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推しが振り向くなんて事。
しおりを挟む僕、天城敬一には推しが居る。
人生で1番大好きで、ずっと想ってる推し…
が………
起きたら知らない大きいベッドの僕が寝てる隣で圧倒的に事後の空気出して寝てる…
待ってこれはダメだろ…しかも裸だし僕の腰とお尻に違和感が凄すぎて完全にこれはヤッてしまってる…どうしよう…
何度寝顔見てもソックリさんじゃないこれ本人だ…
ここ…どこ………
見る限りラブホみたいな雰囲気じゃない…
僕はこの状況に耐えきれずに手早くみなりを整えて脱兎の如く部屋から逃げ出した。
椅子の上に畳んだ服と鞄が置いてあって助かったけど…僕のせいで酷い見出しのスキャンダルが出たらどうしようとか想像してしまって血の気が引く。
そんなの出たら耐えられなすぎる…!
幸いオートロックだったから僕が出ていっても鍵は勝手に閉まった。
にしても高層マンションの一室だしホテルじゃない!どこなのここ!!!
エレベーターもどこ!?
え…待ってよもしかしてさっきの部屋自宅!?
僕もう本当に何してんの!!!!
エレベーターに何とか辿りついて慌てて走りでて監視カメラに不審者みたいに映らないように歩いて出てた。
エントランスから出て振り返ったら巨大なマンションで血の気がどんどん引く気がした。
外に出てスマホの地図で最寄り駅検索をして見たら都内の一等地だった。
駅に着いてロータリーのベンチに座ったらちょっと落ち着いて来たけど…
なんでこんな事になったか徐々に思い出して来たぞ…
うわぁあああ…!恥ずかしくて死ねる…!!
そして大後悔して胸が騒ついて奥歯を噛み締めた。
スマホの時計を見るとまだ始発が出る迄は時間があった。
*
僕は都内のデザイン事務所で働いてる。
小さい会社ではあるけど、社長兼メインデザイナーの中野さんのセンスが良くて仕事はいつも切れた事ないしやる事は多いけど、時々無茶なクライアントが来たとしてもそれぞれ能力値が高いから、少ない人数でも酷い残業とかも無くて楽しく働いてる。
中野さんは僕の事可愛がってくれてて、いつもご飯食べに連れていってくれたりしてる。
もしかしたら他の社員さんは家庭があって、僕が一番歳下で一人暮らしだからって言うのもあるかもしれないけど…
「敬ちゃんなんか弟構ってるみたいで可愛いからさぁ~。」
といつも言ってくる。
中野さんは兄弟が多く、10歳離れた末っ子が居るって言ってた。
末っ子と仲良いのか聞いたら「全然」って返ってきた。
飲み屋さんとかで色々話してるうちに、僕の事を色々聞いてくるから自分の好きな物とかを話した。
「敬ちゃんなんかそのロゴ持ってるものにいつもついてない?」
僕には中学の時にテレビで一度観てそこからずっと推している推しが居る。
【鉄の羊】っていうバンドのキーボードをやってるキュージ。
本名は井垣球児、お父さんが大の野球好きでつけられたけど本人は全く興味出なかったってインタビューで読んだ。
父親に無理矢理キャッチボールに付き合わされてムカついたから思いっきり胴体に向かってデッドボール当てたら無理強いされなくなったって。
今は年齢公表してないけど、過去の公式の年齢が本当なら今31歳。
信じられないくらいに美丈夫。
鉄の羊のメンバーはボーカルのイリヤ、
ギターのアキフミとテツヤ、
ベースのヒサヒト、
そしてキーボードのキュージ。
キュージはメンバーの誰よりも背が高くて体格も大きい。
目元がスッと切れ長で顔もかっこいい。
憧れすぎてああなりたいとかは全くない。
まず人種が違いすぎる。
魔法みたいに指が正確に鍵盤を叩いて、めちゃくちゃ痺れる演奏する。
MCでイリヤが弄っても鍵盤で応えたりして殆ど喋らない。
だけど時々、低めの凄くいい声で自己紹介する事がたまにあって、僕はそんなキュージの姿も顔も声も大好きだ。
中学生の時は成人してたお姉ちゃんに頼んでライブに一緒に行ってもらったりして通った。
お姉ちゃんはイリヤとアキフミ推してたし、嫌な顔一つせずに一緒にハマってくれた。
「敬、キュージのポジションでチケット取れたよ!」
って神席を引き当ててくれたりした。
そこから9年、僕は23歳になった今でもどんどん凄くなるキュージの演奏を追いかけてる。
