こんな僕の想いの行き場は~裏切られた愛と敵対心の狭間~

ちろる

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「ゃ……ぁ、痛っ……っ……ぅ、くる、すせんぱ……」

 また、吐きそうな口淫を強要されて。
 僕の真っ赤に切れた後孔の中を来栖くるす先輩の猛ったそれが擦れる痛みに涙がこぼれる。

 やっぱり、肩を押さえ込まれて抱き着くことも許されない。
 ただただ、玩具オモチャみたいに来栖先輩にどこまでも乱暴に身体を揺すられて、堪えきれない痛みに腰を引こうとすると、強引に太腿を掴まれて引き寄せられる。

 その拍子に下腹部にかけられていたタオルが滑り落ちて。
 来栖先輩が僕の露わになった下半身を見て眉をしかめた。

「ああ……やっぱ、それ萎えるからちゃんと隠して、椎名しいな

 僕は、涙を滲ませたまま「ごめんなさい」と謝って、滑り落ちたタオルを己の下腹部にかけたと共に、再び激しい抽挿が始まって、痛みに身体をよじる。

 やがて来栖先輩が無言で僕の中に熱を放った。
 孔を垂れる、殆ど血液の色に染まってしまっている白濁がシーツに滲んだのを、上半身を起こして朧気に見つめた。

「ねぇ、椎名。何で今日、日高ひだかくんは俺を殴ったの? 俺が傷つけたってどういう意味? そもそも……日高くんは、何でそんなことがわかるの? 椎名と日高くんはまだそんな関係を続けてるの? 俺がいるのに?」

 何も、言葉を返せなかった。
 来栖先輩が傍に居てくれているのに、僕は中途半端に暖人はるとに寄りかかって、来栖先輩とも離れられなくて。

 どっちも報われないのに。
 僕の行き場なんかどこにもないのに。

「暖人は……今、部屋を探しています。その内、出ていくと思います」
 
 来栖先輩が目を輝かせた。
 僕の両肩を掴んで……抱きしめてくれるのかと思ったけれど、そうしてはくれなかった。

「早く日高くんを追い出して? そうしたら俺の勝ちだ。椎名とも寝なくて済む」

 目の前が真っ暗になった。

 俺の勝ち? 僕と寝なくても済む?
 暖人が離れていったら、来栖先輩も離れていくの?

 僕の傍には誰もいてくれないの?
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