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5 寝取ったはずの上司がダンナにNTRれ返されてた件
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「え……鹿沼主任、今日も休みなんですか?」
「あれ? 鹿沼君から聞いてないの? 体調不良らしくてさ、一応明日まで休むって連絡貰っていてね。ボクとしては早く出張の報告書上げて欲しいんだけど……まぁ彼、有給全然消化できてなかったから丁度良いんじゃない?」
出張から帰って主任と別れて2日。主任からは何の音沙汰も無い。それどころか会社にさえ出勤してなかった。
心配になって営業部の同期の奴に御子柴が出勤してるか聞いてみたら、あっちも3日間の有給を取得してて休みらしい。
これってやばすぎねえ? 絶対修羅場ってるだろ!不安的中してんじゃん!
居ても立っても居られず、ついに住友課長に事情を聞いてしまった俺は、課長に詰め寄って鹿沼主任の自宅の住所を聞き出そうと躍起になる。
「頼みます課長っ!!!鹿沼主任の住所教えて下さいッ!!!」
「何言ってんの!? 守秘義務って知ってるよね? 言えるわけないでしょそんなの…」
「一大事なんですって!守秘義務とか言ってる場合じゃないんすよっ!!!」
「な、なんだい一大事って…。そんなのボクは責任持てないよ。住所なら、同期の八代君にでも聞いてみたらどう?」
「げっ…課長!そんなの俺に振らないで下さいよ……」
事なかれ主義の課長が紹介してくれた、同じ開発部で主任の同期の八代先輩に今度は詰め寄る。鬼気迫る俺の様子に周囲の奴らはこぞって皆ドン引きしているがそんなのに構ってられない。俺は八代先輩の胸ぐらに掴みかからんばかりの勢いでデスクに食らいついた。
「八代先輩っ!鹿沼主任の住所知ってますか!?」
「あ~、確か去年、ね、年賀状……貰ったと、思うけど……」
「年賀状……」
人付き合いは悪いのに、そういうのは律儀に書くんだなぁ主任……なんてほっこりしてる場合じゃねえっ!
「それ見せて下さいッ!お願いしますっ!」
「いや、家帰んないとねえよ……普通持ち歩かないだろ? ちょっと落ち着けって新開……」
「じゃあ今夜先輩んち寄らせて下さい!マジで急いでるんです!お願いしますっ!」
「べ、別に良いけどさぁ……」
お前、昨日からだいぶ変だよ? 大丈夫? なんて困惑気味に心配してくれる八代先輩に大丈夫ですって雑に返して自席に戻る。
理由なんて言えるわけねえだろ!俺が既婚者の主任寝取っちゃって主任がダンナと修羅場って監禁・もしくはもっとヤバい状況に陥ってるかもしれないなんてさあ!
ああ…一刻も早く助けに行きたい……! けど八代先輩に真実言うわけにいかねえから仕事終わるまで待つしか無い……
どうにもならないジレンマが襲う。正直仕事なんて全く手につかない。けど何か他のことに集中してないと主任の悲惨な結末ばっか想像しちまって恐ろしかった。
やっぱり主任を一人で帰らせるべきじゃなかったんだ……
どんなに拒否られても一緒についていって謝るべきだった。
俺が不甲斐ないばっかりに主任は……良くて監禁・悪くて暴行……最悪む、無理心中……とか?
いやいやいやいや!!!考えすぎだよ俺っ!そこまでは流石の御子柴でもしねえだろ!
けどあんなエグいピアス乳首に付けさせるサイコパスだし……主任に何するかなんて、常人の俺じゃわかんねえ……
その時デスクに放りだしてあった俺のスマホが震えた。この光り方はLINE通知だ。
もしかしたら主任かもしれない。緊急連絡用にID交換したものの一回もやりとりしたことないのを思い出す。
慌ててLINEを開いたら、知らないアイコンで……差出人は───み、御子柴!?
『突然失礼。営業部の御子柴です。妻の事で話があるので、予定が合えば今夜俺の自宅へ来て欲しい』
業務連絡っぽい簡素なメッセージがぽこん、と出て、その後すぐ自宅らしきところに印が入ったマップの画像が添付されてきた。
直ぐに開いたせいで一瞬で両方とも既読がついてしまう。仕事中だぞ、どんだけ焦ってると思われんだよ俺!
てか敵の方から手こまねいて来てんじゃん……何が目的だ? 復讐か!?
「八代先輩」
「っうわあ!? な、何だよ今度は!急に背後立つのやめろって怖えから!」
「すんません。さっきの年賀状の件なんすけど……解決したんでもういいっす」
「何だよ解決って……訳分かんねえな……」
困惑しつつも「まあ、何か分かんないけど頑張れ…」って肩叩いてくれる人の良い八代先輩に感謝しつつむっすりと頷く。
主任……どうか無事でいてください。主任のことは俺が絶対守りますから。どうかどうか、痛い目にあったりしてませんように……
あーーー!早く終業時間こい!時間が経つのマジで遅えって!!!
