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12 男の僕に母性なんてあるわけないだろう!?
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しおりを挟む閨の戯れ言じゃなく
本当に殺して欲しかった。
こんなものを見せられるくらいなら。
「ふぅっ、 ふぅっ、うぐぅッ、 ふぅっ、ん゛ふぅう゛ッッ」
ぼろぼろと大粒の涙がとめどなく溢れて止まらない。
垂れてくる鼻水をずびずびと情けなく啜りながら、声を漏らさないようにと必死に両手で口元を覆い、無機質なシリコンをギチギチ噛み締める。
この、永遠にも感じる時間───
あれから。
どのくらい時間が経ったのだろう?
僕の愛する夫が。
この世で最も大切な旦那様が。
僕以外の男の肛門に指を突っ込み掻き回してアナル開発する光景をクローゼットの隙間から延々見続けさせられてどのくらい経った?
『いいかい、りっちゃん。これから俺は、リュウに躾をする。躾は、リュウを正式に俺たちのペットとして迎えるために必要なことなんだ。リュウにとっても、俺たちにとってもね。だから君もきちんと見ておくんだよ。絶対に目を背けちゃ駄目。俺のこと愛してるなら、どんなに悲しくても、腹が立っても、目を閉じないで。俺が呼ぶまで外へ出てきちゃいけないよ。 俺を信じて、しっかり見ておいて。いいね?』
事後、ベッドにドロドロの体を投げ出し放心する僕の顔を両手で包み、しっかりと目を合わせながら、ユキが言い含めるように念を押す。
けれど……激しいセックスの余韻で溶けきった僕のゆるい頭では、物事を深く考えることはできない。
優しいユキの、いつもより強い口調に怯えただけだ。
次言いつけを守れなかったら僕は、今度こそ捨てられてしまう──…
断る選択肢はない。僕は内容について問い質さぬまま、反射的に頷いてしまった。
クローゼットの中で毛布に包まり、拘束を外された手足を折り曲げ膝を抱え蹲る。
声が出るといけないからと、口には再び口枷を装着している。
照明の落ちた寝室。クローゼットの隙間からは先程の行為でメイキングの乱れたベッドが見える。
インターホンが鳴った。それから玄関扉の開く音と不明瞭な言い争いの声。新開が来たようだった。
程なくして、ユキが新開を担ぎ、引きずるようにして寝室へ入ってきた。何故か新開は気を失っていた。
一体どうしたのだろう? さっきのぶつかるような音……まさか、何かトラブルがあったのか?
心配する僕を察してか、新開をベッドに下ろしたユキが僕の方を振り返り、安心させるようにニッコリと笑った。大丈夫だよ、と柔らかな表情で僕に伝えてくれて……
そして地獄が始まった。
ユキが新開の体を弄び始めたのだ。
「…ぐ、♡ ……ぅ、………んぅん…、…♡」
「ふっ、 ふぅっ、 ふーーっ!ふーーーッ! 」
僕は涙に濡れそぼり血走った目で、隙間から漏れる光の向こうを凝視していた。
出そうになる大声は、口枷を噛み締めることでギリギリ耐えいる。
荒い息づかいだけは抑えきれずに口端から涎と一緒に漏れ出していた。
あ、
あ、
あぁあっ!
いやだ!!
いやだあ!
ユキの逞しく長い指がローションに濡れた新開のアナルを丁寧に解して掻き混ぜている……
眠っている新開の口から甘い声が漏れ聞こえるたび気が狂いそうだ。
全身を八つ裂きに引きちぎられるより痛い。ショックで意識が飛びそうだ。
絶望感はこの間の比じゃない。
楽しそうなユキの背中。
ユキが愛撫している。僕以外の男を。
ユキの節くれ立って男らしい指が、僕以外の男のナカに根元まで埋まっている。
新開が憎い。
憎くてたまらない。
こんな光景を見続けるくらいならいっそのこと、今すぐ舌を噛みきって死んでしまいたい。
悲しい。悔しい。苦しい。痛い。
胸がぎゅっと詰まって、呼吸が出来ないくらい痛くて苦しくてたまらなかった。
なのに僕のペニスはこの状況でかたく勃起していた。
何故だ?
