こんな僕の想いの行き場は～裏切られた愛と敵対心の狭間～

【オマケ２】Side：日高 暖人Ⅱ

　俺を信じるっつった葵晴あおはだけど、仕方のないことなのかもしれねぇが、どうにも俺を信じ切ってねぇところがあるのが最近の目下の悩みだったりする。

　俺たちは今、葵晴の家に同棲中。

「んっ……暖人はると……もっと……」

　胸の頂いただきを傷つけないように歯で甘噛みしながら舌先でチロチロと弄いじっていたら、俺のスマートフォンが着信を告げた。

「悪わりぃ、葵晴、会社から」

　電話に出ると葵晴がジトーッとした顔で見つめてくるんだが、これがまたお預けを食らった子犬みたいにクリクリしたつぶらな瞳が可愛すぎて、電話の応対をしながらも下腹部が張り詰める始末。

　電話を切ると葵晴が組み敷かれたまま「本当に会社？　こんな時間に？」と相変わらずのジト目で唇を尖らせる。

「言ってんだろ？　終業遅ぇからまだ仕事中の奴もいんだ」

　それでも唇が尖ったままなんが可愛すぎて、ぎゅっと親指と人差し指で抓つまんでやると、僅かに瞳を潤ませた。

「ほんほう？」

　なんて、抓まれた唇のまま「本当？」と琥珀色の瞳を絡めてくるから、今すぐにでも突っ込んで揺さぶって掻き回してぇ衝動に駆られる。

「今度お前を裏切ったら、コレちょん切るから」

　言いながら、葵晴の手を取って張り詰めた己のそれに導くと「本当にちょん切るからね？　僕、本気だから」と少しだけ睨まれた。

　あぁ、もう俺、何でこんな可愛い奴がいんのに気の迷い起こしちまったんだろ……なんて嘆息していると、煽るようにとっくに充実している硬い熱の脈を弄まさぐってきやがるから。

「ったく……葵晴の淫乱め」

　そうからかってやると、煌々と灯る明かりの中で少しだけ視線を逸らして頬を紅あかく染めてんのに、指の動きは止めることなく擦さすり続けてくるからたまったもんじゃねぇ。

「暖人がそうさせたくせに。一生責任取ってくれるって約束してくれる？」

「だから、俺の人生全部お前にくれてやるっつったろ？」

　目を眇すがめて壊れもんのように、淡く色付いて俺の涎で濡れそぼっている勃ち上がっていた胸先をきゅっと捻ひねってやると、すぐに甘く深い吐息を吐き出しながら縋るように俺を見つめてくる。

「じゃ、セックスしよ？」

　思わず「はぁ……」と溜め息を吐いちまうのはこの場合致し方ないだろう。

「お前はもうちょっと恥じらいを覚えろな？」

　揶揄やゆするように抓み上げている突起を押し潰してやれば、涙目で「やだ。待てない。邪魔された」なんて言いながら俺のスマートフォンの電源を切ってみせるから。

「セックスは電源切れねぇけど大丈夫か？」とふざけてみせると「マナーモードもいらないから」とかクッソ可愛いことを言ってきやがる。

　あぁ、もうホント、一生ちょん切られることはねぇな。