きの感情を僕が急速に飛び越えて行ってる気がする。
好きな人と一緒に居るって、こんな大変な事になるのかと思った。
李一郎君と一緒のアルバイトしたりして、学校でも長期休みでもバイトでも一緒に居られる時間を増やした。
藍君と群青君が予定聞いて来ても「バイト」って返せるのは楽だった。
小遣いも増えるし。
シフト表冷蔵庫に張り出しておきさえすれば予定勝手に確認してくれるし。
ただ、2人で部屋にいると短い時間だけでもずっとやらしいキスしちゃう…
李一郎君に触りたい。
李一郎君もそうみたいで、キスする間中ぎゅうぎゅうに抱きしめて来たり身体を撫でて来るから2人とも勃っちゃうわけで。
学校や外だと流石に理性を総動員して平静を装ってるけど、誰も居ない瞬間とか2人きりになるとダメ。
隙間が無いくらいにくっついてたい。
触り合いくらいは許されるだろうって抜き会いはする。
エロい事すんなよって言われたけど、好意あるからどんどんやってる事エスカレートはしてる自覚はある。
李一郎も興奮してるし、俺も興奮するのにそういう時に限って、本当にどうなってるんだってくらいに藍君か群青君からタイミング見計らったみたいな電話来たりして最後までは出来てない。
…自分達の時は好き放題してたくせに。
まるで生殺しの青春。
とはいえ。
青少年は性少年、好きな相手とちょっとでもエロい事したい。
李一郎君は俺のちんこ触りたがるし舐めたがるし、俺もおなじだから李一郎君の舐めさせてもらう事がある。
「俺がしたい…」
その日は李一郎君の部屋でベッドに李一郎君座らせて、俺は李一郎君の足の間に座り込んでフェラした。
李一郎君のちんこ、俺のより全然デカい。
根本を掴んで、口に入るだけ入れて舐めたり吸ったり。
「葵くん…」
李一郎君の低い声が上擦ってて、大きい手が首や頭を撫でて来る。
李一郎君の指が触ったところが熱い。
腰がゾワゾワして舐めているうちに自分のちんこも勃ってて…
「ん…ん………ム………ん………」
チュクチュクと頭に舐める音が響く。
口の中に入れた李一郎君のちんこ舐め回すのと同時にちんこもってるのと反対の手で自分のちんこ触った。
「葵くん…で…る…から……。」
李一郎君の手が頭を離そうとして来るから、グッと顔を押し付けていく。
李一郎君がフェラしてくれる時、俺が出るって言っても口放してくれないもん。
「ちょ…!あお……い…!」
「ん…むぅ!!」
力の差で勝てるわけもなく、頭が引き剥がされる。
その瞬間、せめてもの抵抗に歯を充てないように李一郎君のちんこを強く吸った。
顔が離れる時に間張り出た部分が俺の上顎を撫ででいった。
一気にゾワゾワが増す。
「くっ……!」
口が離れた瞬間に顔に暖かい飛沫が放たれて、自分の下肢の昂りも爆ぜた。
「は…ぁ………あ…ふ………」
李一郎君が俺のフェラで気持ちよかったんだってわかって腰がヒクつくし、頭が痺れたみたいになった。
「ごめん…!!」
李一郎君が慌てた声出してる…お腹がゾワゾワする。
「は…はぁ……はっ…も……りいちろ…く……しよ………よ…ぉ…」
「あお………」
李一郎君が壮絶な色気を出す眼差しになった瞬間、床にあった俺のスマホが着信と振動で暴れて現実に戻されていった。
出掛ける時はスマホ音鳴る様にしておけよって言って来るから従ってたらこれだよ。
李一郎君と居るのがわかってるとちょっとでも無視するとすぐバイクで乗りんで来る。
何とか気を落ち着かせて出たのに『葵、ご飯前には帰ってこいよ』だって。
「メッセージで!!よくない!?」
高3にもなって!!何でこんな!!!