最近はテレビに出なくなったけど、人気が無いわけじゃなくて、サウンドが分厚くて聞きごたえあるから海外でも人気出ちゃって海外ツアーとかに行っちゃうし、日本でやるライブも会場どんどん大きくなるし、ファンクラブにもずっと入ってるけどチケ運無くてステージから遠い席ばっかりだけど、ちょっとでもキュージの演奏が生で聴けたらいい。
ネットには時々駅とかに置いてあるピアノ弾いてる動画とかもあって、見てて気が付いたら朝になってたりするんです。
って言うのを中野さんに酔っ払って話していたら、こないだ中野さんがいきなり「黙ってたけど俺イリヤの高校の先輩だよ」とか言ってきた。
多分居酒屋さんで人生でこんな大声出した事ないくらい大きな声でた気がする。
「なんだ敬ちゃん大きい声でるんじゃん。」
と中野さんが笑った。
キュージの事は大好きだけど、イリヤのボーカルは絶対欠かせない。
鉄の羊のメンバーは誰一人として欠けてはいけないと思ってる。
学生の頃のイリヤのヤンチャぶりとかいっぱい聞けた。
自転車で3人乗りして警察に怒られた話とか、
近所で飼育されてた牛のお尻の毛をバリカンで刈って怒られた話とか。
「イリヤはステージ上ではあんなスカしててファンにきゃーきゃー言われてるけど今でも根っこはそんなんだよ。
学生の頃カラオケ行くと歌うますぎてドリンク持ってきた店員がイリヤが歌い終わるまで出てかなかったことあったな。」
キュージはイリヤがキュージの所属してたバンドの演奏みて一緒にやりたいって引き抜いてきたメンバーだ。
2年くらいイリヤにダル絡みされて仕方なく入りましたって真顔で深夜番組で答えてた。
俺は中野さんの話をニコニコしながら聞いてた。
「敬ちゃん今日君は僕と飲みに行くよー、恵比寿のここの店、7時半に中野で予約してるから先に店入っててー。」
「わかりました。」
中野さんは打ち合わせあるからちょっと遅れるかも、って言ってたので僕は素直に指定された店に行ったら、案内されたのが4人が入れる個室で、スライドのドアついてて完全に他の客席から隔離されるような席だった。
いつもはカウンター席ばっかりだったのに、こないだ僕が大声出しちゃったからかな…申し訳ない事をした…
掘り炬燵席の角で、床がくり抜かれてる中に足をいれて待機の姿勢を取る。
スマホで店に入った事を伝えると、中野さんからすぐ行くって返事返って来たと思ったら。
「お待たせー!」
って突然席のドアが開いたけど、中野さんの声じゃないし中野さんじゃなかった。
え、部屋間違えて………
入ってきた人の姿見た瞬間に頭がフル回転し始めて変な汗が吹き出た。
え…ちょっとまって…………
「あっは!敬一君固まっちゃった!」
笑いながら正面に座ったのは私服のイリヤだった。
変な汗がとまらない。
しかも入り口に目を向けたらヌ、って大きい人が入って来て僕は自分の口を押さえてしまった。
うそうそうそうそうそ!!!!!
もう鳥肌たつし汗止まらない所の騒ぎじゃない。
しかもその大きな人は僕の席の隣にスッとおさまってしまって、僕の退路断たれてるし中野さんが最後に入って来て僕にスマホ向けておどけながら「敬ちゃんサプライズ成功~!」とか言ってるしもう正面向けないし左横は特に見れない。
テーブルの角をじっと見てしまう。
「あれ、敬一君動かなくなっちゃった。おーい。」
ひぃ…イリヤがいい声で構ってくるし名前呼んでくる…
ひぃ……!キュージが肘で突いてくる!!
大袈裟な程身体が跳ね上がって耳がカッと熱くなった。
うわぁ…左があったかい…ゼロ距離にキュ…………キュージ………!!!
いい匂いする……!
「敬一君オモチャみたい…」
「なぁ!可愛いだろ?」
イリヤと中野さんがケラケラ笑っている。
今まで誰にも言ってない事が一つあって、僕はキュージに対していわゆるガチ恋をしてる。
だから自慰をする時もキュージの写真とか見ちゃうし、キュージにされてるの想像して後ろ弄ってしてるから…その本人が隣に居るって…もうなんか………居た堪れなくてごめんなさいしか出てこない…
スマホ両手で握りしめてるから、スマホの背面がイリヤに見られてるし……ケースがツアーグッズだし………
チカ…となんかのメルマガが来た通知で画面が一瞬明るくなって、ロック画面にキュージが表示されてしまった。
こんなタイミングで…!!!
