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【オマケ】Side:日高 暖人
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仕事を終えてスマートフォンを確認したら、登録は消去したものの、とっくに暗記しちまっている葵晴の電話番号からの着信履歴があって。
興奮も冷めやらぬまま折り返し電話をしたら、「今すぐ、僕を攫いにきて?」なんて、クッソ可愛いことを言いやがるから、すぐさまタクシーを呼んで葵晴の家へ着くなり扉をぶち破るようにして抱きしめて。
有無を言わさずベッドに引っ張った俺は、「これからお前を抱く予定だけど、それは許されっか?」と、葵晴が断るはずもねぇ質問を意地悪く投げかけてみたりする。
潤んだ目尻を朱く染めて頷く葵晴に一発K.O。
普段は、口を開かず泣き虫じゃなけりゃ凛とした中性的な美青年のコイツが、ベッドの中ではたちまち淫らで奔放で絶倫になるのを知ってっから。
思い切り啼かせてやれば、俺の下肢の中心に自ら求めるように指を絡ませてきて「暖人のここ、またこんなになってる……」なんて、甘えるような喉声で何度も誘惑してきやがる。
「そりゃ、愛してる奴が目の前でアンアン言ってたらこうなるっつーの」なんておどけて見せると、火でもついたかのように真っ赤になって「僕、アンアンなんて言ってない!」と、これまたクッソ可愛いことを言ってきやがるからどうしようもねぇ。
もう何度目かもわからない自身を捩じ込んで、飽きるほど身体を揺さぶってやれば、やっぱり断続的な何度聞いてもゾッとするほど色っぽい声で下半身を直撃してくるんだからマジで自覚してくれ。
だけど──。
抽挿を繰り返している最中に、勝手に昇りつめて切ない声を散らしながら、火照った身体のまま気絶しちまうから、またか……と嘆息する。
「葵晴? 葵晴?」
名前を呼んでみてもクッタリと意識を失って、濡れたように艶やかなアンバーカラーの瞳が隠れる、静脈の透ける薄い瞼を閉じて、蕩けたように頬に紅みを浮かべながら眠っちまって。
「おい、俺まだ達ってねぇんだけど?」
声を掛けてもやっぱり葵晴はもう夢の中。
俺はコイツの寝顔と散々見せつけられた媚態を思い出し、一人で己を慰めて吐き出した精を、綺麗だからこそ汚してやりたくなるような狂暴な欲を孕ませて、思いっきり顔に塗り付けてやると。
「ぅ、ん……はる……もっと……」
なんて寝言を言いやがるから。
あぁ、もうホント敵わねぇ……腹が立つくれぇ可愛すぎか、と溜め息を吐きながら、どうやら再び〝恋人〟に戻れたらしい葵晴の身体を清めるべく濡れタオルを作りに行くのであった。
やっと取り戻せた恋焦がれたコイツを、もう明日からは許可なく朝まで負けず劣らず俺の方が絶倫の欲求を満たせてもらえる権利が戻ってきたことに、一人ほくそ笑んでしまうのは、少しばかり性質が悪ぃのかもしんねぇな、なんて考えながら。
- END -
興奮も冷めやらぬまま折り返し電話をしたら、「今すぐ、僕を攫いにきて?」なんて、クッソ可愛いことを言いやがるから、すぐさまタクシーを呼んで葵晴の家へ着くなり扉をぶち破るようにして抱きしめて。
有無を言わさずベッドに引っ張った俺は、「これからお前を抱く予定だけど、それは許されっか?」と、葵晴が断るはずもねぇ質問を意地悪く投げかけてみたりする。
潤んだ目尻を朱く染めて頷く葵晴に一発K.O。
普段は、口を開かず泣き虫じゃなけりゃ凛とした中性的な美青年のコイツが、ベッドの中ではたちまち淫らで奔放で絶倫になるのを知ってっから。
思い切り啼かせてやれば、俺の下肢の中心に自ら求めるように指を絡ませてきて「暖人のここ、またこんなになってる……」なんて、甘えるような喉声で何度も誘惑してきやがる。
「そりゃ、愛してる奴が目の前でアンアン言ってたらこうなるっつーの」なんておどけて見せると、火でもついたかのように真っ赤になって「僕、アンアンなんて言ってない!」と、これまたクッソ可愛いことを言ってきやがるからどうしようもねぇ。
もう何度目かもわからない自身を捩じ込んで、飽きるほど身体を揺さぶってやれば、やっぱり断続的な何度聞いてもゾッとするほど色っぽい声で下半身を直撃してくるんだからマジで自覚してくれ。
だけど──。
抽挿を繰り返している最中に、勝手に昇りつめて切ない声を散らしながら、火照った身体のまま気絶しちまうから、またか……と嘆息する。
「葵晴? 葵晴?」
名前を呼んでみてもクッタリと意識を失って、濡れたように艶やかなアンバーカラーの瞳が隠れる、静脈の透ける薄い瞼を閉じて、蕩けたように頬に紅みを浮かべながら眠っちまって。
「おい、俺まだ達ってねぇんだけど?」
声を掛けてもやっぱり葵晴はもう夢の中。
俺はコイツの寝顔と散々見せつけられた媚態を思い出し、一人で己を慰めて吐き出した精を、綺麗だからこそ汚してやりたくなるような狂暴な欲を孕ませて、思いっきり顔に塗り付けてやると。
「ぅ、ん……はる……もっと……」
なんて寝言を言いやがるから。
あぁ、もうホント敵わねぇ……腹が立つくれぇ可愛すぎか、と溜め息を吐きながら、どうやら再び〝恋人〟に戻れたらしい葵晴の身体を清めるべく濡れタオルを作りに行くのであった。
やっと取り戻せた恋焦がれたコイツを、もう明日からは許可なく朝まで負けず劣らず俺の方が絶倫の欲求を満たせてもらえる権利が戻ってきたことに、一人ほくそ笑んでしまうのは、少しばかり性質が悪ぃのかもしんねぇな、なんて考えながら。
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