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 肩に脚を担ぎ上げられて、決して華奢ではないたくましい己の足が由貴ゆき活塞かっそくに合わせて宙で揺れているのを何だか滑稽こっけいでさえあると思いながら見つめる。

「はっ……っ……くっ」

 けれど、息も絶え絶えに快楽を享受しているのは間違いがなく、今にも弾けそうな下腹の熱が視界でびくびく震え始めるのに腰が戦慄わななく。

 もう二年以上付き合っているのに、未だに俺は男に組み敷かれて淫蕩いんとうな気持ちになるなんてことが信じられない自分がいたりする。

 生白いこめかみに少しだけ汗を浮かべて、それでも涼しい顔を崩さない由貴が、追い上げるように高みへと誘導すべく奥を穿うがってきて、すっかり開発されて後ろだけで極めることが出来る身体が頂点を刻もうと痙攣する。

「いっ……く、由貴っ……」

「僕もはやてくんの中、濡らしてあげますね?」

 言いながら、激しく掻き乱されて、柔らかくほころんで由貴の形に馴染んでいた更に最奥をえぐられて、呼吸すら止まりそうな脳まで甘くなる衝撃で「っ……はぁっ」と湿った吐息と共に白濁した欲望の証を撒き散らした刹那、収縮する胎内なかで由貴も弾けたのがわかった。

 荒い呼吸を繰り返していると、弾けたくせにまだ硬度を保ったままの由貴が「一回で許すと思います?」なんて妖艶に笑って、一度も引き抜くことなく抽挿を再開するから。

「クッソ……この絶倫がっ」

 思い切り睨みつけてやると、「さて、僕が絶倫なら颯くんは淫乱ということになるようですよ?」と、負けず劣らず吐精したばかりとは思えないほど、勢いを取り戻している俺の脈打つ熱に指が絡まってしなやかに背が仰け反った。

「僕は颯くんを愛していますが……それと同じくらい憎いってことを自覚出来ていますか?」

(……は?)

 体内に収まる熱とは真逆の冷たい声音に鼓膜が脈打った。 
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