本当はあなたを愛してました

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第ニ部

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騎士様の協力のもと、通信装置でエミリオと連絡をとることに成功した。

ゴーデル商会はそれなりに名の知れた大きな商会なので、騎士団の伝手で旦那様の隠居先はすぐに調べがつくそうだ。

早急に同意書の手配をしてくれた。

私は深呼吸をして、映像に映るエミリオと

向かい合う。

エミリオは

私を軽蔑しているだろう


身勝手な私を


「リナ。

伝言を受け取った。





あぁ、エミリオ。

こんな私に、口を聞いてくれるのね、

「エミリオ…」


「ルーカスさんのこと…聞いたよ

リナが提供を望んでいること、


リナは…リナの決意は変わらない?」


私は黙って頷く

「そっか…」

「…」


「カオリには、何て説明するつもり」



「カオリには…」


カオリ…

こんなお母さんでごめん

まだ幼いあなたには

私の想いは伝わらないよね

「リナ…

治療が終わったら


どうするつもりなの?」


「…」

「治療期間は不明だと聞いている。


その間ずっと入院することになると

正直反対だよ」


「エミリオ…」

私は映像に映るエミリオに懇願の眼差しを向ける

「でも…

リナは俺が反対しても

止めるつもりはないんでしょ」



エミリオに反対されても私は…

ルーカスを助けたい

「リナ

ルーカスさんのこと、忘れなくていいと言ったこと覚えてる?


今も俺は、変わらずそう思ってるよ。


大丈夫だから。

リナとルーカスさんの関係は特別なことは

分かってる。



でも、頭で理解しているからと言って、嫉妬しない訳じゃないけど。


だからこの間、あんな噂を聞いて、腑が煮え繰り返るようだった。


どうしようもない気持ちで、

イライラして…


この間は…  
ごめん

大人の俺だってこんな気持ちなのに、

カオリに説明なんてできないよ。

リナ…


別々の道を行こう



それでも、俺は、リナを愛してる。

大丈夫だから。

ずっと側にいるから。


ルーカスさんへの想いとは違っても、リナが俺やカオリを大事に思ってくれてること、分かってるから。

俺達は家族だろ。

そう思ってるのは俺だけ?


戻って来てくれることを待ってる。


だけど

リナを…苦しめるつもりはない


離縁届を送る。


治療が終わって、ルーカスさんと離れて俺の元へ戻ってきてくれたらいいなと思ってる。



でも、リナの気持ちが俺と違うなら、

そのまま離縁届を提出してくれて構わない。

だけどその時は、カオリとは一生会えない

のを覚悟して」



「!!!そんなっカオリは娘なのに」



「カオリには会わせない。

そんな都合がいいこと許せるほど俺は

…優しくないんだ。

カオリにはリナは死んだことにする



カオリもいつまでもこどもじゃない。

父親以外の元へ通う母親をどんな風に思うか考えたことあるの?


難しいことは言っていないと思うよ


リナ


無事を祈ってる」


「エミリオ!」



一方的に通信は終了した。

カオリ…


「患者の容態が急変しました!」



そんな、ルーカス!

私は急いで病室へ向かった







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