「あ、俺。」
って横からキュージが言ってくるからもうなんか堪らなくなって更に俯いてしまう。
しかもなんかイリヤがスマホずっと向けてくる…
「敬ちゃんめっちゃ固まっちゃったわ。
ごめんごめん。
イリヤに連絡したらヨーロッパツアーから帰って来てオフあるって言ってたし、こないだ敬ちゃんが酔っ払った時に好き好き言ってたからさぁ。
イリヤに伝えたら会いたいっていうし、キュージも来れるっていうからさ…アッ」
中野さんが話してるうちに、信じられな過ぎてぼたぼた涙が出て来てしまった。
「先輩俺らのファン泣かすなよぉ!
敬一君めっちゃ可愛いな!あははははは!」
ってイリヤが声出して笑いながらあたま撫でてくるし、せ…………背中をキュージがとんとんしてくるから
「ほんとにすきなんですぅ………」
って感極まりすぎてやっとのところで声を絞り出した。
キュージ…手が大きい…
もうなんかその後はひたすらモジモジしてた気もする。
中野さんが何言っても声が出せずに何か聞かれても机の角を見つめて頷いていた。
「敬ちゃんとりあえず酔っ払っとこか!」って中野さんが酒を勧めてくる。
キュージが僕のグラスにワイン注いでくるから「推しの注いだワイン…」とか言っちゃってもうなんか自我がどんどんおかしくなった。
イリヤが「敬一君本当に成人してんの?」とか聞いてくるし…
触ってしまわないように席の隅に身体を寄せていってるのにキュージがぐいぐい距離詰めてくるし…もう僕壁に肩当たってる…
酔いが回りはじめた来た頃にやっと隣にいるキュージの顔をまともにみれた。
目が合うたびにニコッてしてくれる…
うわぁあああかっこいいいい…!こんなの無理ぃ…
あぁ…本当にこの人何処を切り取ってもカッコよくて好き。
中学生の時に初めてライブに行けた時は最前列のキュージが真正面で観れるポジションで。
そこでキュージの演奏生で聴けたのが夢みたいだった事とかを話した。
時々、鍵盤とツインギターでバトルするみたいな演奏する事があって、それも凄く好きだし、イリヤがバラードで鍵盤だけの演奏で歌うのも好き。
「鉄の羊は僕の人生の好きの全部だし、キュージは僕の中で魔法使いみたいな存在ですぅ。」
って本人前にしてヘラヘラ笑いながら言ってしまえるくらい最高に酔っ払ってた。
イリヤが居るのにキュージの話ばっかりに途中からなってしまってたし…
その時に自分がどんな顔で話してたかはわかんない。
「敬一君かぁ~~わいい!スマホケースに貼ってあるステッカーは?」
ってイリヤが聞くから、
「あ、この『箱入りBOYZ』のやつはぁ…メンバーわかんない音楽ユニットなんですけどぉ…ピアノがキュージなんじゃないかって勝手に思っててぇ…
コーヒーのCMでかかっててぇ…曲と演奏がキュージの作った曲の雰囲気あるなって思って好きで追っかけてるんですぅ…」
「…よくわかったね。」
って横からキュージが言って来た。
キュージの顔を見ると、
「謎の音楽ユニットってしてるから内緒だけど、俺のやってるやつだよ。」
って。
人差し指唇にあてて内緒ねってやってきた。
はぁい!絶対誰にもいいませぇん…!