こんなに辛いのに。
「ぅ…ッ♡、ハァ……っんぁ♡……はぁ……」
「ふーーーッ♡、ふぅ゛ッ♡、ふーーーッ♡ ふーーーッ♡」
新開が来る前。
僕を愛してくれている最中に、ユキは真剣な面持ちでこう言った。
『君の童貞を、新開にあげてほしい』と。
『りっちゃんが新開で童貞を捨てることで、新開は雄としての矜持を失う。りっちゃんは主人として主導権を握れる。きっと双方に良い効果が得られると思うんだ。俺? 俺は平気だよ。ペットと奥さんのスキンシップにいちいち嫉妬してたら、ペットなんてとても飼えないからね。怖いかい? 俺が側で絶対に君を守るから…何も心配いらない。大丈夫だよ♡ ヤり方も、イチから全部教えてあげる。お手伝いするからね♡』
そう……ユキは、僕のタチとしての初セックスがうまくいくよう、新開のアナルを慣らしてくれているだけだ。
主人として頼りない僕が少しでも新開の優位に立ち、立派な飼い主として振る舞えるよう御膳立てしてくれているのだ。事前に説明されているし、頭では理解できている。なのにユキを信じ切れない自分がいる。
僕はこんなにも醜悪な人間だったのか?
自分は新開と二度もセックスしておきながら、ユキが僕以外の誰かに性的なことをするのがどうしても受け入れられない……
何て自分勝手な人間なんだ、僕は───
ユキが楽しそうに指を動かす度、みにくい嫉妬の痛みにのたうち回って。
制御できないどす黒い感情で頭も体もおかしくなっていく。
「ふーー…♡ ふーー…♡」
さっきもあんなに沢山出したのに、コックリングを装着した僕の睾丸とペニスは痛いほどに張り詰めていた。砲身は真っ赤に腫れ、皮を被ったままで括れの少ない亀頭の先端から薄いカウパー腺液を嬉しげにポタポタ滴らせ、細やかながらもかたくそそり立っている。
皮肉なものだ。この世の地獄が僕の中に異質なオーガズムを生んでいるのだ。
僕はユキの前戯を見つめながら、熱に浮かされたように勃起に手を伸ばし、握った。
そのまま少し力を込め、ゆっくりと扱く。
「ーー…ッう♡」
ひと往復するだけで、下腹部から甘く突き上げるような電流が抜けていった。
噛み締めた口枷の隙間から粘度の高い涎がゆっくりと顎を流れ落ち、ゾクゾクと背が粟立つ。
飢えたケモノのような荒い息。みっともなくて恥ずかしい。でも止まらない。
吐息を殺しながら、僕は泣きながら無心でマスターベーションに耽る。
もう何も考えたくない。目も耳も塞いで、怠惰に快楽だけ貪っていたい。
『俺のこと愛してるなら、どんなに悲しくても、腹が立っても、目を閉じないで』
でも、あぁ…駄目だっ!
ユキとの約束は絶対守らなきゃ───…
僕は目を閉じたくなるのをぐっと堪え、見たくない外の世界に目を懲らす。
「っ…♡ぅ゛、ハァ……っン、……すぅ……」
「ふーー…♡ ふーー…♡」
僕の葛藤などお構いなしに準備は着々と進んでいる。初心者用の細いディルドでツポツポと中を穿られている新開は、眠っていてもとても気持ちよさそうだ。
(僕が、新開を……本当にそんなこと、できるのか?)
