本当はあなたを愛してました

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第三部

ダーニャ

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結局目が冴えてしまい昨日はよく眠れなかった

朝一に手紙をお願いし、書き置きを残し急いで馬車に乗り込んだ

「お嬢さま、顔色が優れませんが少しでもお休みになられてください」

「マリ、あなた本当についてきても大丈夫なの?長旅になるわよ」

「お嬢様、私はお嬢様の専属侍女です」

「もうすぐ私はあなたの言うお嬢様ではなくなるわ。」

「だからこそです。それに思い出させないでください…分かっていますけど、この結婚がお嬢様にとって最善だということも。だけど…」

マリはブランケットを私の膝に優しく掛けながら納得いかないとつぶやいていた

「お嬢様、ルーカス様とお話しにならなくてよかったのですか?」

「えぇ、ロバート(ルーカス父)には伝えたから」

お義父さまと呼ぶべきだったかしら

「ルーカス様は確かにまぁ素敵な方ですけれども、うちのサラお嬢様に比べるとやっぱりお嬢様の方が断然素敵ですし。そもそもお嬢様とご結婚出来るなんて幸せ者です。皆羨ましいに違いありません。
それなのにルーカス様はお嬢様に対して素っ気なさすぎます」

「ふふ、マリ、そこまでにしておきなさい。
あなたには教えたでしょ。ルーカスにはね、想い人がいるのだから」


「だとしてもです。きっとその方よりもサラお嬢様の方が素敵に違いありません」


マリの言葉が心地よくて、ついウトウトと瞼が重くなる

ダーニャお姉さまの暮らしていた国までは、馬車で1週間かかる。急を要することもあり、父に相談すると馬車と護衛も手配してくれた。途中休息しながらと考えると、滞在して、帰り着くのは約1ヶ月くらいかしら。

私の方が素敵か…
本当にそうかしら

リナ、あなたは何故出ていったの?


✳︎✳︎✳︎

「サラ!サラ、こんな所にいたのね。探したわ、ねぇこっちに来て、紹介したい人がいるの」

「エミリアお姉さま、待って」

「あぁ、もう可愛いんだから、サラはまるで天使のようね。手を繋いでいきましょう」

優しい笑顔。一番上のエミリアお姉さまは姉妹の中でも一番透き通るような綺麗な肌をしていた。手を握るとすべすべしていて、頭を撫でられるのが好きだった

懐かしい

あぁ、きっとこれは夢ね、初めてダーニャお姉さまにお会いした時だわ






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