僕は自分の耳が正しかった事が嬉しくてにやけてしまっていた。
問題はそこからだよ。
なんかもうよってたかって3人が更に酒を僕に勧めてきた。
中野さんは「啓ちゃん本当にいい子でさー」ってイリヤとキュージにずっと言ってるし。
いやいやそんな、と否定しながらも僕はどんどんずうずうしくなって来て、イリヤにもどんどん喋るしキュージにちょっとくっついたりしてしまって。
好きな人がゼロ距離に居るんだもん…こんな事一生でもうないだろうし…
少しだけ…触っても怒られないよね…
「あれー、敬ちゃん眠い?」って中野さんが聞いて来て「大丈夫ですー」って答えたとこまでは意識あった。はず。
*
「しまった、嬉しそうにしてるから調子に乗って飲ませ過ぎた…いやさ、敬ちゃんこんなんだから本当に可愛くてさぁ、よく働くしカンがいいし声は小さいけど人懐こいからよく飲みに連れ回してんだけど、ウチきた時からずっと持ち物のどっかにお前らのバンドのなんかつけてて。
自分から全くアピールして来ないし。
こないだ飲んだ時につついたら本当に好きって言うの嬉しそうに言って来たんだよなぁ、あんまりに熱心にお前らがどんだけいいか喋ってきてさぁ、キュンときておじさんが一肌脱ぎたくなるのわかるくらい可愛いだろ。
あーあー、キュージにベッタリもたれて幸せそうにまぁ。」
中野が立ち上がって敬一を起こそうと動くのをキュージが止める。
敬一が手に持っているグラスの中身が溢れる前に取り上げた。
「ウチここから近いから介抱してから返しますよ。」
「お!マジか。
助かるけど…ブフッ啓ちゃんおったまげるだろうな」
「先輩めっちゃくちゃ面白がってる悪い顔になってるじゃん。」
「だってあんな緊張するほど推してる相手に介抱されたとか敬ちゃんパニック確定だろこれ。」
キュージが掘り炬燵席から脚を抜いて膝立ちになり、倒さない様に敬一の脇の下に手を入れる。
頭が揺れてふと敬一の目が少し開く。
「う…?」
「敬一くん、ちょっとごめんね、俺の首に腕まわせる?」
と聞くと、少しみじろいでから敬一がキュージの首に腕を伸ばした。
膝裏に腕を回して持ち上げると敬一は簡単にキュージに抱き上げられた。
「うわ、軽…これちゃんと食べてる?中野さんちゃんとしてあげなよ。」
「ブフッ!ククッこれ写真いっぱい撮っとこ。」
イリヤがスマホでキュージと敬一の写真を撮る。
中野もふざけてインカメで写真を撮っていた。
「キュージごめんね!敬ちゃんの事よろしく頼んだわ!なんかあったら連絡ちょーだい。
俺イリヤともうちょい飲んで帰るわ!」
中野とイリヤはタクシーを呼んで、キュージが敬一と乗り込んだのを見届けてから二軒目に消えていった。
*
「敬一くん。」
「う…ん………?」
額を撫でられた気がして敬一が目を開けると知らない部屋に居た。
頭と身体がふわふわしてるような、鉛みたいに重たいような。
「起きれる?水飲んどこうか。」
軽く上半身が起こされて、冷たいグラスを唇に当てられたので敬一は素直に水を飲み込んだ。
まだ酔いからは冷めていないのか、ぽやんとした眼差しでキュージを見ている。
唇が濡れて顎に水が垂れそうになっている。
キュージは敬一が言っていたライブの事を覚えていた。
1番前の列で、柵を握りしめて女性客に混じって後ろから押されながらキラキラした目で自分の演奏を見ていた男の子。
大体のファンの視線がイリヤを追いかける中、その子だけはライブの間じゅうずっとキュージを見据えていた。
その目が印象的で、こんなに自分の演奏でこの子の心が動いたのかと感動した。
「…あれぇ?…キュージ……?」
状態がわかって居ない敬一の酔って甘えたような声がキュージの名前を呼んで、そっか夢か、と言いながら抱きついてきた。
「キュージ…好き…僕、キュージの事…誰よりも好き…」
ゾワ、と不思議な優越感が湧き上がる。
飲みの席ので隣に座った瞬間から、キュージは急速に敬一への興味が強くなっていた。
イリヤから「この子俺らのファンだって」と言って写真を見せて貰っていた。
その時はふーん、としか思わなかった。
イリヤの先輩の中野の事はキュージもよく知っている。
外でファンと交流はしないでいたが、話を聞いているうちに会ってみたいと純粋に思っていた。
スマホの画面の中の敬一は中野と並んで随分小柄だな、とは思ったが、実際会ってみると自分より頭一つ背が低く、華奢で線が細く中性的な雰囲気を持っていた。
隣に座ってわざと肘を軽く当てるとびくりと身体を震わせてから直ぐに耳が赤くなってより俯いてしまった。
スマホのロック画面が見えた時、設定されている写真が自分だった。
アルコールが入ってからは「キュージが好きで」と自分に好意のある言葉ばかり言っていたのも素直に嬉しかった。
おとしたい、とキュージの中のオスが顔を出した。
話を聞いてる様子だと、敬一は相手が男でもいけるんじゃないかとおもった。
中野には悪いが、介抱すると申し出た時には既に酔ってる勢いに任せてなし崩しに抱こう、と思っていた。
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