僕がタチになる……発想すらしなかった。
ユキがオンナの僕を望むなら、僕はずっとソレでいい。
童貞を恥じたこともない。愛する人と一生を添い遂げる方が、僕にとってはずっと大事だった。
そもそも、こんな体で今更抱く側なんて出来るはずがないと思っていた。
だから今、とても不思議な感覚だ。
新開を犯したい。
僕の唯一の居場所を踏み躙り、
愛する夫までも奪おうとする彼を手酷く傷つけたい。
生まれて初めて沸き起こる加虐的な感情。
クローゼットから見える光景が、眠っていた僕の嗜虐心に火を焼べ燃え上がらせていく。
自分でも信じられない。
僕の奥底に、こんなにも凶暴な雄の本能が眠っていたなんて────
壊したい。ぜんぶ。
ぜんぶ壊して、あいつもメチャクチャになればいい。
僕は本当に、人間のペットなんていらないんだ。
でも、ユキが望むから。
僕はユキの望むものになりたい。
「りっちゃん。待たせてごめんね……さあ、おいで♡」
「ぇ────?」
ガチャ。
ユキの手によって、クローゼットのドアがゆっくりと開かれた。
まばゆいほどの光。遮るものはなくなり、扉一枚隔たれていた地獄が目の前いっぱいに広がる。
「ぁ……っ、ぁあ………りつ、さん……?」
驚愕する新開の声が、僕の苛立ちに追い打ちをかける。
僕はお尻にバイブしっぽが入っていることも忘れ、片膝を立てよろよろ立ち上がった。
偽物の犬耳につけられた鈴がチリン、と鳴る。
「ふふ♡ オナニーしてたの? おちんちん勃起させてすっかり仕上がってるね♡ なぁリュウ。理想的な犬っていうのはこういう子のことを言うんだぞ。どこからどう見ても立派なワンちゃんだろう? りっちゃんがわざわざお前のために犬のお手本を見せてくれてるんだ。ちゃんと勉強させて貰わなきゃな?」
「お、てほん? は、何、言って……」
ふらつきながらもなんとか数歩先の新開を目指し、ぺたりぺたりと鉛のような足を前に出す。アナルに深々と刺さっているバイブしっぽの角度が変わり、僕のオンナの性感を刺激するが、ペニスは萎えない。距離が近づくほどに顔面が蒼白になっていく新開に興奮する。気分が良い。僕の体が熱く熱く燃えあがる。
「大好きな人にケツマン処女捧げられるなんて、何て幸せなことだろう! じっくり堪能するといいよ。一回きりだ。特別だぞ?」
「ぅ……うそ、だ………りっ、律さん……? え、マジでおれが下、なの…?」
ひどく狼狽している新開。楽しそうに笑いながら、優しく僕の背を押してくれるユキ。
雄として劣る僕になんて犯されたくないって顔だな?
イライラする──…
促されるままに勃起したペニスを持ち、僕は滑らかな釼先を新開のアナルに宛がった。
「ひ…ッ!」
「ほら、リュウ。もっと腰下げろって。りっちゃんが挿入れやすいように尻の高さ合わせなきゃダメだろう? お前がボトムなんだから。お前が迎え尻するんだよ。ほら、」
「ぃっ…ッやだ! こ、こんなッ、こんなのおかしいだろ!!!俺はまだ律さんの気持ちも聞いてねえっ!ちゃんとふたりで話させ、ひッ!?」
「これで挿入るかな?」
喚くのを無視して、ユキが新開の尻の位置を調整しながら僕の小さなペニスに優しく手を添えた。ユキの掌はとても熱くて、握られただけで「ぅ゛♡」と呻き声が漏れてしまう。ペニスはちゃんとかたいままなのに、気が逸ってうまく照準を合わせられない僕を見かねて、ユキが後ろから手を回し丁寧にサポートしてくれる。
「初めてだから難しいよね。この角度でおちんちんの照準を合わせたらすんなり挿入るよ。できそう?」
「うぅ~~っ! うぶッ♡ ンふぅ、んむぅっ 」
「うん、そうそう! 上手っ♡ 初めてなのにスムーズに挿入れられてえらいえらい♡ まだちょっと狭いけど、ここに根元までずぽおっ♡って挿入れると気持ち良いよ♡ どこまで届くかな?」
「ぐぅッ♡ ぅあ♡ くそッ、マジッ、かよ…!!♡」
にゅぷぷぷぷっ♡ ぬぷう…っ♡
──あ♡
あ、あ、あっ♡
ほんとうだ♡
すごい♡
挿入、挿入ってく♡
お尻の穴におちんちん、飲み込まれていく♡
すごく、あつい♡
新開のお尻のなか、
狭くて、あつくて、気持ち、いいっ♡♡
「~~ぅ♡」
くぷんっ♡
ふぁ♡
ぜ、ぜんぶ♡
ぜんぶ挿入ったぁ♡♡♡
「~~~っぅ♡♡ ふぅ♡ う♡ う♡ ぅッ♡ んう~ッ♡」
「っづァ、♡、やべ、く、そ、っくぁ♡ …マジっで♡ は、挿入って…ッ♡ ああっ♡??」
ちぷ、へこっ♡ち、ぷんっ♡にゅりゅぅ、ち、ぷんっ♡
「~~~ッぉ゛ぶ♡ ぅ♡」
「っく、♡、ッぐぁ、ぅ゛♡、りつ、さ……っ♡」
引いて、挿入れる。
引いて、挿入れる。
テクニックも何もない、単調で小刻みな腰振り。
相手のことなど全く頭にない、ただ自分の快楽を追うためだけの、自慰みたいな抽挿。
同意なく無理矢理…なんて非人道的な行為なのに、その背徳感に酔いしれてしまう。
あぁー~ー♡
気持ちよくて頭、バカになるっ♡
「~~♡ぅぶ♡ ぉ゛♡ ンぷ♡ ぷぁ♡ ンぶ、ぅ~♡♡」
「うぅ゛…ッ♡…ぐ、…ぅあ……っ、なんっ♡ で♡」
「~~~~ハァ♡ 雄交尾してるりっちゃん…すごくかっこいいよ…♡ とろん♡ て真っ赤な顔して♡ 一生懸命へこへこしてる♡ 腰パンパン、とっても男らしくって惚れ直しちゃうなぁ♡」
うっとりした声で、耳元で♡
僕を褒めちぎってくれるゆき♡
見ていて、ほしい♡
ぼくが初めてオスになるところ♡
ぼく、ゆきの望みどおり、ちゃんとできてるだろう?