「あれ? 鹿沼君から聞いてないの? 体調不良らしくてさ、一応明日まで休むって連絡貰っていてね。ボクとしては早く出張の報告書上げて欲しいんだけど……まぁ彼、有給全然消化できてなかったから丁度良いんじゃない?」
出張から帰って主任と別れて2日。主任からは何の音沙汰も無い。それどころか会社にさえ出勤してなかった。
心配になって営業部の同期の奴に御子柴が出勤してるか聞いてみたら、あっちも3日間の有給を取得してて休みらしい。
これってやばすぎねえ? 絶対修羅場ってるだろ!不安的中してんじゃん!
居ても立っても居られず、ついに住友課長に事情を聞いてしまった俺は、課長に詰め寄って鹿沼主任の自宅の住所を聞き出そうと躍起になる。
「頼みます課長っ!!!鹿沼主任の住所教えて下さいッ!!!」
「何言ってんの!? 守秘義務って知ってるよね? 言えるわけないでしょそんなの…」
「一大事なんですって!守秘義務とか言ってる場合じゃないんすよっ!!!」
「な、なんだい一大事って…。そんなのボクは責任持てないよ。住所なら、同期の八代君にでも聞いてみたらどう?」
「げっ…課長!そんなの俺に振らないで下さいよ……」
事なかれ主義の課長が紹介してくれた、同じ開発部で主任の同期の八代先輩に今度は詰め寄る。鬼気迫る俺の様子に周囲の奴らはこぞって皆ドン引きしているがそんなのに構ってられない。俺は八代先輩の胸ぐらに掴みかからんばかりの勢いでデスクに食らいついた。
「八代先輩っ!鹿沼主任の住所知ってますか!?」
「あ~、確か去年、ね、年賀状……貰ったと、思うけど……」
「年賀状……」
人付き合いは悪いのに、そういうのは律儀に書くんだなぁ主任……なんてほっこりしてる場合じゃねえっ!
「それ見せて下さいッ!お願いしますっ!」
「いや、家帰んないとねえよ……普通持ち歩かないだろ? ちょっと落ち着けって新開……」
「じゃあ今夜先輩んち寄らせて下さい!マジで急いでるんです!お願いしますっ!」
「べ、別に良いけどさぁ……」
お前、昨日からだいぶ変だよ? 大丈夫? なんて困惑気味に心配してくれる八代先輩に大丈夫ですって雑に返して自席に戻る。
理由なんて言えるわけねえだろ!俺が既婚者の主任寝取っちゃって主任がダンナと修羅場って監禁・もしくはもっとヤバい状況に陥ってるかもしれないなんてさあ!
ああ…一刻も早く助けに行きたい……! けど八代先輩に真実言うわけにいかねえから仕事終わるまで待つしか無い……
どうにもならないジレンマが襲う。正直仕事なんて全く手につかない。けど何か他のことに集中してないと主任の悲惨な結末ばっか想像しちまって恐ろしかった。
やっぱり主任を一人で帰らせるべきじゃなかったんだ……
どんなに拒否られても一緒についていって謝るべきだった。
俺が不甲斐ないばっかりに主任は……良くて監禁・悪くて暴行……最悪む、無理心中……とか?
いやいやいやいや!!!考えすぎだよ俺っ!そこまでは流石の御子柴でもしねえだろ!
けどあんなエグいピアス乳首に付けさせるサイコパスだし……主任に何するかなんて、常人の俺じゃわかんねえ……
その時デスクに放りだしてあった俺のスマホが震えた。この光り方はLINE通知だ。
もしかしたら主任かもしれない。緊急連絡用にID交換したものの一回もやりとりしたことないのを思い出す。
慌ててLINEを開いたら、知らないアイコンで……差出人は───み、御子柴!?
『突然失礼。営業部の御子柴です。妻の事で話があるので、予定が合えば今夜俺の自宅へ来て欲しい』
業務連絡っぽい簡素なメッセージがぽこん、と出て、その後すぐ自宅らしきところに印が入ったマップの画像が添付されてきた。
直ぐに開いたせいで一瞬で両方とも既読がついてしまう。仕事中だぞ、どんだけ焦ってると思われんだよ俺!
てか敵の方から手こまねいて来てんじゃん……何が目的だ? 復讐か!?
「八代先輩」
「っうわあ!? な、何だよ今度は!急に背後立つのやめろって怖えから!」
「すんません。さっきの年賀状の件なんすけど……解決したんでもういいっす」
「何だよ解決って……訳分かんねえな……」
困惑しつつも「まあ、何か分かんないけど頑張れ…」って肩叩いてくれる人の良い八代先輩に感謝しつつむっすりと頷く。
主任……どうか無事でいてください。主任のことは俺が絶対守りますから。どうかどうか、痛い目にあったりしてませんように……
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