頭に来て李一郎君の精液顔についたまま泣きながら李一郎君に八つ当たりしてしまって、
李一郎君も興奮したのが一気に冷めてて俺の顔も丁寧に拭いてくれてちんこも綺麗にして仕舞ってくれた…
こんな事が続きに続いて…俺は男同士のセックスの知識を調べまくって知識だけ膨らんで経験の無い頭でっかち状態だった。
*
葵君と付き合ってから、葵君が俺に好意のアピールをしてくれるようになった。
中学生の頃からを考えると両想いが最高に嬉しい。
見た目のイメージが急激にいい方に変わった影響で葵君に好意的な声をかけて来る奴が増えた。
同じクラスでも以前は休み時間に俺から葵君のそばに行ってたけど、今は葵君からも来てくれる。
なるべく一緒に居るのに、隙をついて葵君にちょっかいをかけて来るのが居る。
しかも下心を全開にして。
葵君は全部断ってくれてるし、しつこく引かない奴には俺も怒った空気出してしまう。
葵君は俺のなの。
抱き着いてくれるし、抱きしめながら小さい尻を掴んでも怒られない。
李一郎くんやらし!と笑いながら言われる。
めちゃくちゃ可愛い…。
座って膝に乗せて抱きしめると、モジモジ腰を揺らし始める事があって、葵君が俺に欲情してるのわかってそれはもう、やばい。
「いつもよりちょっとエロい事していい?」と聞くと期待に満ちた眼差しで頷いてくる。
葵君は俺の知る限りこういう経験はゼロの筈。
俺の与える全てが葵君の経験になっていく。
小さい頃に兄達2人にキスはいっぱいされたみたいだけど、性的な意味が無いからそれもゼロカウント。
こないだは葵君に顔射してしまった…
フェラしながら自分でちんこ弄ってたの後でわかってそんなん目眩するほどエロすぎて思い出して何回も抜いた。
欲情して熱に浮かされた目でもうしようって誘って来たのもやばかった…
「ン………」
口の中舐めながらベッドに一緒に寝転んで開襟シャツのボタンを外して、胸元を露わにして滑らかな肌に手のひらを押し当てて撫でる。
唇を離すと唾液が繋がって、葵君の潤んだ眼がこちらをみている。
指先に尖を捉えて押したり撫でたりを繰り返すと、次第に芯を持ち始める。
「李一郎…く…そこ…ジンジンする……」
「ジンジンする?」
「ン……」
聞き返して硬く勃ちあがった乳首に舌を絡ませると、葵君は息を飲んだ。
くぐもった声が上がり、堪える様な動きをみせる。
葵君のちんこ触ったらバチバチに勃ってた。
気持ちいいのわかってテンション上がる…こっちもめちゃくちゃ勃つ…
乳首構って気がそこに集中してる隙にズボンの前を解放させていく。
「ァッ…」
下着をずらすと反動をつけて葵君の遊んでない綺麗な色のちんこが出てくる。
ズボンもパンツも脚から抜き去って竿を握り込んでこすると透明な液が先からとめどなくでてくる。
「…ッ……!!」
身体を下へとずらし、腿を抱えて葵君の股間に顔を埋めた。
葵君のだから舐めるの無理とか最初から全然なかった。
他の男相手にして舐められるか想像すると吐きそうになるけど。
誰の事も知らない葵君のちんこ。
口の中でビクビクと震えてる。
形を確かめるみたいに愛撫し、感じるところを重点的に吸ったり舌で責める。
葵君の手が頭を撫でて来る。
「りいちろ………く………!だめ!!も……でる……!」
葵君の焦った甘い声。
慌てて頭を退けようとする手を掴んで止める。
葵君の細い腕で俺に勝てるはずもなく。
「り…いちろ………く………!!」
行動を制限されて葵君の甘い声が増す。
舌を這わせ、吸いつきながら頭を上下させると、耐え切れずに葵君が射精した。
「うぁ………あ………ぁ………あ……は………!」
葵君のお腹ヒクヒクしてる。
竿の中の残滓を残さない様に吸い上げた。
「ぅ……ン!」
出されたものを飲み込んで、ペットボトルのお茶で軽く流し込んだ。
俺のベッドで脱力してる葵君最高すぎるな…。
脱がせた下を履かせて隣に寝転んでくっついていると、葵君がキスをしながら「俺も李一郎くんの触る」とのしかかって来たところでお兄さんからのメッセージが入った。
これを無視すると猛烈な着信の後に乗り込んで来る可能性がある。
俺はもうこういう空気になった時、あの2人の謎の妨害能力が必ず発動すると思ってる。
とはいえエロい事はできるとこまでする。
だけど、葵君はそれがもう我慢の限界に達し始めている様で、
「もう俺…兄ちゃん達嫌いなりそう。」
と葵君が苦しそうに言った。
ギュッと抱き締めると葵君はびくりと身体を震わせた。
「2人は葵君が心配で仕方ないんだよ。」
李一郎君、俺以外の人のとこに行っちゃったらどうしよう…と葵君が落ち込んだ様に小さく呟いた。
「え!絶対無いよ!無い無い!」
とすぐに言ったけど、葵君の中で膨らんでしまった不安はその後も燻り続けている様に思えた。
強めに抱き締めると葵君はそれに応えるみたいにぎゅうぎゅうにしがみついてきた。
…葵君めちゃくちゃ俺の事好きじゃん…最高…
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