「ッ♡ ッ♡ ッ♡ ぐっ♡ ぎッ♡ ッあ゛♡」
「うん…♡ 特にココの、腰のラインが良いね♡ とってもセクシーで…」
スリスリ♡
「!!? ~~ぷぁ♡ んぷぁェ♡」
ああ~っ♡
尾てい骨♡
なでなで♡ されている♡
うれしい♡
ユキの大きな手、きもちいい♡♡
もっと♡
もっとシてほしい♡
ゆき♡
ゆき♡
後ろから抱きしめてくれているユキに甘えるようにもたれ掛かり、腰振りは止めないまま厚い胸板に頬ずりする。
僕がオスになると何故だかユキはとてもうれしそうで、沢山褒めてもらえるのが嬉しくて、もっとがんばりたくなる♡
へこっ♡ ぱちゅん♡ へこっ♡ ぱちゅんっ♡ へこっ♡ へこっ♡
「ッふ、っぎ、っくぅ、ッぁ♡、り、りつさ、待ッ」
ああ~~~っ♡
きもちいいっ♡
きもちいいっ♡
タチセックスきもちいいっ♡
オス交尾すごい♡
熱くてキツくてナカがきゅんきゅんってうねってっ♡
ぼくのおちんちんぜんぶ溶けてなくなってしまう…っ♡♡
短いストロークで何度もへこへこと律動を繰り返す。短小なせいで激しくピストンすると穴から全部抜けてしまうから、抜けないように必死だ。けれど新開の処女アナルはとてもキツく、引こうとするたび僕のペニスにむちゅ~~ッ♡と食らいついて離してくれないから気持ちよすぎて度々腰が引けてしまう。アナルにしゃぶられる感覚はユキのバキュームフェラとまた違った気持ちよさで、絞られるたび意識が持っていかれそうになる♡
「ふっ♡ ふっ♡ ~~ぷあぅ♡ うぶっ♡」
「ひ、ッぅぐ♡ なんっで♡ 何でおれっ♡ っく、りつさん、にっ♡ ぉ、犯されっ♡」
必死に腰を振っていると、やがてぐす…ぐす…と音が聞こえた。
眉を情けなくハの字に下げ、涙目で鼻水をすする新開の顔が向かいの窓ガラス越しに見える。
「────っ、」
新開と目が合う。
(──かわいい……)
「………?」
頭で考えるより先に、勝手に言葉が浮かぶ。
涙目で僕を見つめる新開の姿に、一瞬キュン♡と胸が締め付けられる。
は?
嘘だろう?
可愛い?
新開が?
そんな、バカな。
可愛いだなんて感じてしまった自分の気持ちが理解できない。
「っあ♡ ぅう゛ッ、~~り、つさ、…ごめ、なさ……っ」
けれど……こうして一方的に犯していると、殊勝な態度で大人しくされるがままになっている新開の姿がなんだか無性に健気に見え、愛おしさを感じてしまう。
一体僕はどうしてしまったんだ?
おかしくなってしまったのか?
「っう、りつさッ♡ りつさんっ! アッ♡ ぉ、おれっ! おれ、ぇっ…♡」
新開が、僕の方を振り返る。今度は直接見つめ合った。
涙も鼻水も垂れ流し、情けなく顔をくしゃくしゃに歪めている新開。今のコイツに資料室での強引な面影は微塵もない。
ただ縋るような、捨てられた子犬のような目で一心に僕を見ている。
何故こんな酷いことされてるのに、まだ僕を慕うんだ?
