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僕は、無言のままだった。
容認も拒絶もしなかった。自分でも、狡いと思う。
暖人が無理やりそうしているんだから、僕は悪くないんだと。
裏切られて傷つけられた元カレに無理やり犯されそうになっているんだから僕は悪くないんだと、また裏切られるのが怖くてヨリも戻せないくせに、無理やり犯されるんだから悪くないんだと。
免罪符を得るように自分に言い聞かせて。
暖人が、仰け反った喉元を噛みながらシャツのボタンを開けていく。
それだけでビクビクと腰が震えて、忘れかけていたような、久しぶりに与えられた快楽を全身で享受して。
指が、胸の飾りをキュッと捻ると「んっ」と吐息がこぼれる。
「は……る……」
思わず強請るように暖人の背にぎゅっと腕を回す。
暖人は、その腕を避けない。僕が抱き着いても許してくれる。
それが嬉しくて涙が滲む。
来栖先輩は、絶対に僕を抱きしめてはくれないし、抱き着かせてもくれない。
暖人が胸を口に含んだ甘い刺激で、また蕩けたような声が漏れて。
下腹部の中心が、スラックスの中で淫らな感覚を伴いながら張りつめていくのがわかる。来栖先輩との行為では、僕のそれは一切反応することはなかったのに。
暖人の太腿に昂りを押し付けると、喉を鳴らした。
「葵晴、どうした? なんかあったのか? 言ってみ?」
何も、言えなかった。
暖人には、僕は来栖先輩と幸せにやっているんだって思わせなきゃいけないと思ったから。浮気の罰を受けさせなきゃいけないんだから。
でも──。
「触って? もっと触って? 暖人……」
口をついて出たのはそんな言葉で。
僕は、無理やり暖人に犯されなきゃいけないのに、そうしなきゃいけないのに、自ら求めるような言葉をかけてしまって。
暖人が、何も言わずにスラックスのベルトを外した。
下着ごとそれを引き抜かれて、でも、暖人は僕の下腹部にタオルをかけたりしなくて。
僕を、ちゃんと受け入れてくれて。
六年もずっと、こんなマイノリティな僕を受け入れてくれていたのは確かな事実なんだって思い知らされて。
止めどなく涙がこぼれて。
「葵晴? 何でそんな泣く? 六年も付き合ったんだから、俺、葵晴がそんな泣くの、尋常じゃねぇ事態だってことくらいわかる」
「い、から……何も訊かないでいいから……早く触って?」
僕は再び、張りつめているそれを暖人の太腿に押し付けた。
容認も拒絶もしなかった。自分でも、狡いと思う。
暖人が無理やりそうしているんだから、僕は悪くないんだと。
裏切られて傷つけられた元カレに無理やり犯されそうになっているんだから僕は悪くないんだと、また裏切られるのが怖くてヨリも戻せないくせに、無理やり犯されるんだから悪くないんだと。
免罪符を得るように自分に言い聞かせて。
暖人が、仰け反った喉元を噛みながらシャツのボタンを開けていく。
それだけでビクビクと腰が震えて、忘れかけていたような、久しぶりに与えられた快楽を全身で享受して。
指が、胸の飾りをキュッと捻ると「んっ」と吐息がこぼれる。
「は……る……」
思わず強請るように暖人の背にぎゅっと腕を回す。
暖人は、その腕を避けない。僕が抱き着いても許してくれる。
それが嬉しくて涙が滲む。
来栖先輩は、絶対に僕を抱きしめてはくれないし、抱き着かせてもくれない。
暖人が胸を口に含んだ甘い刺激で、また蕩けたような声が漏れて。
下腹部の中心が、スラックスの中で淫らな感覚を伴いながら張りつめていくのがわかる。来栖先輩との行為では、僕のそれは一切反応することはなかったのに。
暖人の太腿に昂りを押し付けると、喉を鳴らした。
「葵晴、どうした? なんかあったのか? 言ってみ?」
何も、言えなかった。
暖人には、僕は来栖先輩と幸せにやっているんだって思わせなきゃいけないと思ったから。浮気の罰を受けさせなきゃいけないんだから。
でも──。
「触って? もっと触って? 暖人……」
口をついて出たのはそんな言葉で。
僕は、無理やり暖人に犯されなきゃいけないのに、そうしなきゃいけないのに、自ら求めるような言葉をかけてしまって。
暖人が、何も言わずにスラックスのベルトを外した。
下着ごとそれを引き抜かれて、でも、暖人は僕の下腹部にタオルをかけたりしなくて。
僕を、ちゃんと受け入れてくれて。
六年もずっと、こんなマイノリティな僕を受け入れてくれていたのは確かな事実なんだって思い知らされて。
止めどなく涙がこぼれて。
「葵晴? 何でそんな泣く? 六年も付き合ったんだから、俺、葵晴がそんな泣くの、尋常じゃねぇ事態だってことくらいわかる」
「い、から……何も訊かないでいいから……早く触って?」
僕は再び、張りつめているそれを暖人の太腿に押し付けた。
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