僕なんかにオス負けして悔しくないのか?
何故口元が笑ってる?
その情けないへにゃっとした笑顔が、攻め立てる快楽に夢中になっていた僕の心に混乱を生む。
「ぁ…、…?」
この感覚。覚えている。
この感覚はなんだ?
わからない。
わからない、けれど胸がひどく苦しい。
腰の奥がズン、と重たくなって、お胎のところがうずうず切なくなって。
苦しい理由が分からなくて、僕は苛立ちをぶつけるように激しい律動で新開を責め立てた。
ぱちゅっ♡ ぱちゅっ♡ ぱちゅっ♡ ぱちゅっ♡
「ぅ、あっ…♡」
ローションでぬかるんだ腸粘膜が吸い付いて、出し入れすると水っぽい音が鳴る。浅いところにあるしこりを突く度に狭い粘膜が蠢いて、僕の小さなペニスに懐くようにしめつけて……
きもちいい♡
きもちいい♡ のにッ!ああっ!なぜっ?
なぜイけないっ?
イけそうでイけない。何か足りない。
イライラする、酷く腹が立つ。
僕を見る新開の瞳も、この胸に巣くうおかしな感情も、全部意味不明で不快で、いやだ!
「ぅ゛~~~ッ!!ん゛ぶっ!うぅ゛ッ!!んぐうッ!」
ぱちゅっ♡ ぱちゅっ♡ ぱちゅっ♡ ぱちゅっ♡
「……イけないの? 苦しいね……言いたいこと、全部言ったら楽になる? 何か伝えたいことがあるのかな?」
汗だくになりながら苛立ち任せに遮二無二に腰を振る僕の口枷を、ユキが後ろからそっと外してくれた。
口内に溜まっていた涎と一緒に、得体の知れない感情が口から泥のように溢れ出して止まらない。
「っぷは! ぃ、や、だあっ♡ ア♡ あぅ♡ イ、けないっ♡ おちんちんきもちいいのにぼくっ♡ ぼくイけないぃっ♡ ああっ なんでっ♡ なんでえっ?? わ、わからない! んぐっ、んぐうっ♡ あああっ♡ しんかいっ♡ おまえのっせいだ!ぜんぶお前がわるい、おまえがぼくなんかに執着するから…ッぅ゛、くそっ、このばか、ばかいぬっ!!」
「ぅ゛ッ♡ り、つさ、♡ ご、…っごめん、ごめんね…っ…♡ぅ゛、ごめん…っ♡ 」
泣き笑いみたいなおかしな顔でへらっと笑う新開に腹が立ち、僕は腕を振り上げた。
ばちんッッ!!!
力任せに新開の尻を叩く。
「っヒぐッッ」
「わらうなぁッ!!! ~~なんで! 笑うんだよぉっ……ッひっ、ぐす、ぉ、おまえのせいで全部、メチャクチャだ…ッ…自分の醜さばかり!思い知る…ッ…ゆきにもきッ、嫌われる…ッ…ぐすッ、最悪だぁ……こんな醜い自分、し、知りたくなかったッ!」
「ッい゛♡… …り、つさ……はッ、ぐ、♡ み、みにくく、ないで、す…… 」
怒り任せに、乱暴に腰を打ちつけているのに、キツそうな体勢なのに、新開は健気に僕を振り返り見るのを止めようとしない。
それが誠意だなんて思ってるのか? そんなのが僕への罪滅ぼしだとでも?
「あぅ……そ、な…ッ…そんな目でぼくのことみるなぁ…っ み、見ないで、ひぐッ、おまえなんなんだよっ!? なんで恨まない!? ッああっ! もおわからない、つ、つらいっ♡ ッひっく、つらいよおっ! こんな、こんなの──ンほお゛ッッ♡♡???」
ずるるるるるっ♡♡ ッぶぽぽおっ♡
突然おまんこから長太い尻尾バイブが勢いよく引き抜かれた。
すっかりペニスの快楽に夢中になっていたのに、バイブの刺激で一気にメスに引き戻される。
目の前はまっ白、涎を垂らしたまま一瞬頭の神経が焼き切れる。
ずぷうううぅうっ♡
「りっちゃん!あぁっ♡ さいこぉ、だよおッ♡♡♡」
応援ありがとうございます!
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